介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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権利擁護の専門職としての社会福祉士

2007-08-01 11:44:20 | 成年後見
昨日4時限(14:40~16:10)
大学院の演習
2年のPさん。

修士論文のテーマは、表題のようなものを
考えている。
Pさんは、
ベテランの社会福祉士であり、後見人をいくつも引き受けている。

話の流れは
・障害者や高齢者の虐待の実態を調べる。
・これまでの虐待の研究は、身体的・心理的な虐待を取り上げたものが多い。
 しかし、P さんは、実務の中から「経済的要因」が関係するものが多いことに 気付く。
・この場合の「経済的要因」も、「貧困のために生活が苦しい」というよりは
 年金などの収入を家族に使われてしまう・・という類型である。
・こうした経済的要因による虐待事例を防止するためには、後見人制度がもっと
普及しなければならない。
・後見人制度には、弁護士や司法書士などの法律家の参画も重要だが、
社会福祉士の役割が一層大きくなることをP さんは痛感している。

このようなあらすじを念頭に、先行研究を読み、鹿児島の現状を整理している。
重要であるにもかかわらず、まだ十分な理解が得られていない課題である。

後見人を引き受けるための基礎知識を得るための研修活動などで、
P さんは自分が担当した事例を素材を組み合わせたモデルをつくり、
社会福祉士が後見人活動を行うためのポイントを教えている。

大学院ともなると
そのテーマに関しては、教える立場の先生よりは院生の方が
はるかに長い経験と深い見識を持っている。
毎週、進み具合を聞きながら、ただ感心することしきりです。

大学が地域に現実に起きている課題を受けとめ、次の代に伝えていくという
役割を果たすためにもP さんのような院生がいることに誇りを持っています。

(写真は、中央駅近く、「共研公園」。西郷が一時期このあたりに住んでいた)
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2 コメント

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興味深く拝読しました。 (はるむん。)
2007-08-02 00:39:35
この内容について、福祉専門職の"専門性"とは
何か?といろいろ考えてみたものの、
なかなか結論がでないテーマでした。

この方のように、法律的知見も福祉的知見も
お持ちの方が増えれば、家族間の利益相反の
場合であっても、状況はずいぶん改善されそうな
気もするのですが、なかなか難しいでしょうか。

修士論文、どこかで公表されるのでしょうか?
楽しみにしています。
先になりますが (bonn1979)
2007-08-06 16:55:35
はるむん。様

コメントありがとうございます。

この方の修士論文は
まさに作業の只中ですが

さしあたり
一部分を学内の紀要のようなものに
と考えています。

後見人への参画は、
これから法律学と社会福祉学とが
協調してゆくべき
分野の代表でしょうね。

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