
前にも書きましたが、どうやら私はアンプ好きなようです。
若いころからアンプだけは頻繁(というほどでもないと思いますが)買い換えて来ましたが、ひとつのシステムに複数使ったことはありませんでした。
下取りに出したからでもありますが、数台のアンプを繋ぎ替えて聴くなどという発想自体がありませんでした。
ところがフォノイコライザー代わりに買ったオンキヨーA817GTが予想以上に良かったせいか、ネットオークションで古いアンプを物色するようになりました。
ブランドでいうと私はサンスイが好きみたいで、ウォッチリストに登録するのはサンスイのものが中心でした。
社会人になって新入社員が揃って寮生活をしていたときに、同期のH君がサンスイのアンプを持っていました。
それを見て、オーディオ評論家になりたかったというK君が「クラシックファンのお前がなんでサンスイなんだ?サンスイはジャズだろ!」と言ったのをよく覚えています。
そのころはまだオーディオファンではなかったので、そのアンプのモデル名は607としか分かりませんが、1981年なのでAUーD607Fあたりだったのでしょう。
レンタルレコードで借りてきた「ハリウッド・マッドネス/リッチー・コール(as)」をかけて貰いましたが、音の良し悪しなどはまだ気にかけないころでしたので、音質などは印象に残っていません。
ただ、「サンスイはジャズ」というK君の言葉は心に刷り込まれたようです。
その後、スイングジャーナルのオーディオページや広告で、AUシリーズには607、707、907の3種あることや、いずれも評価が高いことを知り、最上位機種の907が憧れのアンプになって行きました。
最初のアンプを買う時も、907は高嶺の花なので607が第一候補でした。
結局トリオのアンプを買うのですが、その時のいきさつは以前書きました。
その後セパレートアンプを使うようになって、サンスイはC2301(プリ)とB2201(パワー)を使いました。
どちらも気に入っていましたが、不具合が出たのを機に下取りに出しました。
さて、オークションでサンスイアンプを物色するうちに、たいへん美しいアンプを見つけました。
AUー999という年に発売された当時のフラッグシップモデルです。

とにかくパネルのデザインが素晴らしく、下位機種の777、555、222も同様のデザインです。
調べてみると、777はベストセラーモデルだったらしく、999はそのグレードアップ版として後から発売されたようです。
999はオークションでも5万円以上の値がつくので、777の方を探していると、整備済みのAUー707が2万円程で出品されていました。
こちらは見慣れたデザインです。
安いので調べてみると、興味深い事実が分かりました。
まず、このアンプはAUー607とともに、その後連綿と続くAUー×07シリーズの最初のモデルだということ。
また、907シリーズは次のAUーD907からであり、この時点ではAUー707が最上位機種だったこと。
さらに、後継モデルのAUーDシリーズからは回路がかなり変わっていること、などです。
つまり、このアンプは、サンスイの「顔」となったアンプ群の元祖であり、また、にもかかわらず回路はこれ一代限りの特異な存在であるというわけです。
これで、購入意欲がグンと高まりました。
MC入力はありませんが、プリアンプのHCAー8000があるので問題ありません。
更にプリとパワーが分離できるので、色々と遊べそうです。
送られてきた707は美品と言っていい外観でした。
改めて実物を見ると、このデザインも999に劣らず素敵です。
特に、AUーD×09F以降ボタン型に変更されるレバー型スイッチがメカニカルで格好良いです。
音を聴く前から、すっかり嬉しくなってしまいました。
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