介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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迷走する高齢者医療制度【堤修三 大阪大学大学院教授】

2008-06-19 15:16:02 | 医療
【社会保険旬報】
医療政策、とくに医療費に関しては専門家の間で読まれている専門誌です。
若い頃(40年以上前)医療費の仕事をしていた頃はよく読んでいました。
最近、勤務する大学の図書館で立ち読みしています。

その最新号(2008.06.11 No.2354。社会保険研究所)に、
堤修三氏の高齢者医療制度に関する論文が掲載されていた。pp.6-14
副題に、「今 その歴史から学ぶとき」とあります。

*ご存知の方もおられるかと思いますが、堤氏は、大阪大学の前には、
厚生労働省老健局長、社会保険庁長官を歴任している。

【高齢者をひとくくりするのは間違い・・】
この雑誌は、専門家向けのものですし、この論文も決して読みやすくはないです。

しかし、堤氏は、この論文以外にも著作・論文が多く、この論文で書かれているようないわば政府批判を勇気あるものとして
(共産党の『赤旗』を含む)メディアがこの人の考えを紹介していることを知りましたので読んでみました。

○ 高齢者をひとくくりするにいたった経緯を紹介している。(専門家向き)

○ 今回問題となった政府案については、反対の意見。

○ 代案として、「被用者年金受給者健保」を提唱している。

○ 国民健康保険の低所得者対策の重要性を併せて指摘している。

【早かった北海道のmasa氏の指摘】

masaの介護福祉情報裏板

は、すでに
2007年8月6日 「検証~後期高齢者医療制度の創設」で今日問題とされている点を指摘している。

その後も、
2007年11月30日 「後期高齢者医療制度はかってない悪法」で、基本的な問題点を整理・分析している。

このあと、
2008年4月16日 「隠される後期高齢者医療制度の問題点」で、世間で騒がれてからの政府の対応などに触れている。

【岩清水日記の凄まじいフォロー】

岩清水日記

は、3月4日に問題提起して以来、6月5日の記事に至るまで12回にわたって、政府の対応、民主党の提案などを伝えている。
*(5月6日から)朝日新聞にならって?「75歳以上高齢者医療制度」と改称しています。
*カテゴリをクリックして、12回の記事を読むことができます。

【感想・・】

○ 私も一度書いた(2008.04.16)のですが・・前提となる医療費の構造そのものへメスをモット入れることと、
 医師数の解禁?が昨日厚生労働省の会議で決まったようですが、医師になる社会システム(政治と同じくエリート職業の私物化)にメスを入れる必要がありますね。

○ 堤論文に対しては、専門家の間で論議が続くと思いますが・・
「・・・厚生労働省にとって、介護保険の成功は日露戦争の勝利であり、その成功体験をもって突入した高齢者医療制度改革は太平洋戦争だった・・」
のくだり(p13の2段目)には、官僚OBの傲慢さが垣間見えました。

 
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