介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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ドイツとデンマークの介護政策比較【WSI月報】

2008-05-18 10:53:06 | 地球→ドイツブログ
【経済社会研究所】
ドイツの有名なシンクタンク
WSI:

Wirtschafts- (経済)
und      (英語のand)
Sozialwissenschaftlichen (社会科学的)
Instituts    (機関、研究所)

が毎月発行している
WSI MITTEILUNGEN という雑誌の2008年4月号が、勤務する大学の図書館にきていました。
(写真は、その表紙。右下に、「2008.5.15受け入れ」のスタンプ印)

1年の通しページで、この号は、173ページから228ページです。
9本の論文は、労働組合、最低賃金、派遣労働者、教育政策の転換、社会運動から国際的な労働関係を学ぶなど主に労働政策的なものが多いです。

WSI月報

には、最新号として、この4月号の目次と各論文の要旨がアップされています。(ドイツ語)

【ドイツ人にとってのデンマークの高齢者介護】
212ページから218ページにわたって
Claudia Bogedan というWSIの研究員による論文が掲載されています。

原題が、
Pflegeverantwortung zwischen Familie und Staat
意訳して、「介護の責任は家庭か国家か」
副題に、「ドイツとデンマークの比較」とあります。

視点は、女性の労働、あるいは労働市場における男女平等といったものです。
高齢者介護についての、ドイツとデンマークの制度・現状・最近の政策・課題が手際よく整理されています。
その多くは、日本の読者にもすでに紹介されていることですが、

・ドイツにとっては、隣国でありながら大きく相違するデンマークの政策への関心
・2008年7月から施行されるドイツの介護保険法改正のポイントとその評価
といった点に意義のある論文といえます。
巻末の文献を見ても、ドイツの基本文献を主に、そのほか日本で知られている国際的な文献などが網羅されています。

【要点】
○ 2008年7月から施行されるドイツ介護保険法の要点
 *法律は、3月14日に成立しているので、日本の専門雑誌などでも紹介されていると思われますが・・

・保険料率の引き上げ +0.25%=1.95%
・給付額のスライド制
・最初の10日の無料給付
・認知症などの介護度認定の特例
・地域相談センター(仮訳)
・給付と連動する新しい住宅のタイプ

○ デンマークでは、(ドイツの対比して)介護に関するサービスは手厚く、介護は(ドイツのように家族=女性に多くを委ねるのではなく)国家が責任をもっているが、それでも介護労働市場は、女性に大きく依存している。介護職の95%は女性。介護職の労働組合が組織されていて、95%が加入している。
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