介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第2835号 社会福祉士の発展形態【白澤教授のブログを読む】

2009-05-09 11:32:47 | ヒューマンサービス
社会福祉士の方、また、社会福祉士をめざして勉強中の方は、私のこの記事を読むよりは、まず、先生の原典を是非お読みくださいね。

白澤教授のブログ

*4月28日付け①から5月8日付⑥までの連載6回。

【要約の前に】
今日、ここに書こうと思ったのは、今朝「想い・思い・おもい」(「どりーむ」さんのブログ)で、白澤先生の6回分を読み終えた感想が書かれてあったからです。

*「想い・思い・おもい」第46回(2009.05.09)。第33回(2009.04.27)←私の記事(4/25)に関して。
*私のブログ 第2776号(2009.04.25)4/27付けでどりーむさんからコメントをいただく。

【白澤先生がこのシリーズを書かれたのは】
4月25日に、韓国で行われた日韓学術交流シンポジウムにおいて、日本の事情を発表された。その内容を6回に分けてアップされました。

*私のこの要約では、韓国との類似点などに関しては専門的になるので触れません。(機会を改めて書いて見ます)

【社会福祉士法の改正】
社会福祉士というのは、1987年の制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」によって作られた国家資格です。それから20年以上経ちました。

白澤先生のシリーズをよく理解するためには、2007年に成立した上記の社会福祉士法(略していいました)の改正内容、国家での付帯決議、などの一連の資料を参照ください。
その一例:
厚生労働省HPの社会・援護局関係部分

【先生の将来構想のポイント】
図の左側の中心に「社会福祉士」があります。
幾つかの代表的な分野が示されています。
*この中では、「精神保健福祉」といわれる分野について、すでに「精神保健福祉士」という国家資格ができています。

右の方に、「専門社会福祉士」とあるのは、社会福祉士が経験をつんで、社会福祉施設長などになるための上級資格です。

上の方に示されている矢印は、虐待の予防や就労の支援といった社会福祉士に期待される新しい役割を例示しています。

【社会的な承認が乏しい】
日本の社会福祉士の現状のポイントは、看護師や理学療法士などに比較して、社会的に専門資格として認められていないことです。
社会福祉士の国家資格は、看護師や理学療法士のように「業務独占」ではなく、「名称独占」です。白澤先生は、当分は、社会福祉士を業務独占までもっていくのは難しいとのご判断です。
その代わり、社会福祉士が働く場を次第に拡大していく、という実際的な方向を示されています。

【根っこの部分を忘れている現実】
社会福祉の仕事で重要なのは、社会福祉事務所(市役所などでは「福祉課」という看板になっていますね)ですが、その所長のうち、社会福祉士資格をもっている人は僅か、1.0%だということです。ケースワーカーを指導する「査察指導員」は、福祉行政の第一線の指揮官ですが、なんと、社会福祉士資格保有者は2.6%にしかすぎないのです。
いまインフルエンザで話題の保健所長は、全員国家資格である医師資格を有しているのに比較しても大きいギャップですね。
また、日本では、社会福祉法人などの民間立の社会福祉施設が果たしている役割は極めて大きいです。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設長のうち23.6%が社会福祉士資格を有しています。
→先生のシリーズ③(5/01)を参照ください。

【進んだ分野も】
他方で、
○ 保健医療
○ 教育
○ 司法
などの分野では、社会福祉士の働き場所が拡大しています。
→先生のシリーズ④(5/02)

就労支援の分野は少し動きが弱いのですが、「就労支援を核にした生活支援」というコンセプトから有望だと考えておられます。

【社会福祉士からソーシャルワーカーへ】
今回のシリーズを読んでいて、社会福祉士という基礎的な国家資格を軸として、さまざまな分野・機能を発展させて、国際的な概念としてのsocial worker ソーシャルワーカーへと発展していく、とう体系が理解できました。

その場合に、
○ 大学院の役割
○ 教養教育
○ 専門職組織の研修
○ 通信教育やeラーニング
など、教育の分野でも改善・改革を迫られていることがあります。

【私の個人的な関心】
先生は、ソーシャルワークとソーシャルポリシーやソーシャルアドミニストレーションとの関係について触れられていますが、
私の個人的なイメージとしては、「医療福祉士」(できていない)「介護福祉士」資格などとの関係付けも必要な時代がやがては来るのでは・・と考えています。
*第2776号(2009.04.25)は、そのようなイメージを書いています。
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1 コメント

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時代が求めているように思います (どりーむ)
2009-05-09 23:10:20
bonn1979先生へ
私へのブログにコメントをいただき、ありがとうございます。

確かに、時代は人と社会、そしてそれぞれの専門職や機関をつなぐための役割を求めていると感じます。

ひとりで多くの課題を抱えている人、一人ひとりがそれぞれが課題をもち、それらが複雑に絡み合っている家族、そしてそれらの人々が地域という社会で生きている。そして、それぞれに、その課題に寄り添ういろいろな専門職や機関がいる。それらの専門職や機関が、それぞれの責任や役割を果たすためには、連携し合うことが必要であるが、実際にどうすることが連携することかを、わかり合ってはいないように感じることが多いです。

生活が、過去から今、そして未来とつながり、個人、家族、地域、社会と広がっているのだから、支援もきちんと社会とつながりあうことが必要であり、そのための社会や制度を横断的にかかわることができる専門職として、社会福祉士やソーシャルワーカーという専門職が必要とされている、と感じています。

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