陸奥国に金を出す詔書を賀す歌一首、并せて短歌(大伴家持) 編集
♪葦原の 瑞穂の国を 天下り 知らし召しける 皇祖:すめろき の 神の命:みこと の 御代重ね 天の日嗣:ひつぎ と 知らし来る
君の御代御代 敷きませる 四方:よも の国には 山川を 広み厚みと 奉る
御調宝:みつきたから は 数へえず 尽くしもかねつ しかれども
我が大王:おほきみ の 諸人を 誘ひたまひ よきことを 始めたまひて 金かも たしけくあらむと 思ほして 下悩ますに 鶏が鳴く
東:あづま の国の 陸奥:みちのく の 小田なる山に 黄金ありと 申したまへれ 御心を 明らめたまひ 天地:あめつち の 神相:かみあい うづなひ 皇御祖:すめろぎ の 御霊:みたま 助けて 遠き代に かかりしことを 我が御代に 顕はしてあれば 御食国:みをすぐに は 栄えむものと 神:かむ ながら 思ほしめして 武士:もののふ の 八十伴:やそとも の緒を まつろへの 向けのまにまに 老人:おいびと も 女めの童児:わらはこも しが願ふ 心足らひに 撫でたまひ 治めたまへば ここをしも あやに貴み 嬉しけく いよよ思ひて 大伴の 遠つ神祖:かむおや の その名をば 大来目主:おほくめぬし と 負ひ持ちて 仕へし官:つかさ
海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへり見は せじと言立:ことだて て 丈夫の 清きその名を 古:いにしえ よ 今の現:をつつ に 流さへる 祖:おや の子どもぞ 大伴と 佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て 人の子は 祖の名絶たず 大君:おほきみ に まつろふものと 言ひ継げる 言:こと の官:つかさ ぞ 梓弓:あずさゆみ 手に取り持ちて 剣大刀:つるぎたち 腰に取り佩:は き 朝守り 夕の守りに 大君の 御門の守り 我れをおきて 人はあらじと いや立て 思ひし増さる 大君の 御言:みこと の さき の 聞けば貴み♪
♪葦原の 瑞穂の国を 天下り 知らし召しける 皇祖:すめろき の 神の命:みこと の 御代重ね 天の日嗣:ひつぎ と 知らし来る
君の御代御代 敷きませる 四方:よも の国には 山川を 広み厚みと 奉る
御調宝:みつきたから は 数へえず 尽くしもかねつ しかれども
我が大王:おほきみ の 諸人を 誘ひたまひ よきことを 始めたまひて 金かも たしけくあらむと 思ほして 下悩ますに 鶏が鳴く
東:あづま の国の 陸奥:みちのく の 小田なる山に 黄金ありと 申したまへれ 御心を 明らめたまひ 天地:あめつち の 神相:かみあい うづなひ 皇御祖:すめろぎ の 御霊:みたま 助けて 遠き代に かかりしことを 我が御代に 顕はしてあれば 御食国:みをすぐに は 栄えむものと 神:かむ ながら 思ほしめして 武士:もののふ の 八十伴:やそとも の緒を まつろへの 向けのまにまに 老人:おいびと も 女めの童児:わらはこも しが願ふ 心足らひに 撫でたまひ 治めたまへば ここをしも あやに貴み 嬉しけく いよよ思ひて 大伴の 遠つ神祖:かむおや の その名をば 大来目主:おほくめぬし と 負ひ持ちて 仕へし官:つかさ
海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへり見は せじと言立:ことだて て 丈夫の 清きその名を 古:いにしえ よ 今の現:をつつ に 流さへる 祖:おや の子どもぞ 大伴と 佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て 人の子は 祖の名絶たず 大君:おほきみ に まつろふものと 言ひ継げる 言:こと の官:つかさ ぞ 梓弓:あずさゆみ 手に取り持ちて 剣大刀:つるぎたち 腰に取り佩:は き 朝守り 夕の守りに 大君の 御門の守り 我れをおきて 人はあらじと いや立て 思ひし増さる 大君の 御言:みこと の さき の 聞けば貴み♪
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