姉の引越しの手伝いをしてきました。
義兄が亡くなってから15年間、1人で頑張ってきた姉ですが、今年に入って急に、家を建て替えることになりました。長男は母親が80歳になったら一緒に住もうと言っていたそうですが、最後まで一人で頑張りたいと思っていた姉も、ついに、思い切ったのです。
義兄が建て替えたときに二世帯住宅にしなかったので、費用がリフォームにしてもさほどの差はなく、姉は息子の希望を入れたのです。思えば何もないところからスタートして、小さな土地に小さな家を建て、建て増しから改築。今年の建て替えで最後でしょう。
取り壊して完成する間、別の所に仮住まいします。義兄が亡くなった後の荷物の整理は全くしていません。そろそろ整理をしようと押入れを開けた途端、どっとこみ上げるものがあって、何もできなかった。だから最後までこのままにして、子供たちに任せてしまおうと、姉は思ったと言います。
息子夫婦の荷物が入りますから、不用品は自分で整理する羽目になりました。私も大いに気がもめました。ゆっくり時間をかけてやれば良いと励まし、居間の片づけから始めた姉に、二日間泊り込んで私も手伝いました。その後は、すぐ近くにお住いの親友が毎日来て手伝ってくれたそうです。信仰の友ですから、兄弟には及ばない優しさです。
いつか使うだろうと、捨てずにしまってあったものが次々に出てきて、玄関に積み上げられ、次のゴミ出しの日にはまた、別のものが玄関に積まれます。その中には、新婚時代に使っていた木蓋つきのご飯釜がありました。嫁入り道具だった、長い一枚板の裁縫台なども過去の遺物です。こんなものがあるから、和裁の達人と誤解されて、姉は苦労したのだろうと笑えてきました。親心もとんだ逆効果でした。
使えるものを受け取るのもお手伝いだと言われ、あれやこれやと私にも荷物ができて、宅配便で送ってもらいました。
来春の家の完成まで、いろいろ大変でしょうが、私が泊まる部屋もあるそうで、楽しみにしています。