介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第1821号 社会保障・社会福祉の法令をまとめる努力

2008-11-09 20:16:20 | 地球→ドイツブログ
11月9日はドイツにとって重要な日です。
1989年のこの日、ベルリンの壁が崩壊したのです。
その後、東西ドイツの統合までのことは世界の歴史にとっても大きな出来事でした。
(写真は、東西ベルリンの境界地域にあるブランデンブルグ門。DZFのオンラインからコピーしました。Die Mauer ist offen.)

さて、タイトルに
「社会保障・社会福祉の法令をまとめる努力」
としました。

日本の社会保障や社会福祉を学ぶ際に一番苦労するのは、全体像が見えにくいことです。
医療保険をとってみても、健康保険法、国民健康保険法を
年金を調べるには、国民年金法、厚生年金保険法、・・
今話題の「後期高齢者医療」は、どの法律を見れば書いてあるのか?
社会福祉については、「社会福祉法」ができたのですが、児童福祉や障害者福祉などは、それぞれ個別の法律を見ないとわからないです。

ドイツでは、
「社会法典」
Sozialgesetzbuch
といって、社会保障・社会福祉に関する法律が膨大な一つの法律にまとめられています。
12の編からなっています。

一番簡単な日本語の目次を見つけました。
*翻訳家の井上英巳氏による。

【日本でも統合化の努力を】
このテーマを思いついたのは、
社会保障法の専門家である西村健一郎先生(同志社大学教授。前の京大教授)のエッセイで、
このドイツにおける社会法典の編纂の経過と意義について述べておられていて、その作業をあまり評価されていないような結論だったからです。
*「週刊社会保障」No.2501 (2008.10.13)pp.44-45

【1911年ライヒ保険法】
ドイツでは、すでに1911年に疾病保険、労災保険、年金保険等の法律を統合しました。戦後、西ドイツの時代にも、1970年代における論議を経て、時間をかけて今日の姿になりました。

白紙に新しい法律を書くわけにはいかないので、困難が予想されますが、まず、基本的な体系を議論し、順次、体系にしたがって整備していくというプロセスを経れば、国民にもわかりやすいと思います。
*スウェーデンの社会サービス法(1982) 
 アメリカの社会保障法(1935)などでも、体系性への志向が明確です。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第1820号 【研究者向け】子... | トップ | 第1822号 【研究者紹介】吉... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地球→ドイツブログ」カテゴリの最新記事