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政党の政策比較【ドイツの雑誌から】

2008-05-14 04:15:11 | 地球→ドイツブログ
【SOZIALE SICHERHEIT】
いきなりドイツ語でごめんなさい。

英語で言えば
social security
狭い意味は「所得保障」(年金や生活保護)
広い意味は「社会保障」ですね。

勤務する大学の図書館の洋雑誌コーナーをみています。
インターネットの時代で
さらに
ProQuest といったデーターベースも発達してきました。
紙に印刷しない「電子学会誌」(無料)も紹介したことがありますね。
ですが、印刷物としての雑誌の魅力も捨てがたいですね。

・イギリスのソーシャルワーカーの学会誌の代表的なものを紹介しました(5月11日)。
・アメリカのソーシャルワーカーの職能団体が出している各種学会誌の総合「論文要旨集」とも言うべきものを紹介しました。(5月12日)
・今日は、ドイツの労働組合が出している社会保障専門の雑誌です。
(写真は最近号の表紙)

【隔月刊の論評誌】
ドイツの労働組合では、もっとも大きな組織であるDeutscher Gewerkschaftsbund
が編集して、Bund-Verlag という出版社から隔月ででています。
最新号( 2008年3月号)の目次を見ると
・年金政策についての論評
・DGB(この労働組合。ドイツ語読みでは、デー・ゲー・ペー)の高齢者政策の重点
・健康保険の医療費に関するシリーズの政策論争
・新しい法規制に関する解説3本
などがあげれれています。
→どれも面白そうでゆっくり読みたいですね。
 日本の労働組合では、このような雑誌を出しているかなぁ。

今日、例としてご紹介する論文は
Sozailpolitik in den neuen Parteiprogrammen von CDU, CSU und SPD
(政権3党の新しい社会政策要綱の比較)
というもので
著者は、CHRISTOPH BUTTERWEGGE 博士(ケルン大学教授。政治学部長)
SS.85-90  
*SS: Seite=page なので、「85ページから90ページまで」の意味です。

【大連立の時代】
ドイツでは、保守系のCDUと社会系のSPDとががっぷり同じくらいの議席の勢力で
この両者が一緒に「大連立」を組んでいます。
CSUというのは、保守系でバイエルン州が中心でCDUとは友党関係にあります。

政権を組む時に時間をかけて政策協議をしていましたから、大枠はかなり近くはなっているのですが、今回の論評を見ると、3党が最近まとめた社会政策に関するプログラム(政策要綱)は、erstonliche Gemeinsamkeiten (驚くべき共通性)があるということです。
*経済の国際化、人口の高齢化といった基調変化の認識に差がなく、このため、社会保障政策の見直しの基本的な視点には大きな差がない。

具体的には、3政党とも、教育の機会均等のための政策を重視する、という点では、強い一致点をもっている。

ニュアンスは
SPD は、vorsorgenden Sozialstaates (こころのこもった社会国家)
という感じなのに対して
CDU は、Neue Gerechtigkeit durch mehr Freiheit(自由を拡大して新しい公正を)
という「規制緩和・機会の均等」というラインが強い。
*教育の機会均等では、SPDでは高等教育までを念頭にした政策。
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