制振の目的
ビリつき止めの目的と共に、もう2つの大きな目的があります。
1つ目は、スピーカのコーン紙(振動板)を正しく運動をさせる目的です。
ヘッドフォンをしていて両手でhッドフォンを押さえると低音が出てくるのを経験したことがあると思います。
これは、低い音程、振動がゆっくり行われるので、しっかり固定していないと、反力でヘッドフォン自体がコーン紙の運動と逆方向の運動をし、エネルギー自信の運動のために消費し、さらに反対に動くため、耳からのコーン紙の相対的振幅運動の幅が小さくなるためです。
スピーカがその機能を発揮するためには、スピーカが相対的に完全静止していることが理想です。相対的にとは、そこの空気が属している入れ物を示します。相対的となる対象は家庭であれば、その部屋、車であれは車内となります。
車のサスペンションが正しく機能するための、ボディとマウントポイントの剛性が必要であることとまったく同様です。
私がスピーカ周辺を固めるのはこれが目的です。
2つ目はスピーカのインピーダンス(交流的抵抗)の安定化をする目的。
電気的な事象ですが、電気ではない説明を。
スピーカの全面の室内より背面のドア内部の方が空間容量が圧倒的に小さいことは解かると思います。スピーカが前後運動をする場合、背面の空気は引っ張られたり押されたりします。注射器の内部がドア側、ピストンがスピーカ、外が車内をイメージしてください。
注射器の入り口の方が、押し込んだ奥の方より同じ1cmの移動でも、奥の方が力が必要です。奥の方が力の変化に対して、ピストンの動きが思うようなものになりません。これは、力の変化に対して、ピストンの動き方に歪みが生じていることになります。
スピーカの場合、スピーカがマウントされているエンクロジャが大きければ大きいほど、スピーカが大きくストロークしても、電気エネルギーに対してストロークをし、歪みが少ないことになります。
以上を考慮すると、エンクロジャが振動していたら、スピーカの動きが歪んでしまうことが想像できると思います。
車外に大量に音が漏れている=車内音は相当歪んでいる と言うことになります。
これを補うために、サブウファを足したり、イコライザを掛けたりすることは、無駄以前にナンセンスです。
ドアパネルの内側に必要な部分を補強したり制振材を施すのはこのためです。
また、エンクロジャの容量不足を条件付きですが回避する手段として、バスレフやパッシブラジエタという手法をオディオ用スピーカでは採用しています。完全密閉のスピーカ・エンクロジャは巨大です。ドアマウント時もバスレフやパッシブラジエタ方式とした方が完全密閉より、スピーカの能率も良くなり、低音も出てきます。カーオーディオではドア内張りを介してエネルギを拡散する必要があるので、調整が難しいのが難点です。
これらを理解していくと 私の制振材の貼ってある位置やサイズの意味が理解していただけると思います。
続く
スピーカのスペックに能率として**dB/W.m と書かれています。この値がは要注意です。
80dBのスピーカを100Wで鳴らした音量と90dBのスピーカを10Wで鳴らした音量は一緒です。
正しくセッティングをしないとこの能率は下がります。(スピーカの能率は3dBで約2倍です)
この能率は全周波数に対して一率に変化するのでなく、帯域により凸凹ができます。
これを正しくし、適正な能率&周波数特性にするのを目的としてデッドニングを行います。私は。
madisonavenueさんの言われるように 100W(正しくセッティングすれば10Wでも十二分な音量になりますよ。)を正しくだすよう=スピーカのエネルギを出来る限り音に還元し、車の振動にはしない。
正しいセッティング方法で。音色も分解能も良くなります。
ドアの内張りのビビリ。
ビビリとは音楽ソースに入っていない、ブーン、ビー、ボーとか言った感じのものを指します。音に伴った振動は共鳴りと言います。前者は消えます。後者は残ります。この後者を上手く利用すると気持ちよい低音を作ることができます。
スピード間とスッキリ感を出すために、共鳴りを止めたいので、この場合は、スピーカグリルを空けるか、空気抵抗の少ないメッシュに換え、ドアと内張りの空気圧が変化しなように。ドア内張りを完全に制振する必要がありますが、ドアが重くなり過ぎます。スポンジ系の吸音材(オーディオ専門店に色々あります)を内張りとドア間に多めに詰め込みます。
理論も込みでその内 表に書きますね。
>これを補うために、サブウファを足したり、イコライザを掛けたりすることは、無駄以前にナンセンスです。
上述、とても関心しました。
僕の今までの車では最大出力50W×4のアンプ内蔵ヘッドユニットにカーオーディオメーカーのスピーカー+150W程度のサブウーファーを実装する、というスタイルでした。
しかし、カーオーディオメーカーのスピーカーは最大出力は概ね100W以上はあるので100WがMAXに発揮されるよう、デッドニングを施すべきである、という考えに至ったのですが、Imazekiさんの認識とあっておりますでしょうか?
また、ドアの内装を剥がした状態でビビリが発生する部分に制振材を施す、という記載があったと記憶してますが、しっかりデッドニングができていれば、低音が出力されているとき、通常の運転中にドアを触ってもそのビビリはなくってくるものなのでしょうか?
毎度教えて教えてで申し訳ありません。
P.S 本日、PCカードを購入して壁紙を変えました。Imazekiさん作成の壁紙を利用させていただきました。作成ありがとうございます。
インピーダンスを無理に低くなるように調整するのは、スピーカ自体に負荷が掛かります。
理想は一旦スピーカを冷蔵庫サイズのエンロジャにセットし、そのインピーダンスを測り、この測定のインピーダンスの変化に近づけるように調整する。という方法もあります。
極端に高かったり、低かったりする場所を抑えるだけでも十分です。
或る帯域の下の周波数が全般的にインピーダンスが持ち上がっている場合は、エンクロージャの容量不足です。何らかの方法でsピーカの背圧を逃がす必要があります。
最終的には、各自が満足する音であることが重要です。
FFT使っています。成分毎の残響が判る3D表示のものと分解能の高い2D表示の双方を目的によって使い分けています。
PC用でお勧めなものは
http://www.ymec.com/jp.htm
のRAL。安価です。私はRAEを使っていますが、車内を測定するには \2,980 の RAL で十二分です。
適正に測定する場合には校正済みマイクが必要ですが、安価なカラオケ用でもOKです。
低周波と車室共鳴の関係やSWだとバックドア共振との関係とか。
ドアインナのデットニングは、FFTと加振ハンマーがあれば、インナパネルの振動特性&振動モードから最適部位も見つけやすいですね。音響関係はシロートなのですが、インナパネルの共振、イナータンスは音響的にはどういう特性を狙うべきでしょうか?ひたすら低くがいいのかな?