介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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『薩摩スチューデント、西へ』(林 望)

2007-08-27 11:31:42 | 地球→ドイツブログ
8月23日のこのブログで
鹿児島中央駅前の若き群像のこと触れました。

1865年
薩摩藩の資金でイギリスへ派遣された19人
(外交使節が4人、15人は留学生)
のうち、
高見弥一は土佐藩ということで
通訳の堀は長崎出身なので
この群像からは除外され17人となっている・・

今年4月初版された
『薩摩スチューデント、西へ』(林 望)
を見つけた。
19人が鹿児島からイギリスへ着くまでの2ヶ月間
その後のことを書いている。
小説なのだが、著者の林望はイギリスに詳しく
一行がロンドンに着いたあたりの記述は臨場感あふれる。

33歳から13歳の若者、
後の明治史を彩る人たち
五代友厚、森有礼らの渡航費だけで
香港からサザンプトンまでの旅費が
一人当たり今のお金で270万円だったという。
明治維新直前でまだ海外渡航は堅く禁じられていた。
派遣した島津藩の決断と財源も大したものだ。

3月19日に鹿児島をたって、サザンプトンに着くのは
5月28日。香港とか最初のころの寄港地での留学生の
興奮ぶりが印象的です。

ロンドンで
長州藩の山尾に資金カンパするところ(p378)は
思わずもらい泣きをした。

この頃の日本の若者の度量に比べれば
鹿児島出身でないというだけで
記念像から2人を除いた現代の人たちの狭量さ
には愕然としますね。
(もっとも、新聞が報道するように
恥ずかしいと感ずる方もいたのには救われます)

*光文社刊。429ページ、1800円+税。
もとは2004年から2006年にかけて
「小説宝石」に連載されたもの。
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