国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 44

2010-06-27 23:40:02 | 国鉄改革関連



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国鉄改革を問う衆議院選挙で自民党が圧勝し、国鉄改革は既定の路線として動き出してきました、そんな中、かつては同じ路線を歩んだ動労と国労は、全く違った動きをとることとなりました。

早々と労使協調宣言を結び、組合員の組織確保を図った動労に対し、その組織の大きさゆえに意思統一が図れなかった国労との間で大きな差が生まれていました。

特に国労は、当時は組織内は穏健派が主流を占めていたとはいえ、左派勢力とも言える革同派などの意見を抑えきることが出来ず、労使協調宣言には最後まで反対をせざるを得ない状況にあったのは、国労組合員にとっては不幸でした。

そうした雇用不安がさらなる、悲劇を生むことになるのですが、今回は国労ではなく動労に焦点をあわせたいと思います。

動労は、元々国労ともども、総評【平成元年に総評センターに移行】に加入していたのですが、総評の方針として、社会党案に則った全国一元の民営化であり、ほぼ政府保有の特殊会社としての形を維持する方向であり、これは国労も容認するであろう案でした。
しかし、総評は下記の通り、動労に対しては距離を置く態度をとったことから、動労は総評を脱退するとともに、総評への役員などを引き上げたことから、総評自身も困惑する事となりました。

しかし、逆に総評を脱退したことで独自路線を歩めるようになった動労は、国労の切り崩しのための拡大戦略をとることとなったのです。

以下、公企労レポートからの引用です。

▽・・・・動労松崎委員長は19日、北海道地本定期大会で「総評は国労の立場を守るだけに終始、国鉄改革に対する動労の骨身を削る努力をないがしろにした。もはや総評に止まる必要はなく、正々堂々と出ていく、総評は今後国労と一緒にやって欲しい。これが最後に贈る言葉だ」と総評脱退の意向を表明した。すでに総評大会最終日の18日午前、役員問題に不満を表明して退席、大会をボイコットしたことから予想された成り行きであった。
国鉄問題を中心とした今期総評大会は動労の主張は全く受け入れられず、ワンサイドの動労攻撃、中傷、誹謗に終始した。ここ数年来、現実路線をとってきた総評の今回の姿勢に、不可解な面が残り、国労の数の前に押し切られた形となった。
国労が、統制処分を要請したという説もあり逆に動労の仕掛けだという説もあるが、いずれにしてもなるべくしてなった。当然の帰結であった。

▽・・・・通告を受けた総評は、さらに説得を続けるとしつつも、今後国鉄闘争は、社会党案を基本に総評を舞台に闘っていくしかないとしているが、ダブル選の敗北で組織の建て直しが急務となっている折から、動労脱退の影響は大きい。
会費の年間6千万円はとにかく、本部、公労協、県評からの人材引き上げの影響は深刻である。解決の名案はなく、総評の苦悩は続きそうだ。

▽・・・・総評から脱退して行動の自由を確保した動労は、「野に放たれた鬼」【福原書記長】として独自の路線を歩むことになる。共同宣言四組合と当局は、この決断を高く評価し歓迎しているが、国労は、残念だとしながらも国労攻撃を意識して投資をかくさない。

労労間の組織拡大をめぐる闘いはさらに熾烈となる。新しい局面を迎えるとき、機敏に対応する組合とそれが出来ない組合の違いが注目される。

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