神様は見てくれている。

小さい頃のおまじない。

「神様は見てくれている」




どんなことをされようが、最後は正義が勝つんだ。

「神様は見てくれている」




理不尽なことが起こっても信じてる。

「神様は見てくれている」




どんな悲しいことだって平気。

「神様は見てくれている」




でも、ふと考えてみる。

本当に神様っているの？








本当の神様はね…死神なのさ。

足元が見えない

ふわふわした感触。

ずぶずぶと沈み込む、もどかしさ。

あの岸は本物か、蜃気楼なのか…

辿り着くまでに、首まで浸かって、やがて手も水の中へ。

なぜか、息はできている。

ふと気がつくと、蜘蛛の糸にしがみついている大勢の中の一人になっていた。