介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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原理(プリンシプル)にこだわる同郷の人

2007-12-21 12:41:10 | 成年後見
「格闘すべき本」の
もう一つの方です。

細川瑞子
『知的障害者の成年後見の原理』
の「原理」には、「プリンシプル」とルビ?が打ってあります。
副題:「自己決定と保護」から新たな関係の構築へ

まだ、奥付とか
プロローグ、エピローグ、参考文献しか見ていませんが
この本は、まさに「格闘」すべき本としては、一生ものの本です。

著者は、
1982年、奈良市において三男誕生。
療育・訓練に明け暮れるが、最重度知的障害となる。
1985年、三男の養育のため、一家は出身地の富山市へ転居。
1990年、自身の病気を機に、育成会活動のボランティアに参加。
社会福祉士資格取得。
2006年、日本女子大修士課程を卒業。
その修士論文が、本書の骨格となっている。

成年後見制度を軸とし、生活の広い部分に必要な支援を含めた発展形態を利用することで「親に代わる知的障害者の人生の伴走者としての成年後見制度」という提言につながっていく。(「はしがき」)

「プリンシプル」と強調したように、本書の特色は、広く哲学や倫理学などの社会科学の諸分野の知見を踏まえ、障害者の置かれた状況や、現代社会の現状をおさえておこう というスタンスにある。

この「プリンシプル」の欠如こそ、現在の日本社会の迷走の根本原因だと私は思う。

著者は、自身の子どもさんから始まって、今では、富山県内はもちろん、舞台を全国に広げて活動している。(例:日本成年後見法学会制度改正研究員会委員)

本文310ページ、参考文献15ページ。
毎回、少しずつ読むとして、20回ほどはかかりそう。

全体の構成をあげておきます。
プロローグ
第1章 成年後見制度の成立
第2章 障害者の自立と自己決定
第3章 自己決定とは何か
第4章 現代社会と知的障害者
第5章 知的障害者と成年後見制度
第6章 知的障害者との新たな関係の構築
エピローグ

この本を見つけて、すぐに購入を決意したのは、
「演習1」でお話しているように、今、院生2年の修士論文のテーマが
まさに本書のテーマだからです。
(明日も、午後、修士論文の原案の全体の論理的構成・整合性を二人で
点検する予定になっています。)

今日のタイトルに「同郷の人」としたのは、
著者が私と同じ富山市の出身ということを言いたかった。
鹿児島にあって富山は遠いのですが、それだけに白雪を抱いた立山連峰を
仰ぎ見ながら田んぼの中を通った小中高校のころを想いだします。
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ひと口に福祉とは言っても (genesislife)
2007-12-23 23:20:10
 このブログを拝見して何時も思う事は単に福祉とは言っても、その裾野は広く、しかも厚い雲に覆われていて僅かな隙間から垣間見る部分を私のような思慮の浅い門外漢は「これが全てだ」と錯覚してしまいがちです。だからいざ取り組もうとした時に驚愕するしかありません。

 私自身このブログを拝見してから認識が可なり変わりました。

 例えば災害などでは初期の救出活動や食料等の生活に必要な物資の供給仮設住宅の施行で一段落です。

 だから長くとも1,2ヶ月の話ですが福祉、特に障害者に取っては一生続くものです。

 ということは福祉=人生という訳です。

 比較的短い老人福祉にしても10年以上続くのが普通ですし。

 これは私のような門外漢には耐え切れない長さです。

 そこへ知的障害者・身体障害者そして生涯は無いものの家庭の事情で親に養育してもらえない子供たち、それに前述の老人福祉。

 漠然と考えただけでも、そら恐ろしい広さです。

 そんな広大な世界を旅するbonn1979さんをはじめ福祉の世界に身を置く方々そして目指される方たちには正直敬服するばかりです。

 細川瑞子などは最たるものです。

 確かにお子さんに障害が有ったにせよ学位を取るまで研鑽されるのは並みの精神力では達成し難いのは事実。
地道な声を広く知らせる (bonn1979)
2007-12-25 11:04:17
genesislife 様

コメント
ありがとうございます。

もっと世の中に知られて良い事実
がありながら
そういう声はブログなどでは
届いていないような気もしますが

私が
わずかの期間に
触れたブログ(例:BOOKMARK)
や著作(カテゴリであげているもの)を
読むと
まだまだ可能性があるように思われます。

私自身
42歳のときに
初めて「社会福祉」の分野の仕事を担当して
世の中にはこんな方(現在の知識で言えば、細川さんや「岩清水」さんのような方々)がおられるのだ
という強い衝撃と
反面なかば遊んであるいは流されている
自分のいきざまを根底から考えなおす結果となりました。

それが43歳で
公務員を辞めた遠因です。
(当時の若い仲間から「敵前逃亡」と批判されました)

しかし、
神の身ならぬ私には
理想に向かって一直線とはいかず・・
それこそ流れ流れて(失礼)鹿児島へきました。
(若い頃、鹿児島の女と出合った結末でもあります)

鳩のペアの写真や枯葉を見つめる日々を
「鹿児島散歩」で散歩することで
また別の世の中を見る目をもらっている
その複合というか複雑さが人生ですね。

カラマーゾフが4巻目に入り
そういうややこしさを
考える年末です。

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