介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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白澤先生の講演記録を読む

2007-11-03 15:35:47 | 社会福祉
日本ソーシャルワーカー協会の会報
2007.10 通巻101号に
白澤政和先生の講演記録が掲載されている。

先生は、
大阪市立大学大学院教授で
日本社会福祉士養成校協会の会長を務めておられる。
講演は、2007年9月8日、東京で行われた公開講座である。
「社会福祉士法改正に伴う養成・任用・確保システムの新段階」
と題して行われた講演の記録から
幾つか紹介します。
(上記会報、p2-p11)

・福祉系大学は定員割れしているものが多い。
社会福祉士の養成は、大学だけで180校、その他の養成施設を加えて
合計270校にもなっている。
・国家試験の受験者は、最近では45,000人になっている。
合格率は20%で、医療系に比較して著しく低い。
・病院ソーシャルワーカーの給与は、11-12万円で高校卒業並みの低さだ。
・これから、職域を拡大する必要がある。
特別養護老人ホームの生活指導員で社会福祉士の資格保有者は、23.6%にすぎない。
福祉事務所の査察指導員となると、305名中8名しか社会福祉士資格を持っていない。
・社会福祉士の養成には180時間の実習が義務付けられているが、
看護師の1300時間、OTの750時間に比較して少ない。
ソーシャルワーカーでも、イギリスでは700時間、アメリカでは800時間の実習を課している。
・今後の職域の拡大には、保健医療、司法、教育などの分野も念頭におく必要がある。

・これからは、社会福祉士の仕事が社会に見えることが大切だとして、
養護施設における子どもの事例から「つっかえ棒」としての役割をあげている。

昨夜、勤務する大学院の修士論文の中間報告会があった。
保育、児童養護、聴覚障害、後見人活動など、さまざまな体験的な論文の
中間報告を聞いて、少しずつではあるが、社会の目に見える努力がされていると
感じた。

介護福祉コース1年生への「社会福祉概論Ⅱ」の講義では
次回は、11月8日、第8回の講義で、社会福祉士のことに触れたいと思います。

白澤先生のお話は、
・社会福祉教育を行う教員の専門性
(医学部教員はおおむね医学部の卒業生であるように、社会福祉学を専攻した教員がもっと多数を占める必要がある)
・今後の資格問題の体系案
・日本のソーシャルワーカーが国際的な役割を果たすべき
などの示唆もあります。
 このブログでも、何度か、継続してとりあげていきたいです。
(私自身は、社会福祉士ではありませんが、かれこれ20年余り、その養成教育
に関係してきました・・・)

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