ベルギーのブリュッセルで毎年開かれているアートイベント、Biennale(ビエンナーレ)。
今年は、アール・ヌーヴォーの巨匠「Horta(オルタ)」の生誕150年ということで、
アール・ヌーヴォーとアール・デコの建築の特別公開がメインなものになっています。
建築好きな私ですが、、、
ブリュッセルがこれほど「アール・ヌーヴォーの聖地」だとは知らなかったです。ハイ。
うちのご近所にも、「こ、これはアール・ヌーヴォーなのではっ?」という作りの
建物がひょいっとあったりします。
そして、こうした建築物のガイドツアーなるものとかもあるのですが、正直、
外観を見ることがメインで、限られた建物やミュージアムになっているモノしか
普段は内部を見ることが出来ません。
なので、私も、こちらに来てからは、ミュージアムに行ったり、
散歩がてらそういう建物の多いところを歩いたり、、、ということをしていました。
・・・・がッ!
今回のビエンナーレでは、4週間に渡り60か所も内部の見学が出来る!ってことで、
もう、大興奮ですっ!
しーかーもー!フツーの人が今住んでいる建物も見学できるんですッ。
「特別公開」っていうか、日本語的には「特別拝観」的な感じですね。こうなると!
見せてもらえるならいくらでも「拝み」ますよー!マジで。笑
ってことで、気合入れて行きましょーっ♪
・・・・しかし。
基本的に予約要なこのイベント。
あっという間に、超見どころな建物は予約が埋まってしまった。。。うぅぅぅ。
でも、くじけない私。
文字通り「当たって砕けろ!」で、
当日にいきなり事前予約ナシ、イベントパスポート事前購入ナシの状態で、
行きました。・・・・が、基本的に「当たり」ました!やったっ!
霧雨の降る中、、、、
最初に行ったのは、
・Maison Herrera です。
入口のドアは「えっ?ここ?」ってところです。苦笑。
ピンポーンとチャイムを鳴らすと係りの人が出てくる。
「予約してないんだけどー。パスポートも持ってないので買いたいし」というと、
「うーん、まぁ、たぶん大丈夫。14時からガイドツアーまで後10分ぐらい待って」とのこと。
やった~ッ!
とりあえず、ドアの外でポツンと待っていようかと思ったら、
一人の女性がフランス語で話かけてくる。
いやー、全然わかんないよ?と思ったら、緑色の車の中にいたご主人らしき人が
英語で、「このツアーに参加するの?だったらまだ時間があるから、車の中で待ったら?」と
言ってくれた!
なんて親切な人達なんだーっ!
確かに、この日は雨も降ってるし、むっちゃ寒かったんです。
お言葉に甘えて、後部座席へ。。。。
奥さんの方は、英語がしゃべれないらしいのですが、やっぱり、
女性の方が好奇心が強いんでしょうね。一生懸命フランス語で話しかけてくる。
「どこから来たの?」
「仕事してるの?」
「結婚してるの?」
「ベルギーは好き?ベルギーの人はどう?」
「今日はどうやって来たの?」
「日本語は一つだけ知ってるの。”ありがとう!”」etc.....
私が答えられない時は、ご主人が英語でフォローアップ。
いやぁ、ほんと、いい人達でした。感謝です。
で、ようやく入れたんですね。これが。
入口で再度、「フランス語のガイドツアーだけど、大丈夫?」と英語で聞かれ、
(すでに、フランス語が達者ではないことがバレている:苦笑)、
「Pas de Problem(問題ないです)」と答えたら、かなり苦笑されたけど、
あっさり入れてくれました。
この「Maison Herrera」の特徴は、オーナーであるスペイン女性の要望である
スパニッシュ・スタイルとアール・デコスタイルであり、
イスラム模様のタイル装飾と、そのパティオです。
玄関を入ったところにあるパティオの上には、明かり取り用のステンドガラスの天井ドームが
あり、素晴らしくキレイです。
パティオの床は、テラコッタですが、ところどころに、デルフトブルーのタイルがあしらってあります。
また、一角には、イスラム模様のタイルで出来たベッドぐらいの大きさの作り付けソファーがある!
昔、トルコで見たモノに似ています。
更に、その床の中央には、小さな噴水が!
中には金魚まで泳いでいました!
(撮影禁止だったのが残念・・・)
どれもこれも素晴らしいッ。
リヴィングルーム、ダイニングルーム、ベッドルーム(主賓室)、バスルームまで
説明付で見学できました。
イスラムスタイルの文様が、アール・デコのモダンな感じにもよく調和しており、
そのモチーフが繰り返しステンドグラスとかにも表現していることによる
デザインの「厚み」が感じられます。
約30分の見学ツアーが終わり、例の親切夫婦にあいさつをして、次に向かいます。
トラムに乗って、行った先は、意外に私の自宅から近いところ。
ここは、文字通り、「今、人が住んでいるお家」です。
19番地と21番地の双子メゾンは、建築家 Raphaël Lambinの作品。
これが外観です。
入口のモザイクとっても「Art-Decoっぽい」ですね。黒とGoldのセラミックで出来ています。
この直線で表現されている玄関ドアのアーチも特徴的です。
中に入ると、もっとアール・デコ!
リビングの窓は、窓枠の2か所に証明が縦に入っていて、
この直線が窓の外の庭を切り取り額縁に飾っているように見えます。
また、エントランスホールのところには、またしても、直線的なアーチスタイル。
そして、その両脇には、Goldで縁取られた作り付けの飾り棚がとても印象的です。
エントランスホールまでの廊下の床もモザイクですね。
いいなぁ~。こんな家に住めるなんて。
かなりうらやましいです。
で、この後は、バスに乗ります。
雨はしとしとぐらいなのですが、、、なんせ、震えるぐらい寒い♭
次に向かったのは、「Quaker House」。
George Hobéがデザインし、1899年に建てられたものです。
どうやら、オーナー(住人)は入れ替わり立ち代わり8人も変わったようですが、
1985年からQuaker Houseとして利用されています。
George Hobéは、家具職人の息子だったらしく、
内部インテリアの材木とそのデザインの美しさからも、そのこだわりが伺えます。
ダイニングルームの内装では、いわゆるアール・ヌーヴォーらしい曲線美が
表現されており、そのディテイルに至るまでの美意識を感じます。
そして、この建物で一番特筆すべきは、
「金唐革紙」が壁紙として使われていることでしょう。
ガイドツアーのお兄さんも、その部分だけは、「KIN-KARA-KAWA-SI」と発音し、
日本製ということを紹介していました。
こんなところで、金唐紙に出会えるとは!驚き!
でも、どうやらバッキンガム宮殿にも日本製の金唐紙は使われているようなので、
ベルギーにあってもおかしくないのでしょうね。
このステンドグラスも素敵でしたね。
さて。
そろそろ今日の見学時間も終わりに近づきつつあります。
最後は、さきほどのQuaker Houseから歩いてすぐのところ。
「Hôtel Van Eetvelde」です。
そう、今日の中では、いわゆる、一番アール・ヌーヴォー好きにはたまらないお家です。
そう、Victor Hortaのマスターピースの一つであり、2000年に世界遺産に登録されています。
これは、国王であったレオポルド2世の腹心というか、ま、「片腕」と言った方が
わかりやすいですかね、そーいった、政界の大立者であったヴァン・エートヴェルド男爵の
自邸で、オルタに設計させたわけです。
中に入ると、エントランスホール半階上がった建物中央部に
ガラス屋根の八角形のレセプテョンホールがあり、
その周囲に階段をらせん状にめぐらせ、流動的に各部屋が繋がっています。
鉄骨構造体で囲まれた、その美しい天井のガラスのクラウン。
クリスタルガラスは、ティファニー製とのこと。
目を見張る美しさです。
そして、サロンは、グリーンで統一され、タイルが滑らかなセラミックならではの輝きを放ち、
流線でデザインされた暖炉が目を惹きます。
ここは、木材は、コンゴから輸入されたものだけを使ってあるそうです。
ダイニングテーブル等の家具もすべてオルタのデザイン。
鉄骨やガラスといったいわゆる「産業」的な素材を使い、これだけの美しさを表現する。
そこには、ギリギリの部分での美醜のせめぎあいがあるなぁ~と思ったのですが、
後からモノの本を読むと、この鉄骨がむき出しに露出しているデザインを
当初、エートヴェルド夫人は「品がない」と嫌悪していたらしい。というのを読んで、
ちょっと納得したりします。
ところで、内装のこの生体の内部のようなリズム感、流動感とはかけ離れた外観。
これがまたおもしろいですね。
・・・と、こんなそんなで今日のビエンナーレ満喫は、頑張って4件。
さぁ、来週は、何件行けるかな?
今年は、アール・ヌーヴォーの巨匠「Horta(オルタ)」の生誕150年ということで、
アール・ヌーヴォーとアール・デコの建築の特別公開がメインなものになっています。
建築好きな私ですが、、、
ブリュッセルがこれほど「アール・ヌーヴォーの聖地」だとは知らなかったです。ハイ。
うちのご近所にも、「こ、これはアール・ヌーヴォーなのではっ?」という作りの
建物がひょいっとあったりします。
そして、こうした建築物のガイドツアーなるものとかもあるのですが、正直、
外観を見ることがメインで、限られた建物やミュージアムになっているモノしか
普段は内部を見ることが出来ません。
なので、私も、こちらに来てからは、ミュージアムに行ったり、
散歩がてらそういう建物の多いところを歩いたり、、、ということをしていました。
・・・・がッ!
今回のビエンナーレでは、4週間に渡り60か所も内部の見学が出来る!ってことで、
もう、大興奮ですっ!
しーかーもー!フツーの人が今住んでいる建物も見学できるんですッ。
「特別公開」っていうか、日本語的には「特別拝観」的な感じですね。こうなると!
見せてもらえるならいくらでも「拝み」ますよー!マジで。笑
ってことで、気合入れて行きましょーっ♪
・・・・しかし。
基本的に予約要なこのイベント。
あっという間に、超見どころな建物は予約が埋まってしまった。。。うぅぅぅ。
でも、くじけない私。
文字通り「当たって砕けろ!」で、
当日にいきなり事前予約ナシ、イベントパスポート事前購入ナシの状態で、
行きました。・・・・が、基本的に「当たり」ました!やったっ!
霧雨の降る中、、、、
最初に行ったのは、
・Maison Herrera です。
入口のドアは「えっ?ここ?」ってところです。苦笑。
ピンポーンとチャイムを鳴らすと係りの人が出てくる。
「予約してないんだけどー。パスポートも持ってないので買いたいし」というと、
「うーん、まぁ、たぶん大丈夫。14時からガイドツアーまで後10分ぐらい待って」とのこと。
やった~ッ!
とりあえず、ドアの外でポツンと待っていようかと思ったら、
一人の女性がフランス語で話かけてくる。
いやー、全然わかんないよ?と思ったら、緑色の車の中にいたご主人らしき人が
英語で、「このツアーに参加するの?だったらまだ時間があるから、車の中で待ったら?」と
言ってくれた!
なんて親切な人達なんだーっ!
確かに、この日は雨も降ってるし、むっちゃ寒かったんです。
お言葉に甘えて、後部座席へ。。。。
奥さんの方は、英語がしゃべれないらしいのですが、やっぱり、
女性の方が好奇心が強いんでしょうね。一生懸命フランス語で話しかけてくる。
「どこから来たの?」
「仕事してるの?」
「結婚してるの?」
「ベルギーは好き?ベルギーの人はどう?」
「今日はどうやって来たの?」
「日本語は一つだけ知ってるの。”ありがとう!”」etc.....
私が答えられない時は、ご主人が英語でフォローアップ。
いやぁ、ほんと、いい人達でした。感謝です。
で、ようやく入れたんですね。これが。
入口で再度、「フランス語のガイドツアーだけど、大丈夫?」と英語で聞かれ、
(すでに、フランス語が達者ではないことがバレている:苦笑)、
「Pas de Problem(問題ないです)」と答えたら、かなり苦笑されたけど、
あっさり入れてくれました。
この「Maison Herrera」の特徴は、オーナーであるスペイン女性の要望である
スパニッシュ・スタイルとアール・デコスタイルであり、
イスラム模様のタイル装飾と、そのパティオです。
玄関を入ったところにあるパティオの上には、明かり取り用のステンドガラスの天井ドームが
あり、素晴らしくキレイです。
パティオの床は、テラコッタですが、ところどころに、デルフトブルーのタイルがあしらってあります。
また、一角には、イスラム模様のタイルで出来たベッドぐらいの大きさの作り付けソファーがある!
昔、トルコで見たモノに似ています。
更に、その床の中央には、小さな噴水が!
中には金魚まで泳いでいました!
(撮影禁止だったのが残念・・・)
どれもこれも素晴らしいッ。
リヴィングルーム、ダイニングルーム、ベッドルーム(主賓室)、バスルームまで
説明付で見学できました。
イスラムスタイルの文様が、アール・デコのモダンな感じにもよく調和しており、
そのモチーフが繰り返しステンドグラスとかにも表現していることによる
デザインの「厚み」が感じられます。
約30分の見学ツアーが終わり、例の親切夫婦にあいさつをして、次に向かいます。
トラムに乗って、行った先は、意外に私の自宅から近いところ。
ここは、文字通り、「今、人が住んでいるお家」です。
19番地と21番地の双子メゾンは、建築家 Raphaël Lambinの作品。
これが外観です。
入口のモザイクとっても「Art-Decoっぽい」ですね。黒とGoldのセラミックで出来ています。
この直線で表現されている玄関ドアのアーチも特徴的です。
中に入ると、もっとアール・デコ!
リビングの窓は、窓枠の2か所に証明が縦に入っていて、
この直線が窓の外の庭を切り取り額縁に飾っているように見えます。
また、エントランスホールのところには、またしても、直線的なアーチスタイル。
そして、その両脇には、Goldで縁取られた作り付けの飾り棚がとても印象的です。
エントランスホールまでの廊下の床もモザイクですね。
いいなぁ~。こんな家に住めるなんて。
かなりうらやましいです。
で、この後は、バスに乗ります。
雨はしとしとぐらいなのですが、、、なんせ、震えるぐらい寒い♭
次に向かったのは、「Quaker House」。
George Hobéがデザインし、1899年に建てられたものです。
どうやら、オーナー(住人)は入れ替わり立ち代わり8人も変わったようですが、
1985年からQuaker Houseとして利用されています。
George Hobéは、家具職人の息子だったらしく、
内部インテリアの材木とそのデザインの美しさからも、そのこだわりが伺えます。
ダイニングルームの内装では、いわゆるアール・ヌーヴォーらしい曲線美が
表現されており、そのディテイルに至るまでの美意識を感じます。
そして、この建物で一番特筆すべきは、
「金唐革紙」が壁紙として使われていることでしょう。
ガイドツアーのお兄さんも、その部分だけは、「KIN-KARA-KAWA-SI」と発音し、
日本製ということを紹介していました。
こんなところで、金唐紙に出会えるとは!驚き!
でも、どうやらバッキンガム宮殿にも日本製の金唐紙は使われているようなので、
ベルギーにあってもおかしくないのでしょうね。
このステンドグラスも素敵でしたね。
さて。
そろそろ今日の見学時間も終わりに近づきつつあります。
最後は、さきほどのQuaker Houseから歩いてすぐのところ。
「Hôtel Van Eetvelde」です。
そう、今日の中では、いわゆる、一番アール・ヌーヴォー好きにはたまらないお家です。
そう、Victor Hortaのマスターピースの一つであり、2000年に世界遺産に登録されています。
これは、国王であったレオポルド2世の腹心というか、ま、「片腕」と言った方が
わかりやすいですかね、そーいった、政界の大立者であったヴァン・エートヴェルド男爵の
自邸で、オルタに設計させたわけです。
中に入ると、エントランスホール半階上がった建物中央部に
ガラス屋根の八角形のレセプテョンホールがあり、
その周囲に階段をらせん状にめぐらせ、流動的に各部屋が繋がっています。
鉄骨構造体で囲まれた、その美しい天井のガラスのクラウン。
クリスタルガラスは、ティファニー製とのこと。
目を見張る美しさです。
そして、サロンは、グリーンで統一され、タイルが滑らかなセラミックならではの輝きを放ち、
流線でデザインされた暖炉が目を惹きます。
ここは、木材は、コンゴから輸入されたものだけを使ってあるそうです。
ダイニングテーブル等の家具もすべてオルタのデザイン。
鉄骨やガラスといったいわゆる「産業」的な素材を使い、これだけの美しさを表現する。
そこには、ギリギリの部分での美醜のせめぎあいがあるなぁ~と思ったのですが、
後からモノの本を読むと、この鉄骨がむき出しに露出しているデザインを
当初、エートヴェルド夫人は「品がない」と嫌悪していたらしい。というのを読んで、
ちょっと納得したりします。
ところで、内装のこの生体の内部のようなリズム感、流動感とはかけ離れた外観。
これがまたおもしろいですね。
・・・と、こんなそんなで今日のビエンナーレ満喫は、頑張って4件。
さぁ、来週は、何件行けるかな?