池田先生のブログP7447
では、JBpressの記事(2010.12.01)のイギリスの週刊経済誌「エコノミスト」の日本特集邦訳を紹介しています。
その後、
12月4日付 で、その補足記事「高度成長は奇跡だったのか」が書かれています。
図は、そこで掲載されたものです。
明治維新から今日までの世界各国(アメリカ、イギリス)の成長率の比較です。y軸が対数目盛になっています。
(伸び率の比較)
先生の解説:
「・・図はワイルの教科書のウェブサイトから借りたものだが、日本の高度成長が「戦前からのトレンドを延長したものに近い」というのは単純化しすぎだった。よく見ると、破線を引いたように戦前からのトレンドには1960年ごろに追いついており、そこからさらに成長して英米なみの成長率になって落ち着いている。これは新古典派成長理論でいう定常状態(steady state)に近い。資本/労働比率が一定になり、生産性上昇率≒成長率になっている。成長率が高かったのは、戦争でGDPが半減したためだ。・・」
「・・そう考えると日本の高度成長には余り奇蹟的な要因はなく、定常状態にハイスピードで収斂し、資源と技術の制約にぶつかっただけだ。そういう意味では「失われた」とみるのではなく、齊藤誠氏もいうように今の状態を新たな定常状態と考えたほうがいいのかもしれない。ただグロスでみると、かつて労働人口が急速に増えたために「奇蹟」と見えたのとは逆に、今度は急速な「逆高度成長」が始まるおそれが強い。・・」
これからの社会政策を考えるにあたっても、このような歴史的な視点が必要ですね。
*池田先生は、社会保障や社会福祉については発言されていない。
では、JBpressの記事(2010.12.01)のイギリスの週刊経済誌「エコノミスト」の日本特集邦訳を紹介しています。
その後、
12月4日付 で、その補足記事「高度成長は奇跡だったのか」が書かれています。
図は、そこで掲載されたものです。
明治維新から今日までの世界各国(アメリカ、イギリス)の成長率の比較です。y軸が対数目盛になっています。
(伸び率の比較)
先生の解説:
「・・図はワイルの教科書のウェブサイトから借りたものだが、日本の高度成長が「戦前からのトレンドを延長したものに近い」というのは単純化しすぎだった。よく見ると、破線を引いたように戦前からのトレンドには1960年ごろに追いついており、そこからさらに成長して英米なみの成長率になって落ち着いている。これは新古典派成長理論でいう定常状態(steady state)に近い。資本/労働比率が一定になり、生産性上昇率≒成長率になっている。成長率が高かったのは、戦争でGDPが半減したためだ。・・」
「・・そう考えると日本の高度成長には余り奇蹟的な要因はなく、定常状態にハイスピードで収斂し、資源と技術の制約にぶつかっただけだ。そういう意味では「失われた」とみるのではなく、齊藤誠氏もいうように今の状態を新たな定常状態と考えたほうがいいのかもしれない。ただグロスでみると、かつて労働人口が急速に増えたために「奇蹟」と見えたのとは逆に、今度は急速な「逆高度成長」が始まるおそれが強い。・・」
これからの社会政策を考えるにあたっても、このような歴史的な視点が必要ですね。
*池田先生は、社会保障や社会福祉については発言されていない。