国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 107

2010-09-17 10:30:18 | 国鉄改革関連
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おはようございます、本日も引続き、現・JR東海会長、葛西職員局次長の談話を綴っていきます。

それに加えて、関連企業で活用すべきとされた事業内の余剰部門が、取り敢えず1万人減ったということを意味するわけで、これは荷物が軽くなったということです。
さらに、雇用対策という観点に立ちますと、21万5千を念頭においてスタートしようとしていたのが20万5千で済み、清算事業団に行く職員も、希望退職者が計画を相当上回っており、公的部門への内定も順調に進んだこともふまえて考えたとき、清算事業団へは当初4万1千移行する計画となっていたのですが、今の段階では2万5千プラス最大限見積もって1万人前後でしょう。これで清算事業団の雇用対策上の負担はかなり軽くなり、しかも新事業体の荷物も軽くなるということは、雇用対策面から見ますと、清算事業団の業務がその分だけ繰り上げで実施できたということを意味しています。それは政府が万全の体制をとって雇用対策を進め、産業界、国鉄が一体となって取り組んだ結果で大変ありがたいと思っています。成功したといってもよいのではないでしょうか。雇用の決まらないままで清算事業団へ行く人は、全体としては9千数百人ぐらいと想定されており、その中の7~8千人が北海道、九州です。当初もっと多数になると見込まれていたのですが、大分少なくなりました。当初計画では、本州でも職員が余り、北海道、九州は地域で雇用の場を鉄道以外に見つけることが困難な状態であり、本州に出て鉄道以外で見つけなければならない状況でしたが、今回の形をみると、九州、北海道で雇用のない場の人たちは本州で鉄道事業の中で雇用の場を求めることが可能となりました。困難はありますが、数字の上では枠的に可能になりました。今回の名簿作成作業の中で、広域採用を推進し、北海道から680、九州から150名位が東日本、東海を中心に応募がありました。
短期間ということもあり、期待するほど応募はなかったものの、短期間の決断としてかなりの規模の人たちが応募してきました。従って今後、4月以降募集をすることにより本州に行こうとする人がふえてくる可能性があり、それを期待しているところです。最近は民間企業における雇用問題が非常に厳しくなってきています。国鉄だけの問題ではなく、そういう空気は、益々強くなっています。そのなかで鉄道の中に吸収していけることは、国全体の雇用対策としても大変好ましいと考えます。
つぎに、いろいろな見方がありますが、例えば本州で選別が行われていることにより、鉄道事業を担う職員はいい職員でなければならないということで、いろいろな意味で浄化を期待していたのができなくなったから、あとに大きな問題を残したことになり、大変失敗だったのではないかという人がいます。しかしそれは間違った見方だと思います。
本来鉄道事業は内部でいろいろな職員を育ててきました。それを外に出し、中はきれいにするということは改革の目的ではないわけで、限定された枠以上の人間がいるときに誰もが納得する公平な規準を適用して選抜した場合、結果として採用されないものが出てくるということが予見されたわけです。それが今回そうならなかっということが、まずいことだと考えること自体、基本的に当たっていないと思います。そういう人たちが入ってくることにより、新事業体の労使関係が難しくなるという人もいますが、仮にある時期において良い職員だけが集めたとしても、企業の活動の中で育て方を誤ることになれば、同じ問題がすぐにでも起こってくるわけで、程度の差はあれ、経営者として常に直面しなければならない問題です。
また、昨年の今頃と比べ労使関係はどう変化したかと考えると、労使は階級的に対立する存在であると主張に心ならずも同調せざるを得ない職員が圧倒的に多かったが、今は労使協調路線をとるものが圧倒的多数になっています。そういう目で見れば労使関係の前提条件となる環境ははるかに改善されたところで新事業体はスタートする訳です。したがって、まず鉄道事業の運営は十分確保されるう用になり、雇用対策についていえばきわめて望ましい姿になりました。労使関係では、1年間で想像できないほど改善されてきました。ベストに近い形でこれまで作業は進んできたといえます。

【定員割れになっていても不採用というケースもあり、全員採用が建前といっても、企業としては優秀なものを入れるのが常識です。となれば改革協のいう玉石混淆ということがありますね】

それはやむを得ません。それを前提としてどう企業運営を進めていくかというのが本来の趣旨です。鉄道事業というのは本来労働集約産業ですから、一番の基本は人間であり労使関係です。その観点からみれば、協調路線をとろうという人たちが圧倒的主流になっています。これを軸として、この流れを育て、定着させる中で、従来予測されていたよりはるかに好ましい形が早くできることになりそうです。

【民間企業にふさわしい人たちが新事業体に送り込まれるということですか】

圧倒的多数が層になります。複数の組合がいままで何十年にわたって対立関係にありましたが、今までのいきさつを乗り越え、統合の方向に向かいつつあるという中で新事業体に移行するわけです。昨年に比べれば、事態は圧倒的に好転したといえます。

【新事業体では、三事業本部制で責任体制が明確化されますが、これをどうご覧になりますか】

新しい事業体は、硬直化し肥大化した管理体制という形では企業として経営はできませんから、責任を明確化し、それぞれが活力をもって新しい展開を図るという狙いがあり、その意味で新しい組織は期待できると思います。

以上

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