若かりし頃、よく新田次郎の本を読んでいました。そのご子息の藤原正彦さんもいい著書をたくさん出しています。その方のエッセイで、「なるほどなー」というところがあったのでご紹介します。以下エッセイ文
今これを読んでいるあなたも、数学の大天才も、どんな人でも
嫌というほどたくさんの挫折を味わいます。
これは一生涯続きます。私だって、苦しんで寝られない日が
何日も続いたこともあります。これからだってくるでしょう。
みんなギリギリのところまで追い詰められて、瀬戸際でなんとか
答えを出して、を繰り返しているんです。
これは学者に限った事ではありません。優秀な経営者は、
物事を前向きにとらえる人が好きです。
松下幸之助は入社の面接で
「あなたはこれまで運がいい人生でしたか」と尋ね、
「運がよかった」と答えた人だけ採用したといいます。
自分で運が悪いと思っている人は、悲惨な人生から抜け出せ
ないのです。人生を悲観していてもいいことは何一つない。
それなのに、自分はろくな才能を持ってない、与えられた環境が悪い、
と自分で自分を沈めてしまう人がいかに多いか。
非常に残念なことです。
いい仕事をするためには、もうひとつ大切なことがあります。
それは自信を持つこと。自信を持っていない人は、どこに行っても
成果を出すことはできません。そのためには中身が必要です。
中身がなくては、他人は認めてくれませんから。
やはり自分の中に何か光るものを蓄えていること、それが大事なのです。
教養こそ、その人の重みなのです。教養があれば、自然と自信が
湧いてきます。それは、教養を身につけると、ものの見方が大きく
なるからなのです。大局観が身につくといってもいい。
どんな視点でものを見ているかは、少し話しをするとすぐにわかって
しまいます。そして教養に裏付けされた自信は、人を圧倒します。
会社でも、少し上の役割になると、大局観が必要になってきます。
ほんの少しでいいからほかの人より広い視野で物事を見られるよう
になると、部下からも信用されるし、組織を引っ張っていけるような
人材にもなれる。ひいては、大きな成果を残せるようになるんです。
教養は本を読む以外には身に付かない、と私は考えています。
テレビやインターネットでは多くの情報を簡単に得られますが、
深い教養は身につきません。
どんなジャンルから始めてもいいですが、特に興味を持つ分野が
なければ、歴史や文学の本を読んで教養を身につけるといい。
一つの分野で本を30冊ほど読めば、教養は身に付きます。
本は安いし、今の時代は特に本を読む人が少ないから目立ちます。
話が面白いと女の子にももてますしね(笑)。
本を読むことはいいことだらけなのですよ。