このタコは・・・、でなくて、このタコノキはレユニオン島の固有種です。ラテン名で『パンダニュス・モンタニュスPandanus Montanus』といいますが、それを『ヤマタコノキ』としたのは、ただの直訳でして、和名はわかりませんでした。これまたすみません。
ヤマとつくだけあって、生息地は山。他種のビヨウ・タコノキに比べると、幹も葉も細くて、実も小ぶりです。貧弱に見えるので『おまえたち、ちゃんと、栄養とってるか~?』と声をかけながら、幹をポンポンと叩きたくなります。可憐でやさしい感じ、という見方もありますけど・・・。
ビヨウタコノキは1kgほどの大きな実をつけます。表面は硬くてゴツゴツ。映画『ファンタスティックフォー』の岩おとこ、って感じです・・・。
ビヨウタコノキは食べれます。下の写真はマルシェで売られていた食用部分で、この状態になると『シュー・ドゥ・ヴァコア Chou de Vacoa』と名前が変わります。
『ヴァコア』はタコノキの現地名、『シュー』はフランス語でキャベツという意味です。直訳すると『タコノキキャベツ』。たこ焼きの材料みたい・・・。訳す必要はないんですけど、こうすると食感が想像できるのではないでしょうか?
ちなみに、実際食べるのは外の皮を剥いだ中心部の白いところ。下準備にかかる手間に比べて、食べれる部分が少ないので、最近のヤングな家庭ではほとんど料理の素材にしないようです。
タコノキの実がハゲになった状態(上記写真4コ目)も食べれるそうです。こちらは蒸して、つぶして、揚げ団子だそうです。
私はまだどちらも食べたことがないので味はわかりません。ごめんなさい。
日本でも沖縄などで、違う種類のタコノキ(アダン)を使った料理があるそうですよ。
レユニオン島の植物には隣のマダガスカルからの帰化植物もたくさんあります。この『ビヨウタコノキ もしくは アカタコノキ Pandanus utilis Bory』もそのひとつ。・・・とはいえ、島のあちこちの海岸沿いにぎっしり植わっているので、レユニオンの固有植物と思っている人もいるみたいです。
ところで、『タコ』っていうと、『タコおやじ』とか『タコちゅ~』とか、頭の部分に注目しがちですけど、こちらはタコのように足(この場合は根ですが...)がたくさんある!というところから名がつけられたそうです。ビヨウタコノキの『ビヨウ』は漢字で『美容』と書くようですが、『美容タコ?』 なんでしょ、それって?
日本人の行かない珍しい山に登って見たいと思う人はレユニオン島に来てください!インド洋の島の中で本格的なトレッキングが楽しめるのはここだけです。
島の南東に位置するボルカノ Volcanoは、火山活動が活発に続く地域です。植物がほとんど生えないので、ここ一帯は茶色。とはいってもいろんな茶色があり、それが不思議な模様になって面白いですよ。
このエリアとピトン・ドゥ・ラ・フルネーズPiton de la Fournaise(2631M)はユネスコの自然世界遺産の候補地に選ばれました。