（村井日向子著）
★★★★（ベアの満足度）
２月に見たドラマ
文芸社ドラマスペシャル「恋味母娘」の原作。
ドラマも面白かったけど、原作もまた良い。
夫に先立たれた佐和子。
息子と一緒に母の住む実家に戻ってくるのは、
ドラマと同じ。
ドラマでは、母と佐和子の確執、
女同士のぶつかり合いのようなものが全面だった。
ドラマになりやすいんだろうけど、いたたまれなくなる気がした。
料理の好きで上手な佐和子は、
銀行の社員食堂で働いている。
その味を見初めた行員さんが、独立を提案する。
原作の母は、心配そうにいつも佐和子を見ている。
その影響を受けていないわけではないけど、
一歩踏み出すのを躊躇する。
佐和子の葛藤、見守り応援する周りの人々、
ドラマのような盛り上がりはなくとも、
１０歳年下の男性の応援を受けて、
えいやっと人生を歩きだす姿に
エールをもらいました。
そして、美味しいモノがたくさん出て来て、
食べたくなる本でした。