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Bar輪gマスターの酒ってやつぁ…

新宿歌舞伎町のBar輪g(りんぐ)のマスターが送る、素敵なお酒のエピソード。

鉄幹

2005-12-11 23:49:08 | 焼酎
本格焼酎、

「鉄幹」

は古式ゆかしい甕壷で仕込まれた芋焼酎です。

鹿児島のオガタマ酒造株式会社が伝統的な甕壷仕込みで仕込む同社の中核を担う商品。

甕壷仕込みで焼酎を造る場合、まろやかな味わいに仕上げる蔵元が多いなか、
オガタマ酒造株式会社が造る、
「鉄幹」
は、かなりしっかりとした風味とコクを表現しようという作り手の意志を感じ取ることが出来ます。
使用する麹は、白麹と黒麹をブレンドして使うというこだわりを見せる。
このことからも、目指すべき味をしっかりと見据えた酒造りをしている事が伺えます。


ラベルに人物が描かれていますが、この人物は酒名にもなっている、

「与謝野 鉄幹」

です。
鉄幹は明治、大正期に活躍した歌人、詩人ですが、本人の残した功績よりも
妻である「与謝野 晶子」の旦那として認識される事の方が多いのではないでしょうか?

義務教育では妻、晶子は「みだれ髪」などの女流文学や女性の地位向上に尽力した人物として教わるのに対し、
旦那、鉄幹は触れない事が多いのです。

鉄幹の歌う詩は、雄大で力強く男性的。
雄雄しい男、鉄幹と女らしい女、晶子。
という夫婦だったからこそ、晶子が強く女性を主張できたのではないでしょうか。

今の女々しい男たちには、鉄幹の爪の垢でも煎じて飲んでほしいですね(笑)


そんな鉄幹の名を冠した芋焼酎。しっかりとした芯の通った味わいを楽しむ事ができます。

鶴日和

2005-12-02 22:41:27 | 焼酎
芋焼酎、白金酒造の柔らかな風味の焼酎。

「鶴日和」

以前、紹介した「龍神蔵」と同じ片岡 鶴太郎の描いたラベルです。


画像は四合瓶なので、文字だけですが、
一升瓶には鶴が描かれています。

ロックでも柔らかな口当たりのおかげでグイグイいけちゃいます。

結構危険なお酒なのです(笑)

薄紅色のラベルがナヨナヨしてそうで、力強い「龍神蔵」に興味が向いちゃっていたのですが、
飲んで見たら以外とはまってしまいました。

女性と一緒で付き合って見ないとわからない物ですよね(笑)

鍛高譚

2005-11-07 20:05:45 | 焼酎
紫蘇焼酎
「鍛高譚」

変わり焼酎として大ヒットとなったこの焼酎は、
豊かな紫蘇の風味と爽やかな飲み口が特徴。


北海道にある鍛高山は紫蘇の群生地として有名ですが、その山の名前の由来となった北海道民話から名付けられました。

大体の話はと言うと、
タンタカと言う魚が、海の仲間を助ける為に山に生える紫の葉(紫蘇)を取って来て、みんな助かりました。
と言う話。

それはさておき、
「鍛高譚」
は甲乙類混和焼酎です。
甲類とは無色透明で匂いのない、チューハイや梅酒などのベースに使われる物。
乙類とは昨今ブームの「本格焼酎」の事で、原料の風味が生きているのが特徴です。


それを混ぜる事で、風味と飲み口、更には低価格を実現した事がヒットの要因となりました。

しかし、厳密には「本格焼酎」では無い為、頑固な酒飲みからは疑問視されたりしますが、
多くの方に愛されている
という事実は無視出来る物ではありません。

私が初めて飲んだのは、かれこれ5~6年前になりますが、今でもたまに飲みたくなります。


どの世界でも、
「ヒットした物がいい物。」
勝てば官軍、的な発想があります。
一概には言えませんが、一つの真理ではあります。


確かにその考え方がすべてとは言えませんが、個人的に「鍛高譚」は割りと好きな酒なので、良しと感じてしまいます。
しょうがないですよね(笑)旨いんですから。

だからと言って、
「あそこのマスターは酒の味が分かって無い。」
なんて言わないで下さい(笑)

旨い酒はみんな好き!
単に節操が無いだけですから(爆)


天使の誘惑

2005-11-06 21:06:39 | 焼酎
西酒造がお届けする芋焼酎原酒、

「天使の誘惑」

本格焼酎ブームの中で焼酎の原酒と呼ばれる物の認知度を上げた立役者です。
今でこそ原酒焼酎は多く販売されていますが、
昔はそう多くはありませんでした。

焼酎という物は蒸留酒なので、原酒でのアルコール度数は高く、
40度から60度くらいになります。
それをアルコール度数を25度または20度になるように水で薄めて
(「割り水」と呼びます)販売するのです。

割り水をするというのは、水で薄めた後に甕などで寝かせるので、
飲む時にする「水割り」とは違い、薄まったもしくは水っぽい感覚はありませんが、
味わいの特徴が原酒と変わる事があります。

例えば、お持ちの焼酎を瓶のままで良いので一対一の割合で水で薄めて
一晩暗い場所で保存してみてください。
元のお酒をグラスの中で一対一で割るのと、一晩寝かせた物とでは味が違います。
ご家庭でも手軽に出来ますので、一度試してみてください。

そういったことから、割る前のお酒(原酒)を飲んでみたいと思うのは
酒好きとしては当然ですよね?


「天使の誘惑」は通常の芋焼酎とは違い、
ウィスキーやブランデーのようなしっかりしたアルコールと、
原材料由来の芋の風味が見事に調和し、
ロックでゆっくり飲むのに最適です。
沢山飲むお酒ではなく、一杯二杯をしっかり味わえる焼酎です。


ちなみにラベルには天使が描かれていて、デザイン的にも素晴らしく、
栓も通常の瓶とは異なっていて、特徴的です。

まあでも、天使の顔が怖いと思うのは、俺だけじゃないはず。
こんな劇画調の天使に誘惑されてもねぇ・・・。
飲めば天使が舞い降りるような幸せな酔い方が出来るお酒なんですけどね。

薩摩古秘

2005-10-30 23:47:03 | 焼酎
本格焼酎ブームがやってきた時にいち早くボトルデザインにもこだわりを示して、その存在をアピールした、

「薩摩古秘」

実は、そこには産地九州と、関東での酒文化の違いが大きな関わりがありました。


一升=1.8L=十合

というのは全国共通の単位ですね。今でも酒はこの単位で販売されています。


関東の酒屋では、
一升瓶

四合瓶(しごうびん)
が売られている事が多いのですが、

九州では
一升瓶

五合瓶(ごごうびん、ごんごぅびん)
で売られる事が多かったのです。


これは、醸造酒である日本酒と蒸留酒である焼酎の造られ方の違いからきています

醸造酒は樽で醗酵させて作ります。
その「樽」が基準になり、一升とか四合とかに分けるとちょうどいいのです。

蒸留酒も樽を使いますが、甕(かめ)を使って寝かしたりします。分量も、蒸留したてのアルコール度数の高い原酒を、水で割って度数を調節し、落ち着かせて商品化するので、瓶単位で計算のしやすい、一升と五合が使われたのです。


で、焼酎の蔵元は全国向けに販売する際に、全国用の四合瓶を作り流通させました。
その際に瓶の形とか、包装とかで、個性的なものを発信したのです。


写真の「薩摩古秘」男三人で飲みました。
柔らかな口当たりと、爽快な後味でどんどんイケル。
って
あっという間に飲んじゃいました(笑)

旨かったです。

きび焼酎 幾星霜

2005-10-29 22:30:49 | 焼酎
昨日、お客様のしょうご君が持ち込んでくれたレア物!

1985年から20年寝かせた長期熟成、きび焼酎。

初めて「きび焼酎」を飲みましたが、

旨いっ


こんなにするするっと入る熟成物はなかなかないです。
印象はアクアビットに近いのですが、遥かに飲みやすい。

産地は岡山、桃太郎の吉備の国。

しょうご君が持ち込んでくれた酒のうち、こいつだけは、あっと言う間に開いちゃいました。

こう言う新しい出会いと喜びって、流れ星を見掛けたみたいに幸せな出来事です☆


村尾

2005-10-24 22:08:20 | 焼酎
スリーエム(3M)と言われるプレミア芋焼酎の中では、最も玄人好みな焼酎。

「村尾」

です。


杜氏の村尾寿彦氏が精魂込めて作り上げた逸品。
彼は芋の収穫期である八月から酒が出来上がる一月までは酒造りに、文字通り没頭し、
それ以外の時期は、
瓶詰、
発送
などすべての作業をこなす。
因みにラベルは奥様の手貼り。


それだけでなく、焼酎造りの肝ともいえる蒸留器にも、度重なる改良を加え、
休む事なく、止まる事なく、
納得出来る焼酎を造る為にチャレンジし続けています。


そんな男の造る酒は、

しっかりとした味わいと、華やかな香り。
そして驚く程ゆったりとした上品な後味。
そして重厚。

こういうバランスは、
「本当に旨いっ」
って唸らせるだけの物があります。


焼酎の価格高騰は弊害が大き過ぎるというのが持論ですが、
「村尾」は高い金を払ってでも飲む価値のある焼酎であると言えるでしょう。


仕事馬鹿とも言って過言ではない(失礼)本物の男が造る酒。
好きなんですよ…


伊佐美

2005-10-22 01:24:08 | 焼酎
元祖プレミア焼酎
「伊佐美」
です。



焼酎ブームが来る遥か前から入手が困難な焼酎として、名を馳せていました。

上品ですっきりとした味わい。しかしながら芋独特のまろやかさとボディのしっかりした「伊佐美」は銘酒の名に恥じない一本です。
それに加えてラベルがめでたい!
桜、太陽(日の丸か?)正に祝い酒。
ハレの日に、贈答用としても大変喜ばれたのです。
九州では、今でも二本をこも包にして贈物として届けたりしています。

そうやって有り難がられると、品薄になる、値段が上がる。という市場原理の元、プレミアム焼酎となったのです。

現在の市場価格は一升、大体七千円位。
これは3M(スリーエム)と言われる、森以蔵・魔王・村尾に次いで高値の焼酎になります。

だからと言って有り難がってロックで飲まなきゃいけないって訳ではありません。

俺達九州人にとっては、所詮焼酎。ですので、平気で烏龍茶で割ったりもします。
元々旨いだけに割っても旨い。
そんなこんなでぐいぐいっとイケちゃいます☆

今年の正月に、二人で一升烏龍割りで空けちゃいました。ツマミは鮪。


輪gで出してる「水まんじゅう」にも「伊佐美」をかけてすすめたりしてます。

ちょっと贅沢だけど、身近な酒なんですょ。


龍神蔵

2005-10-19 02:15:34 | 焼酎
芋焼酎「龍神蔵」のラベルは片岡 鶴太郎が描いています。

鹿児島で明治二年に創業した白金酒造がつくるまろやかな芋焼酎。
香りの高さとドライな後味を合わせ持つ秀逸な焼酎です。

何かで割らずにロックで味わっていただくと、↑の表現がわかっていただきやすいと思います。

「あんまり重いのはちょっとしんどいな~」
って時に程よいんじゃないでしょうか?


はい。酒の話は以上(笑)
ここからは片岡 鶴太郎話で。

彼がお笑い芸人なのは皆さん知ってますよね。
CX系、伝説のお笑い番組「オレたちひょうきん族」
にレギュラー出演してました。
この番組をリアルタイムで知ってる人は結構いい年(笑)
たけし、さんま、しんすけ、のりお、コント赤信号などなど…
今では信じられないキャスティングでした。

母親からは
「あんな番組見たら馬鹿になるから、やめなさいっ」
って言われてました(爆)
それくらい、馬鹿馬鹿しくて面白い番組でしたょ。

そこに出演してた芸人さんや制作に携わった人達の合言葉が
「打倒!全員集合」
同じ土曜8時にドリフのやっていたライブコント番組に振興勢力としてぶつかって行こうって勢いがありました。
その結果が、芸人さん達の数々の伝説で、
「やたらと出演者が脱ぐ。」
と言うのもその一つです。
カメラの有る無し関係ありません。スタジオだろうが町中だろうが脱ぎ散らかしてまして、脱ぎ遅れた人は悔しがる(意味わかんないですよね)らしいです。

その中でも鶴太郎は一番脱いだらしく、
六本木の喫茶店の中で脱いで、通りに面したガラスに全裸で張り付いたり(プライベートでデート中、外を通った芸人仲間にアピる為だけに…らしいです。。。はぁ。わからん。)
してたような人なんです。


それがいつの間にやら
「鶴太郎画伯」
ですょ。

しかも、NHK教育で絵画教室の番組持ったり。
ドラマでも良い演技しますしね…

同じ「ひょうきん」出身の芸人では、
ジミー大西も絵で成功しました。


う~ん。感慨深い。

とにかく「龍神蔵」のラベルの絵は鶴太郎作。
中々、迫力のある龍が描かれています。
他に白金酒造からは「鶴日和」という、さっぱりした芋焼酎が出てますが、こちらも鶴太郎画伯の絵がラベルになってます。
見掛けたら、手に取って
「ほほぅ。」
と、言ったりしてみては?


鬼火

2005-10-06 23:51:05 | 焼酎
「鬼火」

凄いネーミングセンスです。
そして鮮やかな赤いラベルデザイン。


今回のお酒は、

焼芋焼酎
「鬼火」

です。

この焼酎は、原材料の芋を通常蒸して酒を造るところを、
焼いて造る。

という、製法上の特徴(さらっと書きましたが、凄い事です。将に冒険ですょ)から、従来の芋焼酎とは異質な、
「芋の旨さ」
を表現することに成功しました。

また、それに併せて、全体のバランスをライトにとった為、女性を中心に関東などでヒット商品になりました。


この「鬼火」のヒットは果たして、偶然だったのでしょうか?

そこで、思い出してもらいたいのが、
名前とラベル
です。

ここには、売る為の様々な仕掛けがなされています。
①インパクトがあり、覚え易く、発音しやすいネーミング

②その名前をわかりやすく、かつ、古臭くなく配置したラベル。

③色彩学に基づいたラベルデザイン。


こういった事を決定する際に、
「鬼火」の特徴であり、売りである「焼き芋をつかった焼酎」と言う



をブラさずに決められています。

先にも書いたように、焼芋焼酎という新しいものを売り出す、時にそのイメージを明確に消費者に伝える為にはどうすればいいのか?
を、とことん練り上げて決められたラベルデザインであり名前なのです。



三番の色彩学について、軽く解説すると、
飲食に関わる物の場合に、何か新しい物をアピールする色が
「赤」
なんです。

既製のビールに対し、
新しい物として発売された発泡酒を見てみると、

シェアno.1は
アサヒ本生
です。
赤いラベルなんですよ。


こういった事を考えながらラベルを眺めるのも、面白いでしょ。