6「アトピーと塩素の関係」
粘膜や肌にとりつくと水分を奪い、次亜塩素酸と塩酸に化けるえっmそを口にしたり浴びたりすることは、アトピーで苦しむ人にとって病に追い打ちをかける結果となります。
お母さんが「卵はだめ」とか、「牛乳がいけない」といって食事に気を配っても、なかなか治らないのは、飲み水やシャワー、風呂、プールなどの塩素が大きく関与しているからです。
早稲田大学理工学部の小林寛教授は、「水質汚染と健康」をテーマにした講演のなかで、自分の娘さんが会社に勤め始めてしばらくした頃から、ストレスのせいか分かりませんが、それまでわずかだったアトピーが急にひどくなって、全身に広がって顔は外出することができないほどになってしまわれたそうで、その体験を基に仮説を立てて「塩素原因説」を唱えておられます。
以前から塩素に疑いを持ち続けてきた私としましては、教授の仮説に「我が意を得たり」の感が強くするのであります。
その仮説とは、次のような内容です。
娘さんのアトピー治療のため、3年ほどの間、断食道場、食事療法、健康食品、その他あらゆる方法を試みられたそうですが、結果は全部駄目であったことから、「自分が試していなかったのは水だけだ。」ということに気がついて、娘さんに「今日限り水道の水は一切飲んではいけない。」こととして、代わりにミネラルウォーターを毎日2ヶ月ほど飲ませ続けられたそうです。
その結果、1週間ほどの間にアトピーが嘘のようにスーッと消えてしまったのでした。
そこで、なぜミネラルウォーターが効いたのか一生懸命考えられた末、次のような結論を得られたのです。
「どうも塩素は遊離塩素ですから、ものすごい反応性をもっておりますので、体の中に遊離塩素がそのまま吸収されることは考えられない。恐らくは胃の表面とか十二指腸の表面とか、そういうところで化学反応を起こして取り込まれてしまっているに決まっている。これは細胞を破壊するという形で起こりますから、体の中に蓄積するというよりは細胞を殺してしまうであろう。やられた胃袋と十二指腸の入口辺りの栄養を吸収している粘膜の部分であろう。それが塩素でやられたんだ。その修復力が娘は小さかった。修復力が小さいんですね。だから壊れっぱなしになっていますので、そこからいろいろな高分子が体に入り込み、それをやっつけようとして抗原抗体反応が起こって、アトピーがひどくなったんだ。だから、あれは体を守るためにアトピーがでたんだ。ということが分かってきました。・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・」
アトピー性皮膚炎を、医者は皮膚のところに病気があると思って、一生懸命塗り薬を塗って治そうとしますが、皮膚科のお医者さんでは、アトピー性皮膚炎を治すことはできません。
口から入った物は、食堂を通り胃を徹って、そして十二指腸を通って小腸へ流れていきます。
胃や腸の入口、十二指腸のあたりのところでも、実はどんどん水もそれから栄養素も吸収しています。例えば、お酒などのアルコールは胃袋の表面からでもどんどん吸収されます。
その吸収するところに何があるかといいますと、薄い細胞の膜がありまして、その裏に毛細管が通っていますが、その膜を通して非常に小さくなっや分子(分子量でいえば、数千以下の小さな分子)をもっぱら取り込むといった構造になっています。
そこに塩素がやってきて細胞を壊します。即ち穴が開くわけですが、この穴は目には見えません。 だから、一見したところ何も変化していないようですが、胃や腸の粘膜の栄養を吸収するところに穴が開いているのです。 とは言え、これは、しばらく経つとまた修復することだと思います。
しかし、人によって、体のコンディションによって、修復の早い人となかなか修復しない人があると思います。修復の速度が遅ければ、また続いて水を飲む、また壊れる。壊れっぱなしになる訳です。
そういう人がいろいろな食べ物を食べたときは何が起こるでしょうか。この食べ物の中のタンパク質などの高分子が分解されないうちに、その穴から取り込まれるということが起こります。即ち、体の中には本当は入ってはならない高分子がたくさん入ってくるのです。 そうすると、体の中では抗原抗体反応という防衛反応が引き起こされます。これは体を守るために起こるのですが、それが激しくおこりますと、例えば、アトピー性皮膚炎というような炎症が起こることとなる訳です。
皆さんの周りにもアトピーの方がたくさんおられると思います。最近は、子どもの6割がアトピーを持っているといいます。
これは、今言いましたように水の塩素が原因だと私は思っています。
これから先よくなることはない。 こまま放っておけば、もっと患者が増える。
なぜならば、水がだんだん悪くなっていますから、「塩素の量を増やせ」ということになるんです。
そうすれば、今までアトピーにならなかった人だってなるんです。
そのうち全員なってしまうような時期がくるような気がします。・・・・(以下略)」
塩素が体内に侵入すると、どういう状況を引き起こすかお分かりいただけたと思いますが、これ以外にも健康維持に大切な役目を負っている腸内微生物(ビフィズス菌などの善玉菌)に、ダメージを与えるというおまけまでついてくるのです。
私が10年前(昭和63年)から水にかかわってきたなかで、軽度から全身に及ぶ重度を含め、アトピーに悩む子供さんたちに接する機会が多くありました。
そのほとんどが、時間の差こそあれ、飲み水や風呂の水を改善することで完全に解決することができました。そのことから、私は塩素に疑問を持ち続けてきました。
しかし、それを証明する手段もなく、またそうした理論を展開した書物にも出遭うことができず、単なる浄水器の一(イチ)セールスマン個人の持論の域から出ることができませんでした。
今、ご紹介した小林教授の説も、証明されたものではなく、あくまでも仮説ですが、体験上、最も説得力のある有力な説だと私は信じております。
次に、「飲む」という行為のみが、被害の対象ではないということを、是非しっていただきたいと思います。
意外なところにそれ以上の危険があるのです。
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