介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

ソーシャルワークとケアマネジメント【京都府立大学 修士論文】

2008-08-06 17:08:43 | ヒューマンサービス
基本的なことですが、

ソーシャルワークとケアマネジメントの関係
について知りたいと思い

Google で
socialwork and caremanagement で検索したら
45万件のヒットの最初のページ(4項目)に

「ソーシャルワークにおけるケアマネジメント・アプローチの意義」

という論文を発見しました。

京都府立大学の修士課程に在学中の河野高志という方が書いた論文(修士論文)で、
サブタイトルに
「先行研究の分析を通して」とあるとおり、日本、アメリカ、イギリスの文献をおさえています。
『福祉社会研究』の第7号(2006)のpp.91-105です。
*Vol.7 の 91-105の箇所をクリックする。

【内容】
社会福祉学の専攻という立場からは当然の結論ですが、
(介護保険制度におけるケアマネジメントの意義を反省し)
・ケアマネジメントはソーシャルワークの一部である。
・ソーシャルワークの立場から生活支援のケアマネジメントを構築していく
ことを方向としている。

【現実は・・】
ともかくも、介護保険制度では、
ケアマネジャー(介護支援専門員)への道を多くの関連職種に開いていますね。

最近の試験では(第10回。2007年10月28日実施)、
社会福祉士からの合格者  2720に対して
介護福祉士        19648
看護師          4380
となっています。

*第1回から第10回までの累積数の比率では、
看護師 32.5%
介護福祉士 29.0
社会福祉士 4.2
となっています。

この現実を直視することから議論を始めないことには・・

介護支援専門員実務研修受講試験
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Unknown (tahi-ti)
2008-08-06 17:39:34
介護支援専門員の所有資格において、社会福祉士は少数派であり、薬剤師4.1%と同程度という事実があります。仮に精神保健福祉士0.5%、相談援助業務従事者・介護等業務従事者10.5%を合算しても15.1%に過ぎません。ソーシャルワークの研究分野から見ると介護保険分野のケアマネジメントは「自分達のもの」という思いが強くなるのですが、実態とは解離しているというのが私の感想です。
現場からの発言 (bonn1979)
2008-08-06 21:30:27
tahi-ti さん
コメントありがとうございます。

社会福祉士も多くの前進がありましたが
介護福祉士や看護師などの現実へのかかわり方から比較して
もっと活躍されてしかるべき
という想いです。
他人事ではなく、教育のあり方にも関係がありますね。(外国の歴史よりは日本の現実を。研究のための研究よりは日本の現実を・・)

医療ソーシャルワークへの期待も
「現実とかかわってきた」という点にあります。
ソーシャルワークとケアマネジメントの関係 (どりーむ)
2008-08-06 22:02:52
古瀬先生へ

初めてコメントさせて頂きます。
私は、今、介護支援専門員として勤務しており、介護支援専門員としては第1期生でもあり、複数の研修の企画・運営にもかかわらせてもらっています。

介護支援専門員に「ソーシャルワークとケアマネジメントの関係は?」と聞いて、自分なりの答えや迷いを答えられる人は、どれだけいるでしょうか?そもそも、「ソーシャルワークってなに?そういえば試験を受ける時に聞いたような・・・」という答えが返ってくる方が多いのではないかとも思います。

個人的には、現行制度上、介護支援専門員に複数の基礎資格があることは仕方がないこととも思うのですが、でも、介護支援専門員とはどうあるべきかといったことなどに、一番、社会福祉についてやその援助技術を学んでいる社会福祉士の資格を持つ方々が、リーダーシップをとって、介護支援専門員の質を上げていってくれないだろうか、と願っています。

しかし、現実に、なかなか社会福祉士を基礎資格にもつ介護支援専門員さんに出会うことがずくなく、残念にも思います。

とりとめもなくなったしまいましたが、「ソーシャルワークとケアマネジメントの関係」について、ときどきブログで取り上げて頂けると、とても嬉しいです。とても、気になるテーマです。
20年来のテーマ (古瀬徹)
2008-08-07 06:11:48
どりーむ さん
コメントありがとうございます。
白澤先生のブログでご意見を拝見していました。

いつか
白澤先生がブログで
ふと
「ケアマネジメントとソーシャルワークの関係」について触れられたことがあります。
第1人者の本音として印象深かったのです。

私自身は
社会福祉学を学んだわけでも
現場にたったわけでもないのですが
偶然、20年前に、日本社会事業大学にいて、社会福祉士創設の折に、当時の京極専門官(後の学長)の手伝いをしたのが縁で
退任直前の今は「社会福祉概論」を教えることになりました。

我ながら空恐ろしいことですが
新しい分野だけに
当の社会福祉士など現場の方の発言が制度政策の論議に反映されていないという思いが強いです。

ブログのタイトルどおり「なんでもあり」で
世間の目で社会福祉学を考え、タブーなしで考えていきたいと思います。

最近は、加計呂麻島やベルギービールなどへの傾斜が激しく、「なんでもありすぎ」ですが、現場の社会福祉士、介護福祉士、医療ソーシャルワーカー、介護支援専門員などの皆さんがたまにのぞいていただければ嬉しいですね。

介護支援専門員といえば、私の連れあいが2期の合格で東京で非常勤で老健の仕事をやっていて、介護保険の発足直後でしたが、自宅にしょっちゅう電話が来ていました。
(いまは、義母の介護です)
失礼とも思いながら・・・ (どりーむ)
2008-08-07 10:25:55
お返事、ありがとうございます。
こうして、ただの一介護支援専門員の私のようなものも、ブログを通して(=授業料等を払うことなく)、いろいろと考える方向性やヒントをもらうことができ、感謝しております。
私も、社会福祉や社会福祉学を学んだわけではないので、余計に「なんなのだろう?」と関心を持つようになってきました。

ある先生が、最近の研修で「こういうときだからこそ、理論をしっかりおさえていくこと」とおっしゃってくださいました。


現場にいると、ケアプランをどうすれば「簡単に」つくることができるか、という目先のことに気がうばわれがちですが、「急がば回れ」の言葉のように、根っこを太くしていくことも必要だろうと思います。
「自立支援」「ニーズ」「自己決定」等々。文字のみが一人歩きしており、それに振り回されてしまっている感があります。そうならないためには、考えながら、それも、一人で考えるのではなく、みんなで考えるながら、そして、それぞれが実践してみることと思います。

どうぞ、これからもよろしくお願いします。

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