介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3119号 同時代史を学ぶ難しさ

2009-08-09 18:40:14 | 経済
【「その12」 ですが・・】
このブログで、『戦後世界経済史』(猪木武徳、中公新書)を紹介したのが、5月30日でした。(第2944号)

7月30日付で、第3094号 戦後世界経済史 その11を書いてから、読み進んではいるのですが、ブログの記事にまとめるのが急に難しくなってきました。今生きている時代に近くなっているのに不思議ですが・・

そこで、
この本の要約のような記事は(急遽、前回までで)やめにして、
(第5章 転換、第6章 破綻:
1973年の石油危機から2008年末の世界金融危機まで)途中を飛ばして・・
いきなり、
「むすびにかえて」の読後感を書いてこのシリーズは今日で終わりにします。

【結局は、知性と情報】
「むすびにかえて」は、p.365-p.375 と短いですが、戦後の世界経済の興廃を踏まえて、
1 自由と平等
2 人的資本の役割
3 エートスの問題
の3項目にわけて著者の意見をまとめている。

それまでの6章が、丹念に統計と文献を踏まえた教科書風の筆致ですが、この「むすびにかえて」では、著者の現代日本への懸念が底流にあり、世界の戦後経済の歴史から学んだ結論は、(平凡なようだが)そこに住む国民の知性と情報が重要であるある・・ということです。

・・・日本のような経済の先進国でも、市民文化や国民の教育内容が劣化してゆけば、経済のパフォーマンス自体も瞬く間に貧弱になる危険性・・があると懸念している。 p.374

【エリートの退廃と「ブログ的実務家層」への期待】
政治、経済、メディア、大学など、既成の権威・権力・エリートの知的退廃が進行して久しいです。

一縷の望みは、忙しい日常の中から、仕事を通じて観察した社会への批判・提言をブログで世間に寄せている新しい実務家的・職人的な知識層ともいうべき存在です。
*その一例が、私の2つのブログでリンク・紹介しているブログです。

*もちろん、社会への批判的な姿勢を失わず、良心的な日々を送ってはいるが、パソコンを覗く経済的・時間的・技術的な余裕のない方々も多数おられます。

【関連記事】
このブログでは、歴史的な視点を引き続きもっていたいのですが、以下に、これまで取り上げたものの中から幾つかあげておきます。

○ 野口悠紀雄『戦後日本経済史』2008.02.08 経済学からの実証分析と批判。

○ 小学館 『日本の歴史』第16巻(1955年から)2009.07.21 第3065号。まだ読み進んでいません・・・

○ 吉田久一『新・日本社会事業の歴史』①2008.08.12~⑮2008.08.26
 *社会福祉学からの日本の歴史と社会福祉・社会保障 故人となった大先生の本ですが、
 さすがにイデオロギー色が強く、実証的な経済分析を踏まえているわけではない。
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