介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

経済にとって社会保障は負担なのか?

2007-09-14 12:05:37 | 経済
社会保障や社会福祉に関する不安が増大している。

年金額は次第に引き下げられるのか?
いざというとき頼りになる病院が近くにあるのか?
一人暮らしで無事老後をすごせるのか?

政治家は誰もが「社会保障の充実」と約束する
その反面、財政赤字が膨大でそのネックは社会保障だという。

社会福祉や社会保障に関するまとまった学問はないのか?
東大や京大には「社会保障学部」とか「社会福祉学科」はないから
こういう疑問に答える学問はないのか?

このたび
慶應義塾大学出版会から
「総合研究・現代日本経済分析」全15巻が刊行を始めた。
その第1巻が
京極高宣『社会保障と日本経済』である。
423ページに及ぶ大著である。
副題に「社会市場」の理論と実証
 とある。

京極高宣氏は
2005年から、厚生労働省の付属機関の
国立社会保障・人口問題研究所長を勤める。
(かっての、「社会保障研究所」と「人口問題研究所」
が行政改革で合併した。古い2つの研究所の名称を
そのまま並べた新名称に、この分野の学問をめぐる
課題が暗示されている・・)

これまで
日本社会事業大学の学長を10年にわたりつとめており
その関係もあって、厚生労働省関係の審議会の要職を
多数占めてきた。

この本は、
著者が「本邦初の社会保障と日本経済の関係分析を行ったもの」
(p396)であると自負するだけあって、
このテーマに関する先行研究をたんねんに網羅・点検し、
その上に立って、多数の統計や概念図を用いて
実証的な分析を展開している。

著者は、精力的な執筆活動を続け
すでに2002年から2003年にかけて著作集全10巻を
著している。それからも、新しいテーマを追い
研究所のスタッフの協力を得て
ここに一冊で社会保障の課題を体系的に示すことに成功している。

なぜ、そんなに「ちょうちんをもつか?」って?
頼まれてブログしてるわけではありません。
(残念ながら、京極先生はPCが苦手で、このブログなども読んでいないでしょう)
私が大学の世界に入り、研究者の真似事をしはじめたころ
指導してくれたのがこの京極先生。
年齢は、私が1年上ですが、
そしてこの何年かはほとんど
お会いすることもありませんが
9月9日の日経新聞の書評で発見し、すぐに鹿児島の本屋で求めたもの。
(2007年8月刊。3800円+税。)

これから
何回かにわたって
この本に即しながら
社会福祉・社会保障の基本問題を考えていきます。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もういいんじゃないか | トップ | 認知症治療の最前線 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご紹介いただきありがとうございます。 (はるむん。)
2007-09-15 00:08:09
10年後のあなたもそうでしたが、
ご紹介いただいた本も、かなり興味深いものです。
(というよりも、社会福祉における「市場化」を
うまく答えられずに、悩んでいたところでした)
早速、明日本屋で探してきます!
ありがとうございます。
社会市場 (bonn1979)
2007-09-16 16:27:20
今日(9/16)
「その2」
として
このブログに
書き込みしました。
少しずつこなしながら
(自分の意見を含めつつ)
紹介していく予定です。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事