介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第1915号 ドイツでは高齢者は障害者の概念に入ります【社会報告】

2008-11-30 22:23:30 | 地球→ドイツブログ
写真は、今日お昼前に鹿児島大学本部前付近。

【統計による生活白書】
ドイツの Datenreport2008
について書きました。(第1894号 11/25)
これは、ドイツ連邦政府統計局が刊行しているもので、基礎的な統計を使ってドイツの国民生活を解説しています。

「社会福祉学資料集」の6項目「ドイツ編」にリンク済みです。(6.3.)
Link zum Kapital 9 ・・
とあるところからダウンロードすると
第9章 (保健と社会保障)がアップできます。

【9.1.3 Schwerbehinderung und Pflegebedurftigkeit】
というタイトルは、直訳すると「重度障害と要介護」です。
この小節を何回かかけて紹介します。
(241ページから244ページまで)

2005年12月末時点で、ドイツには障害者は680万人います。
これは人口の8%に相当します。
52%は男性です。
障害の多くは高齢者に見られます。65歳以上の人が障害を持つ人全体の53%を占めています。55歳から65歳未満までの年齢層が21%を占めていますから、障害者の4分の3は55歳以上ということになります。
25歳以下の障害者は、障害者全体の4.0%にすぎません。

年齢階級別のSchwerbehindertebquote(重度障害比率)の図(Tab1.241頁)では、年齢と共に障害になる比率が急増するグラフが描かれています。

女性よりは男性の方が障害者が多いのは職業につく割合は男性の方が多いからでは、と分析しています。

障害の要因としては、
83%が病気
5%が生まれつき
2%が事故・労災
1%は、戦争・軍務
となっています。 

【統合された障害概念が先行している・・】
日本では、「老人福祉法」そのまえに「身体障害者福祉法」(現在は廃止。新法に統合)がありました。概念の縦割りですね。
ドイツには、「老人福祉法」という縦割りの法律はなかった。
Heimgesetz 直訳すると「施設法」という法律があります。1974年制定。
この施設法では、いわゆる老人ホームだけではなく障害者が入居している施設も一緒に規制しています(契約の締結といったこと)。
*日本では、介護保険施設の基準などを省令で定めているが、契約などの条項を(ドイツのように)法律で定めてはいない。

ですから、ドイツの介護保険制度は当然のように全国民を対象としました。
*日本の介護保険は、65歳以上の高齢者を対象としている。(保険料は40歳から納める)

この統計解説を読むと、ドイツでは、高齢者を含む全国民を障害のある人と概念づけていることがわかります。日本では、教科書などでも高齢者と障害者とは別々に書いていますね。
*以下、次回。
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