多分1983年の秋~冬だったと思います。
その後行きつけとなるジャズ・バーを初めて訪れた日、カウンターで数時間過ごしていると日本語のボーカル曲がかかりました。
「今夜はおしまい、もう店じまい・・・」
短いその曲が終わると、同じ曲が繰り返しかかりました。
「閉店ですか?」とマスターに尋ねると、「浅川マキでお終いです。」との答えでした。
「これが浅川マキか。」と思ったのですから、名前くらいは知っていたのでしょう。
でも、曲を聴いたのは初めてでした。
以来40年、彼女とは縁がありませんでした。
今年、宮沢昭(ts)さんの「野百合」をオークションで入手しました。

このCDは浅川マキがプロデュースした作品だということは知っていましたが、彼女が書いたライナーノーツを読んで俄然興味がわきました。
そこで、区立図書館で蔵書検索すると一枚だけCDがありました。
1996年の「こんな風に過ぎていくのなら」です。

1曲目「今夜はオーライ」から聴き始めるとローリングストーンズみたいなヘビーはギターリフにびっくりしました。
そして歌が始まると歌詞が聞き取れません。
抱いていたイメージとはかけ離れていました。
調べてみるとこれは22枚目のアルバムでした。
2010年に亡くなっていたことも知りませんでした。
40年間人並みにテレビも見てきましたし、レコード店には人並み以上に通ってきたにもかかわらず聴く機会がなかった歌手:浅川マキとはどんな存在なのか、その作品を辿ってみようと思いました。