永らえて 美雨の日記

日々折々の感想です

読書の故郷

2019-12-13 17:05:59 | 日記

 

 小学校に上がる前に自分の名前だけは読み書きできるようにと、姉が教えてくれて、初めて文字を覚えた。学校で習ったのは、一年生でカタカナ、ひらがなは二年生だった。

 それは学校に上がる前か、後かはっきりしないが、姉が読んでくれる子ども向きの本を、一緒にのぞき込むと、自分で読んでごらん、と、姉は言い。大声で読み続ける私に笑って、次には声を出さずに読む事を教えてくれた。

こうして、本好きになったが、三年生で敗戦国になり、新しい本は中々手に入らない。

一冊を繰り返し繰り返し読んでいた。

父の書棚には昭和初期の作家が有名を並べる文学全集があり、漢字には全てルビが振られていたから子供にも読めた。中の一冊は『少年少女文学全集』で、中の異色は、翻訳書の『十五少年漂流記』。人物名は全て漢字だがこれにもルビがあった。

きょうだいが引っ張り合って読んだ『少年少女文学全集』は、私の読書の故郷である。


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