介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第4132号 貧困対策の決め手(「条件付き現金給付」)

2011-01-05 21:37:26 | 地球→ドイツブログ
New York Timesのオンラインは、アメリカ以外の国々を視野に収めていて、すべての記事を無料で読めるのが嬉しいですね。

「介護政策リンク集」P7660 の記事ですが、その要点をまとめてみます。逐語訳ではなく、大きな流れをご紹介します。


【キーワード】
ブラジル、メキシコ
所得の不平等、貧困、子どもと青少年
農村地帯、世界銀行

*この論評の中心テーマは、「条件付き現金給付」です。
所得の低い家庭に、子どもを学校にやる、健康診断を受ける、母親は栄養講座などを受講する・・といった「条件」をつける。


【著者】

ティーナ・ローゼンベルグ。アメリカの優れたジャーナリストに与えられるPulitzer賞を受賞している。ロンドンタイムスの論説委員をした。現在は、Sunday magazineの寄稿者。
この記事には、すでに232件のコメントがきており、土曜日に回答したいとあります。

【世界40カ国で】

この「条件付き現金給付」は、世界銀行が提案し、ラテンアメリカの14カ国、その他の26カ国、合計40カ国で実施されている。
ブラジルとメキシコの成功例が説明されています。
*このプログラムは、「条件付き現金給付」Conditional Cash Transfers, CCT
と通称されているが、ブラジルではBolsa Familia(家族給付)、メキシコではOportnidadesといわれている。


【ブラジル】

ブラジルの貧富の差はリオの貧民窟と高層マンション群の対比(写真)などで有名だった。
この給付のおかげで、2003年から2009年までにブラジルの低所得者の所得の伸びは金持ちの所得増の7倍だった。貧困者の割合も、総人口の22%から7%に減少した。

*これに対して、アメリカでは、1980年から2005年の間に、総世帯の5分の4の所得増はトップ1%によってもたらされた。


【メキシコ】

メキシコの家族給付は、5800万人、総人口の30%をカバーしている。小中学校の生徒を持つ家庭には、月額123ドルが支給され、高校に進学する場合には、330ドルの一時金が支給される。

*ブラジルとメキシコのこのプログラムの評価(教育機会の向上、健康状態の改善など)は、多くの科学的な研究によって明らかにされている。

*1件当たりの金額は少ないようだが、貧困、とくに極貧層の減少・撲滅に顕著な効果がある。


【ブログ管理者の感想】

経済成長が続く間にこそこのような政策が有効ですね。日本では、経済が順調な時には公共事業などで投資はしたが、当時は児童手当などには消極的だった。財源が窮屈になった現在になって「子ども手当」の論議をしている。
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