介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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100年前にアメリカで議論されたこと

2007-12-24 11:09:48 | 社会福祉
三島亜紀子『社会福祉学の<科学>性―ソーシャルワークは専門職か?』
(勁草書房、2007)
の目次は前回(12/21)紹介しました。

今日は、その第2回として、第1章 専門職化への起動 を読みます。
(p1-p25)
この章は、以下の3節から構成されます。

第1節 全国慈善矯正事業会議におけるフレックスナー講演
第2節 フレックスナー講演に先行するフレックスナー報告
第3節 「進化」する専門職

1915年、ボルチモアで開催された第42回国慈善矯正事業会議で、
アブラハム・フレックスナーが「ソーシャルワーカーは専門職か?」と題する講演を行った。
その結論は、「現段階では、専門職には該当しない」というものであった。
すでに、アメリカでは,ソーシャルワークの実態はあったから、衝撃的であった。
【そして、2007年の日本でも、この講演が研究の対象となってる。ブログ編集者】

・そのポイントは、医学教育をモデルとした幾つかの専門職の属性に合致していないというものであった。
・フレックスナー自身は医者ではない。医学教育に関する調査・報告で実績を挙げた。(さらに、法学、教育学などからも注目された)
・当時のアメリカのソーシャルワークは、リッチモンドが『社会診断』(1917)
を書いたりして、現場の経験を重視する教育を提唱、実施していた。
・フレックスナーの講演には、将来はソーシャルワーカーも専門職まで「進化」するという可能性も示唆されていた。
・社会福祉を近代的な位相に移行させるに当たっては、フレックスナーは重要なキーパソンであった。
・当時のアメリカは、社会進化論というユートピア的な未来観が流行っていた。

【本章を読んで】
・アメリカのソーシャルワークの影響は、1945年以降、マッカサー司令部の占領下で強まった。(日本社会事業大学の前身の専門学校の設置)
・しかし、東大・京大はじめ旧帝国大学では「社会事業」は、大学における学問対象とならなかった。(それは、基本的には今日まで続いている!)
・早稲田・慶応などの有力私立大学も最近までは、「社会福祉」や「社会保障」を専門的に教育・研究の対象とはしてはこなかった。
(→東洋大学、同志社大学、日本女子大学などの先駆的な社会福祉教育があった)
・(モデルとされた)医学教育も、今日では大幅な見直しが必要な時代では?

【日本に現存するフレックスナー】
・・という小節では、1987年当時の社会福祉士及び介護福祉士法の制定経過に関して、
京極高宣とともにわがブログ編集者の名前がでてきたのには正直驚きました。
(p10)


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