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ビジネス&ニュース in カンボジア

《注》各記事の最後に「出所」と明記のものは原本記事からの抜粋・要約に基づきます。

カンボジア&ロシアとの貿易 (グローバル・ビジネス)

2007年03月13日 | グローバル・ビジネス
===読者様へ===
これからもっと知りたいカンボジアの産業別ビジネス情報などございましたら、こちらまでどんどんリクエストお寄せください。
メールアドレス: be-cam@mail.goo.ne.jp
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カンボジアはロシアと、互恵的な貿易関係の構築を欲している――ロシアがWTO(世界貿易機構)へ加盟される前に。

ロシアは、WTO加盟のための手続きを1993年より続けている。ちなみにロシアは、世界経済主要国の中でも未だ加盟が了承されていない国に該当される。
翻って、今から3年前の2004年にWTO加盟を果たしたカンボジアが、ロシアとの貿易について正式な交渉を進めていくための話し合いの場を、ロシア側にリクエストしている昨今だ。

ロシアはカンボジアに対しODA投入が豊富な国ではないものの、貿易を取り交わせる許容量を持ち合わせているに違いない、とカンボジア側は見込んでいる。
例えば昨今カンボジア国内で盛んな産業のひとつに縫製衣料製造による製品の輸出産業が上げられる。(投資元の殆どは外資企業)
ロシアに対しこの輸出産業で交渉を続けていきたい最も魅力的な点は、自由貿易協定制度(クオータ制度)、(繊維・衣料、靴製品貿易にかかる)税控除輸出制度などが想定されている。
反対にロシア側は、現在カンボジアで注目の石油鉱業事業がある。ただし、カンボジア側はこの石油事業で入る歳入については注意が必要だ、と近隣国関係者は口を揃えて忠告している。また、カンボジアの労働市場についても、受け手側であるロシアがどこまで承知しているのか、という面についても未だ不明瞭な点を隠せない。(了)

出所: 2007年03月13日付 THE CAMBODIA DAILY –Business-
原題 ”Negotiations Underway To Increase Russian Trade”

<注>
クオータ制度=輸入割当制度
参考1: 繊維・衣料製品クオータ制度撤廃による影響等
http://www.fukui-iic.or.jp/kokusai/hk/report/honyaku/senni/2005/textile140.htm
参考2: 「アジア繊維産業と日本」
http://www.sen-i-news.co.jp/3.0/seek.asp?id=88127

<閑話>
これまで何度も繰り返し言われてきている話なのだが、このカンボジアは紛れもなく発展途上国。それの意味するところは、一見その社会経済成長ぶりはとても華やかなのだが、所詮、未成熟な社会経済基盤に満ち溢れていることをも確固として意味する。確かに世界いずれの発展途上国にも、巨大な外資勢力が入り込み、良くも悪くもその国の社会経済の成長を助けている点は決して無視できない。その一方、受け手である発展途上国側がその強力な外資勢力がどれほどの国内社会経済破壊の威力を持っているのか?といった試算を予めできる国社会ではないことを、発展途上国自身が最も警鐘を鳴らし続けるべき…なのだが、どうしても目先の「お金」に目移りしてしまう辺り…それが、後発開発/発展途上国の定めなのか。

カンボジアGDP成長の行方 (グローバル・ビジネス)

2007年02月25日 | グローバル・ビジネス
===読者様へ===
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メールアドレス: be-cam@mail.goo.ne.jp
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IMF(国際通貨基金)は今週、カンボジアの経済成長と財政再建を賞賛した。しかし、UNDP(国連開発計画)とILO(国際労働機関)はこの現状がこの国の雇用増と貧困削減に結びついていない、と否定的な見方をしている。

IMFの見極めではカンボジアのGDP(国内総生産)は、昨年は凡そ10.5%の経済成長があったと述べた。その理由について、カンボジアにおける経済の活性化と税金徴収率が上がったことから、と見ている。
しかし、昨年の税徴収率が上がったとしても、国内のGDP中8%の税徴収による税金歳入の数字しか実際には計上されておらず、全世界各国の例をみると、(平均して)税金による20%の歳入額には程遠いこの国の(税金歳入による)財政状況がある。

確かに1994年から2004年GDP成長の年間平均は6.8%だったが、その数字に反映されたのは一部の国民に過ぎず、全体的にその数字は民間へ直接反映されて出てきた数字ではない。
また、上記と同じ10年間に貧困ラインは47%から34.5%までに確かに下がっていた。

The Economic Institute of Cambodia(カンボジア経済研究所)の見解によると、この国の経済成長はその殆どが衣料・縫製産業工場の稼動と観光産業、その他の建設業に起因するもので、その産業所在地は都市部に偏っている反面、2000年において70%強のカンボジア人は地方域における農産業に従事している現状がある。そしてカンボジア人口の殆どがこういった農村域に住んでいる点も上げられた。
このように農産物の原料供給に十分な土壌があるにも拘わらず、需要を持つ(例えば)観光業にて使用される青果物の殆どは輸入物に依存されている。自国内農産物が需要側の要求(品質・供給量・納期等)に対応し難いからだ。

確かに近年のカンボジア三大産業(輸出のための衣料・縫製産業、観光業、建設業)は昨年2006に引き続き今年2007年も成長の兆しが見られる。が、繰り返すように、農産業成長率は変わらず5%満たないことに大きな変化はなさそうだ。(了)

出所: 2007年02月23日付 THE CAMBODIA DAILY –Headline-
原題 ”Int’l Bodies at Odds on Impact Of GDP Growth”

<閑話>
カンボジアのあるビジネス調査現場での会話――
「カンボジアの印象はどうですか?」 ※質問者は国費日本留学にて某大学院の博士号取得カンボジア人
「…すっごく昔は『カンボジア=貧困、地雷、貧しい、かわいそう。なんとか助けてあげなくては…!』て、思っていました」
「で、現在は?」
「ぜ~んぜん。私自身が貧乏最前線にいるんですから」
――カンボジアの一般庶民と同じ窯の飯を食べた人間をなめるなぁ~っ