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噛噛堂しみじみ備忘録

鞄に本。リュックに本。
遅読、乱読、併読、積ん読、それでも中読。いえ中毒。
どうにもこうにも本とのハナシ。

シネマ 「マリー・アントワネット」

2007年01月31日 | さまざま鑑賞簿

あの、独特の「目つき」がどうしても好きになれないキルスティン・ダンスト。
さあて、キルスティンマリー。
果たしてしっくり来るのかどうなのか、と危ぶんでおりましたが、
それについては、オッケー! でした。
マシマロのような、メレンゲのような、マカロンのような、マリー像。
真白き柔肌、透けるよなプロンド、
「あの目つき」も、ここでは持って生まれた「高貴の証」に見えるから不思議。

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さて作品は。
うーん。
そりゃあもう、世代が世代ですから。(当時小5~6のベルばらリアルタイム世代)

マダム・デュ・バリー、ノアイユ伯夫人、ポリニャック公爵夫人、メルシー伯、プチ・トリアノン…
もうそれだけで、
キタ━(T∀T)━!!キタ━(T∀T)━!!キタ━(T∀T)━!! 連発状態。
アノヒトが、立体になって、動いている、喋っている!…って感覚。
(特に、ノアイユ伯夫人、絶品)

ただし、映画としての見どころは、、というと。
うーん。
ウリは、「女性監督による、初・マリーの視点からの仏革命」 だとか。
でもね。
ジャポネのオンナノコたちはね、それ、
とっくに体験済み なの。ベルばらで。
つーか。
いいんだか悪いんだか、
マリーの視点でしか知らないっす!フランス革命を。
ものすごい刷り込まれてますから。
世界史のその部分、池田氏の絵でしか思い浮かばないですから。
この世代女子、少なくとも桶狭間の合戦よりフランス革命に造詣深いですから。


中盤の絢爛たる浪費シーンがあまりにも長すぎ、
だから、比してラストは、「えっ。これで終わり?!」の感は否めず。
フェルゼンも単なる間男ヤロー。


でも、機会があればも一度観たい。
だって。
女子たるもの、あそこまでの浪費、ちょっと夢。
いっそ破滅へ向かいたい…みたいなドラマティックも、ちょっと夢。

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PS. ルイ16世ってば、勘三郎…
   冒頭&仮面舞踏会のサントラに拍手~、ノリノリ♪


加藤訓子 スピリットオブパーカッション

2007年01月27日 | さまざま鑑賞簿

一度は行ってみたかった、
ミューザ川崎シンフォニーホール!

世界で活躍する打楽器奏者・加藤訓子(カトウクニコ)氏の、
「スピリットオブパーカッション」 で、
ジブンの中の、ミューザこけら落としです。
なんとこのコンサート、S席で、 2000円! (ケタ間違えてません)
三井住友海上文化財団による協賛という事でこの低価格が実現しているとか。

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「マリンバって、最初はこんなふうに始まったのかもしれません…」
ロングヘアの、ホントに小柄な、今日の主役は、
白タンクトップ、白サブリナ風パンツ、白スニーカーで登場。
おもむろに、どっかと足を投げ出して坐りこみ。
数本の丸太をその両足に木琴を模したかのように渡し置いて。
叩く、音がする、叩く、別の音がする、叩く、叩く、、、、、音楽に、なる!
のっけから、こんな素敵なパフォーマンスでスタートです。

ログドラム(巨大な一本丸太のドラム)による「サウンド・インスタレーション」では、
その横たわった巨木と戯れるかの如き「動き」で音が生まれ、、、

4つの植木鉢(ホントに植木鉢)による「To the Earth」では、
唄うような「大地の女神を讃える詩」の語らいに乗せて植木鉢が音楽をつくり、、、



遠目にも汗ぴっしょりなのがわかります。
演目は全て自ら紹介するのですが、その息が荒くあがっています。

正統派なマリンバの演奏ですら、
足は、時に小刻みにリズムを取り、又は飛び跳ね、又は踊るようにタップし、
腕は、時に最大限に伸び、又は細心の動きで鍵盤上を舐め、又は力の限り炸裂し、
特に、嗚呼、、、浮き上がる三角筋!
それらを支える、腹筋、背筋、大臀筋、ハムストリングス…の「総合力」を思わせ、
この肉体にこそ、宿る音楽!
加藤訓子さん。
こう呼びたくなるのでした。
現代のシャーマン、 と。
かつて「祈り」には、必ずや「音」と「踊り」があった事を思い知る二時間でした。

シネマ 「不都合な真実」

2007年01月25日 | さまざま鑑賞簿

本作、本日の朝日新聞にもデカデカと評価記事が出ておりましたね。
「あ~、観た観た、コレ、いいよ~」
とオヤジに向かって得意がったりして。
久しぶりにタイムリーな鑑賞です。

アル・ゴア。
過去、人相上、どうしても、悪役系ゲイリー・シニーズとカブってしまい、
しかも名前が「ゴア」ですから、 「ゴア」
バカらしい程の先入観を持っておりましたが、
(もちろん映画の内容もさることながら)
かなりふっくらと肉をまとった現在のその姿、
そして「1000回は講演した」というだけある淀みなきトーク、
この男、見ごたえ充分。
96分間、一度として座席の背もたれに寄りかかることなく大集中しましたよ。

朝日・小西氏評価の「選挙CMにも使えそう」「エコフリークと揶揄されかねない」…
そんな側面も、チラチラとなきにしもあらず。
ですがそんなこた、瑣末なことです。
特に、選挙CMにも使えそう…というその部分、
噛噛堂評価としては、
固唾をのむほど緊張の連続となる衝撃の内容の中にあって、
ポンと笑いのスイッチを入れてくれるスパイスになっておりました。

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祈るなら、行動もせい。
…なんか、そんな意味の、格言。
温暖化だけに留まらない、先進国のツケをかぶらされているアフリカの格言というだけに、
エンドロールを飾るに相応しいこの格言。
なににつけかににつけ、念頭に置きたいものです。


シネマ 「ロバと王女」

2007年01月20日 | さまざま鑑賞簿


宝石を生むロバのおかげで大変裕福な“青の国”。そこには王と美しい王妃、そして母に瓜二つの王女が幸せに暮らしていました。しかし王妃は病気になり「自分よりも美しい女性と再婚して欲しい」と遺言を残して逝去。悲嘆にくれる王は新しいお妃を迎えようなどと思いもしませんでしたが、大臣たちは手をつくしてお妃候補を探します。そんな中、1枚の美しい女性の肖像画が王の手元に…それは王女の肖像画!王は実の娘である王女に結婚を申し込みました。
父の求愛に困惑した王女はリラの妖精に相談し無理難題を王に願いますが、すべて王はかなえてしまう…。そこでとうとう、宝石を生む不思議なロバの皮を求めるのですが、王はすぐさま大事なロバの皮を剥ぐのでした。
リラの妖精は王女にロバの皮をかぶせて、隣の“赤の国”に逃がします。下女として暮らし始めた王女は、いつもロバの皮をかぶり身分を隠していましたが、ある日、赤の国の王子が偶然に王女の姿を見て、たちまち恋の病にかかってしまいます…


『シェルブールの雨傘』の監督・フレンチミュージカルの名匠ジャック・ドゥミ。1970年製作以来、ビデオが発売されることもなく伝説となっていた本作が、最新デジタル技術を駆使して修復され、30年あまりの時を経て美しく蘇った… か。

確かに、美しいです。
いやしかし、この、独特の、「妙な」美しさを言いあらわすとしたら。
うーん。
ダリ風味の、

高橋真琴ワールド。

ワケワカリマセンネ…

音楽はストレートに美しい、さすがのフレンチミュージカル。
しかし。

でんぐり返りする王子様。
お菓子にガッツク王子様。
リラの妖精発案の無理難題は、ドコがムリなんだい?
どう見ても15号サイズのドヌーブの指に国中の女が試して入らなかった指輪が入るし…
ここ、笑うトコですよね?
でも、さすがにフレンチ。笑える箇所も、どこかアンニュイ。

あまりに単純な「お伽噺」がベースですから、
鑑賞者次第で、いかようにでも読み取れる作品かと思います。
全てが何かのメタファーであるかのように、思おうと思えば思えるし…

噛噛的に、今、思い返して一言感想漏らしてみれば、
「エゴの丸出しからドラマは始まる」
「再婚して!でも、アタシより美しい女とね…」ってオイオイ。
「娘よ、余と結婚するのじゃ!」ってアラアラ。
「お逃げなさい!」って、実はリラの妖精下心ありあり。
「やっぱり綺麗でなくっちゃいや!」隠れ家でロバの皮ぬぎゃ魔法でドレス三昧。
「結婚するったらするったらするんだい!」のハンスト王子。

ま。
誰か一人でも「我慢」してたら、物語は、ハイそれまでよ。
げに愛とはワガママなり。
嗚呼、アムール。


シネマ 「007/カジノ・ロワイヤル」

2007年01月03日 | さまざま鑑賞簿



えっ。3が日中に、映画?!

本当に、本当に、申し訳ございません。王国のミナサマ。
噛噛堂、開放感全開で、フツーの正月 を過ごしております。

で。
正月早々。
ン十年ぶりで盛り上がった  このキブンを削がないためには、
選択肢は「アクション」or「時代劇」しかございません。
ここはシリーズ21作目、ハリウッド寅さん(知らぬはおらずの意味でね)の出番です。
いよっ。六代目!ダニエル屋!

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 もはや多くを語る必要もない、「007」です。以上(おいっ)


五代目ボンド、ピアース・ブロスナンから襷をつないだダニエル・クレイグ。
当然ながらまるで異なる雰囲気となり、これはもう、お好みの分かれるところ。
作品自体は決して出来が悪いわけではないですけど、
ピアースから007を見始めた私には、やっぱりピアース調がマッチするようです。
ピアース調。
それは、お馬鹿B級映画と紙一重。
やに下がったスケベ流し目。
アリエネー装備、装置。
そんなピアース・ボンドと比べると、ダニエル・ボンドは正調派でございました。
ボンドも月まで行っちゃったり、テクノ駆使しすぎちゃったりという事で、
敢えて正調に戻したかったという製作者の意図は充分に反映されているわけですが。
だからね、好きずきです。好きずき。

だからね、
ベルナルド・ベルトルッチをして「常軌を逸するほど美しい」と言わしめたこの人も…

顔の半分が、目。
…のこの人・エヴァ・グリーンも、好きずき…
エ?ジブンノメガチイサイカラッテ、ヒガミジャナイッスヨ。
カオノハンブンガ、「メ」デスヨ、コワイデスヨ…


冒頭の追跡シーン、被追跡者の逃げ足は、圧巻!


江戸東京博物館でアラーキー

2006年12月22日 | さまざま鑑賞簿

千葉の鋸山に行って来ました!
で?なんで「江戸東京博物館」?それは、、、
22日は雨、23日は晴れ。
それゆえ急遽、お日様を追い求め、
鋸山~勝浦一泊の予定を、
かねてより行きたかった江戸東京博物館~勝浦一泊~鋸山 に変更~





JR両国駅から徒歩3分。
で。でかっ…
なんかの基地ですか、これ?

外観だけでなく、エレベーターといい、展示室といい、
ちゃんこサイズ。

館内も「見上げモノ」が多く、「でけー!」「うわー!」の連発。


の、反面、精巧な「目を凝らしモノ」ジオラマも数多く、


さらに楽しいのは「踏みつけモノ」…(500㎏に耐える強化ガラスの下は鹿鳴館)


神奈川県民怪獣・噛噛、東京征服の図。


「江戸ゾーン」も「東京ゾーン」も、資料展示物自体の面白さもさることながら、
見せ方がウマい!
いやいやいや、一日中、居た~い! そんな場所。

なのに、今回駆け足観覧だったのは…主目的がこちら、
荒木経惟 写真展
東京人生。
だったから…

アラーキーこと荒木経惟の写真家人生を辿るこの写真展、
常設展チケット(600円)でそのまま観覧OK!(太っ腹…)

ゲリラ的に館内のあちこちにも展示があるのですが、
ピタッっと馴染んでいるのは、被写体が東京や東京人?だから…

写真って、被写体を撮っているようでありながら、
撮影者自身を撮っている
ことに他ならない…
アラーキーの「元気」や「しみじみ」をもらって、いざ、明日は鋸山。

It continues.


シネマ 「父親たちの星条旗」

2006年11月23日 | さまざま鑑賞簿

戦争映画、敢えて、避けているところアリ。
血飛沫系には滅法ヨワいという事もさることながら、
頭ン中が、答えのない迷宮に落ち込むから、、、

 第2次世界大戦「硫黄島の戦い」を、アメリカ側の視点から監督クリント・イーストウッドが描く。

星条旗を揚げることになってしまったドクの息子が、
ドクの死後に、星条旗を巡って何があったのかを取材する形からインしていく。

作品の冒頭を紡ぐそのインタビューの中に、
迷宮に落ち込まざるを得ないコトの本質が、
ひとことポロリと織り込まれる。
曰く、
「善も、悪も、数が多い…」
この一言で、この監督が表現しようとしていることが、
「迷宮を迷宮のままに訴えること」と解釈できて、
素直に、ストンと、引き込まれちまった…



さてもその、迷宮のリアルさの頂点は、エンドロール!(席はお立ちにならぬよう)
台詞もなく、ひたすらとショットされていく、写真、写真、写真、写真…
このエンドロールのために、本編はアリ!

第二弾「硫黄島からの手紙」への期待値も含めて 

シネマ  「ワールド・トレード・センター」

2006年10月28日 | さまざま鑑賞簿

 9.11同時多発テロの標的となったワールド・トレード・センターの大惨事から、奇跡的に生還した2人の警察官。基になっているのは、実話。(その当事者2人も出演!)


本作のmy選択理由は、オンリー、ニコラス・ケイジ が出ているから。
たまたま「ユナイテッド93」も観ていますが、9.11ウォッチャーではありません。


それにしても。。開始して間もなく、
「え゛っ!」 モウ、イキウメナノ…?!な展開に吃驚。
このあまりにも「すぐ」な展開よ。嗚呼ニコラス…

「実話だからしょうがないけど~」と、観ている最中は思ってしまいましたが、
今、じわじわと思い返せば、
この「すぐ」感こそが、現場にいた本人たち自身の、
信じられない…
という気持ちをよく表していたといえましょう。


「ユナイテッド93」のノンストップ息詰め状態とは異なり、
救助待ちシチュエーションでは王道の「回想シーン」が満載ですから、
2人と共に、人生を、家族を、夫婦を、仕事をなぞっていく作業は、
当然、感動を呼び起こします。
ますけど。
けど。
どうしても、どこか「抜け」てる感じが否めないのはなぜどうして。

それは。
助けに行って、助けることなく、助けられる。 オーマイガー
、、ということなんだな、きっと。
どんなに助けたかっただろうと思えば思うほど、トホホな状況の2人。
嗚呼、無念。

それに対して、2人を見つけた海兵隊員。
髪を刈りながらTV画面を凝視するその在りようといい、
「誰かに呼び止められても知らん顔して捜そうぜ」なんて言いようといい、
ちょい出なのに、印象大。(キャストはマイケル・シャノン)
この海兵隊員やら、救助にあたった救命士やら、
助けることで、(自分が)助けられる。
そんな人々の存在が、
2人に対比されながら織り込まれてくる救助劇後半は胸に迫ります。

尚、更に。
キリスト教を信仰するアメリカ国籍者にとっては、
人として呼び覚まされる普遍の感動以外の強烈なエモーションも迫るのでしょう。

シネマ 「フラガール」

2006年10月06日 | さまざま鑑賞簿

大ヒット中にて、もはや作品については細かに説明も不要でしょう!
ただただ、

「踊り」ってもんのスゴさ
を「腰」が感じてしまいましたよ(笑)
オドリッテイロンナイミデ、スゴイデス…  


高度経済成長期の幼き頃、
「レジャー」なんて言葉を正しく体現すべく親が企画したのは、、、
家族で常磐ハワイアンセンター。 行ったっけさ~
そんな小さな記憶の裏のドラマだったと思えば、尚のこと!


紀美子の母役・富士純子が叫ぶに、
「あたしらシゴトなんてもんは、 地面に這いつくばって真っ黒んなってやるもんだと思ってた!
 でも、笑顔で踊って、お客さんに喜んでもらって……そんなシゴトもあるんだ、そんなシゴトもいいじゃないかって…」(←うろ覚え)

ヨノナカがみしみしっと変わる時には、
ひとりひとりのこんな叫びの積み重ねが起爆になったんだね…
この数年、ずっと考えてきた「シゴト」って事の、真理のひとつとも思え、 


谷川紀美子役の蒼井優ちゃん。
日本の、正しい美少女。
その正しさぶりに、


オフィシャルサイトの「Special」の「lesson diary」by池津祥子、要チェック。
彼女らがホンキで積み重ねたフラの日々が綴られています。
以下、抜粋。
  エキストラ800人!!
  800人のお客さんの前で踊りました。(中略)
  客席前列のエキストラの女の人が拍手しながら泣いていた。
  その時に自分が感じた何かを忘れない様にしようと思う…


うん。。うん。。。
これ読んで、再び拍手しながら、鼻をツーンと熱くさせるのでありました…


alo~ha!


シネマ 「キンキーブーツ」

2006年09月06日 | さまざま鑑賞簿

 倒産寸前の靴工場を相続したチャーリー。起死回生の鍵はニッチ市場。彼が選んだニッチは…ドラッグクィーンの履く、キンキーブーツだった。ドラッグクィーンのローラと、密かにチャーリーを想うローレンの協力を得て、ミラノ国際見本市への出品を目指すチャーリー。だけど、田舎町ノーサンプトンではフリークな存在となってしまうローラ…。工場スタッフとの確執も頂点に達し、果たしてキンキーブーツはミラノで陽の目を見ることができるのか!

「リトル・ダンサー」
「フル・モンティ」
「ブラス!」
「カレンダー・ガール」
………
そしてこれ、「キンキーブーツ」

どうも、ここんとこ、いいカンジの感動はイギリス方面からやって来ます。

決してドタバタでは終わらせない、人間賛歌なユーモアに溢れてるからだなぁ。うん。

「女は男の女性的なところに惚れるのよ…」
この一言に、ブンブンブンと強く頷くのです。
男って何さ?
女って何さ?
ドラッグクィーン(女装する男性)というキーパーソンを中心に、
男論・女論を弁じる構図が、いつしか、男も女も結局 「人」 としてどうなんさ?
…そこに行くから痛快なんです。

間違いなく、元気になれます。




えっ。これ、実話なの?そのサプライズに、更に、