介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第1570号 高齢者人権報告【イギリス議会】その1

2008-09-18 05:54:36 | 地球→ドイツブログ
【きっかけ】
9月6日の記事(第1521号)で、イギリスの高齢者組織 Age Concern の虐待に関するリポートに触れました。

大きくいって、イギリスの高齢者の虐待防止・人権擁護の動きには、

○ 1998 The Human Right Act 人権擁護法

○ 2007 議会の合同委員会による報告     →写真:左側 105ページ

○ 2008 Age Concern による上記報告の点検  →写真:右側 46ページ

といった流れがあります。
日本においては、「自立」の議論が盛んですが、認知症や知的障害の場合の「自立」とは何か?と細川瑞子氏は深く問うていましたね。
自分で意思決定が困難な人を差別せず、虐待せず、支援していく・・このことは日本のこれからの福祉政策では最も重要なことです。

イギリスでは、高齢者組織のキャンペーンがきっかけで、議会を中心にこの問題が検討されてきました。どのような点に着目しているのか、フォローしたいと思います。

【議会合同委員会による高齢者の人権擁護報告】
イギリスのJoint committee on Human Rights が
2007年7月16日決定した

The Human Rights of Older People in Healthcare

は、2006-2007議会の18番目の報告です。
*2007年8月14日公刊され、無料でダウンロードできる。
2007-2008
2006-2007
の順に新しい報告書が上に出てきます。2006-2007の18番目のpdfをクリックします。

【合同委員会】
イギリスの議会は貴族院と衆議院の2院ですが、
○ 貴族院から6名、衆議院から6名 の合同委員会
 *衆議院は、労働党3、保守党2、自由党1の各会派から。

○ 専任の事務局がおかれる

【報告書の構成・・私の大雑把な意訳です】
1 序論   扱う問題群 調査方法(専門家のヒアリングなど)
2 虐待などの問題設定
3 人権擁護法との関係
4 保健省の役割
5 サービス提供者による配慮
6 監督組織
7 専門職の役割 (研修)
8 高齢者へのエンパワー
最後に、勧告
付属資料

*いまのところ、邦訳(全訳)はまだないようです。
この議会報告書を読んでから、2008年のエージ・コンサーンの報告へ進むのがよいようです。
次回以降、1~2のパラグラフごとに要点を紹介していきます。
(本文で288パラグラフ、勧告が54パラグラフです)



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