介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第1651号  貧困問題をスタートラインに【湯浅 誠:その18】

2008-10-05 04:30:17 | 経済
【現状分析と現状打破】
『反貧困』は、
第Ⅰ部と第Ⅱ部にわかれています。
第Ⅰ部は、「貧困問題の現場から」となっていて、現状分析です。
これまで18回にわたりゆっくり第Ⅰ部を読んできましたが、今日で「現状分析」はひとまず終わりです。
次回以降は、第Ⅱ部「反貧困」の現場から
となっていて、第Ⅰ部の現状分析を踏まえた現状打開の動きです。

【第Ⅰ部のまとめ】
第1章 ある夫婦の暮らし
で、実際に「もやい」に相談に見えた夫婦の事例から始まりました。

第2章 すべり台社会・日本
では、
○ 三層(雇用・社会保険・公的扶助)のネットワークが機能していないこと
○ 犯罪、児童虐待、教育の場での格差と貧困の世代間連鎖について

第3章 貧困は自己責任か
○ さまざまな排除→自分自身からの排除→自殺と殺人
○ 「自己責任論」の批判
○ センの貧困論(潜在的な可能性が残されているか)
○ 筆者の「溜め」の概念(お金、体、人間関係、気力など、池に水は溜まっているか、もう枯れてしまいそうか)
と、議論を進めてきました。

【個室ビデオでの火災事故で15人が死亡したが・・】
根っこに貧困がと介護専門学校講師の遥香さんは指摘しています。(10月4日付記事)
遥香さんは、この論評の最後で、
「養鶏場のかごの中で火事にあったようなイメージ」を感じたと結んでいます。

【貧困問題の直視】
 こうして、貧困が原因であるさまざな事故・事件が起きています。
 国際的には、「貧困ライン」が決められている国が多いのですが、日本では、そのラインは明らかにされていません。p.98~
 以下は、アメリカとドイツの例です。

アメリカ政府の正式の貧困ライン
は、4人世帯 20,650ドル
  単身  10,210
と決められています(2007年)

ドイツ連邦の場合も、EU基準による2004年の貧困率は13%と発表しています。 
ドイツ連邦統計局
*Pressmitteilung Nr.505vom05.12.2006
Service
Press
Pressmitteilung
Suche nach Datum
2007
Dez
からNr.505を探します。(ドイツ語)
タイトルは、
  Erstmals EU-weit vergleichbare daten zu Armut

生活扶助基準に関する検討会
厚生労働省が、2007年10月19日から11月30日まで5回にわたって開催した会議で、報告書をまとめ、HPにアップしています。
専門的ですが、重要なものです。


*写真は、加計呂麻島安脚場。
徒然なる奄美からお借りしています。


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