ベビーブーム世代が、手塚治虫ら男性による少女漫画に取って代わってから、最初の革命がいわゆる「花の24年組」とくに、萩尾望都の「トーマの心臓」であることにある程度の人は納得してくれるのではないでしょうか。
漫画が文学になった瞬間。74年のその作品は代表作「ポーの一族」とともにお勧めの作品です。(その他のSF方面も名作ぞろいというのもまたすごい)花の24年組の後、80年代~バブル来にわたる中で、ラブコメ気風が強まる中、岡崎京子、内田春菊らのセクシーな作品が異質を放ち、その後の「レディコミ同化」を経て、やまだないと、南Q太、安野モヨコらの新世代に移っていく。雑誌社の「囲い込み」(投稿~デビュー)という流れから、同人やアンダーグラウンドをも取り込んでいく様は、音楽業界や映画業界とも似たような印象で、少々興味深いです。
そんななか、「純文学系」の中興の祖ともいえるのが吉野朔実ではないでしょうか。
初の長編「少年は荒野をめざす」「ジュリエットの卵」はまだ幼かった自分にとっては「恐ろしい」ものでした。個人的に「吉野朔実は怖い人」という印象がつよく残っていました。(私はぷ~けでも「ジュリエット~」だけは飛ばして読んでいた)
長編の後、原作ありの短編を書いた後、吉野朔実が採用したのが「読みきり」形態でした。
細かい数字はわからないんですが、(手元に「エキセントリック」しかない…。・゜・(ノД`)・゜・。「エキセン~」は91年連載開始なのでその前。コミック化が91年3月。90年にはいったかはいらないかぐらいか?)「ぶ~け」ではじまったその連載は衝撃的でした。「いたいけな瞳」は毎回主人公がちがい、さまざまな人生の1シーンを切り取り、耽美な絵と切れ味抜群のモノローグ、そして構図にいたるまでトータルで優れた作品であるとともに、扱うテーマが毎回重厚で思春期なA2家では母、私、弟と読み終わった後「どう?わかった?」と家族会議が開かれていました。(かなり余談だか、彼女には「おかざき真理」という絶対的なフォローワーがいます。今はドラマ化された「サプリ」の人、といえばいいのかな?コンクール投稿作であった「バスルーム寓話」は業界にも衝撃を与えました。「うまい」「すごい」…「でも吉野朔実色が強すぎないか?」という激論が受賞に際して行われました。<いやほんとだって。受賞決定の審査員コメント読んだもん)
この作品を経て、吉野朔実は大きく変わったと思います。ストーリーやキャラクターから脱却したというか。(その昔、前述の「ポーの一族」でのアランの「あのシーン」には多くの抗議が来たとか)足かせがなくなり、その分鋭さがました。その後の作品は全てこの読みきり連載に原点があると言っても過言ではないでしょう。ライオンのような金髪の双子は「エキセントリック」へとつながりますし、第一話はもとより、作中で数多くみられた子供達の視点は「ぼくだけが知っている」へと続きます。そして、三つ目に出てきたのがこの「恋愛的瞬間」であります。いよいよ「恋愛」に焦点があつまった作品、という事で非常に期待していましたが、正直毎月毎月作者から無理難題を突きつけられる(?)読者側にも食傷気味なところがあったのか、そんなに反響もなく終わってしまった感があります、というか私がね。
未読破のこの作品をついにブックオフが100円で販売!!!!!
ということで1巻と2巻を買ってしまいました・…ヽ( ´ー`)ノ総額210円になります~チーン。
いやぁ、いいですよ。20代の人は読むべき。うん。ただ、この一連の「読みきり」作品群はコミックという媒体に合わない気がする。一ヶ月間、繰り返し読み、中身を吟味する。そういった意味では、全てではないにしろ、連載時をタイムリーですごせた私はけっこう 「幸せ」だな。と思います。
「漫画」、特にこれらの文学的な要素を持つ作品において、セリフやモノローグを取り出すことは「冒涜」に近いきもするのですが、そこは殴り書きの勢いに免じて許してやってください。
「…では「理想」か「相手」このどちらかを変えることです
3つの要素のどれかが間違っているのです
「相手」を変えれば「理想」も「方法」も生かされます
また
「理想」を変えればおのずと「方法」は変わります
あなたは
どれかを選ばなければいけない
選べない人間は
いずれすべてを失うことになるんです
もし「彼女」を生かすなら
今のあなたの「理想」も「方法」も捨てることです
彼女を得るために自分を捨てることができるならそれは
それが恋です」
漫画が文学になった瞬間。74年のその作品は代表作「ポーの一族」とともにお勧めの作品です。(その他のSF方面も名作ぞろいというのもまたすごい)花の24年組の後、80年代~バブル来にわたる中で、ラブコメ気風が強まる中、岡崎京子、内田春菊らのセクシーな作品が異質を放ち、その後の「レディコミ同化」を経て、やまだないと、南Q太、安野モヨコらの新世代に移っていく。雑誌社の「囲い込み」(投稿~デビュー)という流れから、同人やアンダーグラウンドをも取り込んでいく様は、音楽業界や映画業界とも似たような印象で、少々興味深いです。
そんななか、「純文学系」の中興の祖ともいえるのが吉野朔実ではないでしょうか。
初の長編「少年は荒野をめざす」「ジュリエットの卵」はまだ幼かった自分にとっては「恐ろしい」ものでした。個人的に「吉野朔実は怖い人」という印象がつよく残っていました。(私はぷ~けでも「ジュリエット~」だけは飛ばして読んでいた)
長編の後、原作ありの短編を書いた後、吉野朔実が採用したのが「読みきり」形態でした。
細かい数字はわからないんですが、(手元に「エキセントリック」しかない…。・゜・(ノД`)・゜・。「エキセン~」は91年連載開始なのでその前。コミック化が91年3月。90年にはいったかはいらないかぐらいか?)「ぶ~け」ではじまったその連載は衝撃的でした。「いたいけな瞳」は毎回主人公がちがい、さまざまな人生の1シーンを切り取り、耽美な絵と切れ味抜群のモノローグ、そして構図にいたるまでトータルで優れた作品であるとともに、扱うテーマが毎回重厚で思春期なA2家では母、私、弟と読み終わった後「どう?わかった?」と家族会議が開かれていました。(かなり余談だか、彼女には「おかざき真理」という絶対的なフォローワーがいます。今はドラマ化された「サプリ」の人、といえばいいのかな?コンクール投稿作であった「バスルーム寓話」は業界にも衝撃を与えました。「うまい」「すごい」…「でも吉野朔実色が強すぎないか?」という激論が受賞に際して行われました。<いやほんとだって。受賞決定の審査員コメント読んだもん)
この作品を経て、吉野朔実は大きく変わったと思います。ストーリーやキャラクターから脱却したというか。(その昔、前述の「ポーの一族」でのアランの「あのシーン」には多くの抗議が来たとか)足かせがなくなり、その分鋭さがました。その後の作品は全てこの読みきり連載に原点があると言っても過言ではないでしょう。ライオンのような金髪の双子は「エキセントリック」へとつながりますし、第一話はもとより、作中で数多くみられた子供達の視点は「ぼくだけが知っている」へと続きます。そして、三つ目に出てきたのがこの「恋愛的瞬間」であります。いよいよ「恋愛」に焦点があつまった作品、という事で非常に期待していましたが、正直毎月毎月作者から無理難題を突きつけられる(?)読者側にも食傷気味なところがあったのか、そんなに反響もなく終わってしまった感があります、というか私がね。
未読破のこの作品をついにブックオフが100円で販売!!!!!
ということで1巻と2巻を買ってしまいました・…ヽ( ´ー`)ノ総額210円になります~チーン。
いやぁ、いいですよ。20代の人は読むべき。うん。ただ、この一連の「読みきり」作品群はコミックという媒体に合わない気がする。一ヶ月間、繰り返し読み、中身を吟味する。そういった意味では、全てではないにしろ、連載時をタイムリーですごせた私はけっこう 「幸せ」だな。と思います。
「漫画」、特にこれらの文学的な要素を持つ作品において、セリフやモノローグを取り出すことは「冒涜」に近いきもするのですが、そこは殴り書きの勢いに免じて許してやってください。
「…では「理想」か「相手」このどちらかを変えることです
3つの要素のどれかが間違っているのです
「相手」を変えれば「理想」も「方法」も生かされます
また
「理想」を変えればおのずと「方法」は変わります
あなたは
どれかを選ばなければいけない
選べない人間は
いずれすべてを失うことになるんです
もし「彼女」を生かすなら
今のあなたの「理想」も「方法」も捨てることです
彼女を得るために自分を捨てることができるならそれは
それが恋です」