バンコクから愛を込めないで (ボクシング奈落編)

ボクシングから離れていたあたしは復活するのか(゜Д゜)!?

(タイのボクシング) 「タイ人は強いんです!!」 ナコンルアンVSワタナベジム・イン・シーサケート

2011年01月01日 19時58分35秒 | タイのボクシング
(写真提供は『ムアイ・サイアム』編集部)


めっさ遅くなりましたが、12月24日に行われたナコンルアンプロモーションのシーサケート興行の報告です。といっても今回はあたしは現場に出ていないので(オーレドン見に行ってたらしい)ちと伝聞したこととか書いておきましょうか。しかし今回の対戦はタイという地での日本のそれなり強い選手とタイのそれなり以上の評価のある選手との試合と言うことでタイの上位の下くらい?(地域王者クラス)の選手と日本の選手のレベルの比較ができるという点で注目されました。(あたしだけか?)


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  (愚連隊の一言)シーサケートはバンコクから車で8時間くらい。遠いなあ…


以下、興行内容です。

[[ 2010年12月24日(金) ]] ナコンルアンプロモーション・シーサケーッ興行
場所:タイ東北部シーサケーッ県ラチャパット大学シーサケーッ校構内特設リング
タイのTV3チャンネルで午後2時20分から午後4時20分まで(日本時間午後4時20分から午後6時20分)

▼第1試合:WBCアジア(ABCO)スーパーフェザー級王者決定戦
同級1位:ナパポン・ソー・ルンウィサイ(Napapol Kiatisakchokchai)(タイ) VS 同級2位(日本ランキング11位):山元浩嗣(Hirotsugu Yamamoto)(ワタナベ)



<ナパポンのパンチが山元へ>


ナコンルアンの将来を嘱望されていたナパポンですが2008年西岡に敗れ、その後WBCアジアのタイトルを獲ったものの、某事情により返上。若干のブランクを置いて10月8日のWBCフライ級のアンダーカードで復帰していました。今回は再びABCOタイトルに挑んだわけですが、日本スーパーフェザー級10位の山元浩嗣を6RTKOで一蹴して再度WBCアジア王座を手にしました。近年負けた相手が西岡だけ、という強豪だから日本ランカーでも厳しかった、ということでしょうかねえ。しかし約半年のブランクも問題なくなったようで良かったです。でも年齢はすでに32歳、これから世界を再度狙うにはちょっと厳しいかな?


▼第2試合:WBCアジア(ABCO)フライ級タイトルマッチ
同級1位:スリヤン・ポー・チョクチャイ改めソー・ルンウィサイ(Suriyan Por Chokchai)(タイ) VS 同級2位:国重 隆(Takashi Kunishige)(ワタナベ)



<スリヤンVS国重 国重の顔に被弾の程が見えます>


日本ライトフライ級7位、元世界ランカーの国重が、先の世界戦でポンサックレックを苦戦させたスリヤン・ポー・チョクチャイ改めスリヤン・ソー・ルンウィサイと対しました。この試合、国重の試合振りが気になったんですが、幸い「クリーンなファイトしてましたよ。」(興行関係者)とのことで少し安心。井岡一翔戦のビデオを見て心配してたので。
試合は判定までいったもののほぼフルマーク(119-108が3人)でスリヤンが勝利。階級がひとつ上とはいえ、世界ランキング22位の実力は伊達ではないところを見せてくれました。

なお、この試合の後、プロモーターのスチャート氏は


  スリヤンのスーパーフライ級転級


を発表しています。ちなみに『ムアイ・サイアム』に出ていたターゲットは


  トーマス・ロハス(メキシコ)


って…


  2月5日にロハスに挑戦する名城は眼中にないんかい…(汗)



▼第3試合:ノンタイトル、6回戦、契約重量118ポンド
WBCアジア・スーパーフライ級王者:ヨーッチャンチャイ・ナコンルアンプロモーション(Yodchanchai Nakornloung Promotion)(タイ) VS 中川雄太(Yuta Nakagawa)(ワタナベ)



<ヨーッチャンチャイ・ナコンルアンプロモーション>


番狂わせを起こしそうになった中川はワタナベジムのB級の選手。第1ラウンドでWBCアジアスーパーフライ級王者のヨーッチャンチャイからダウンを奪ったそうです。しかし倒しきれずに最後は逆に5RKOで負けました。
もっともヨーッチャンチャイってあたし的にはあんまり強い印象がないんですけどね。(本人には悪いが)ナコンルアンがスカウトしてWBC王者にする、って聞いたときに人違い(選手違い?)かと思いましたもん。この試合で初回からマジで来る日本人選手と対戦したことでさらに強くなってくれることを望みます。(タイ、インドネシアの選手って1Rは様子見することが多いんで一気にこられて戸惑ったかも…)


▼第4試合:ムエタイ、5回戦、契約重量130ポンド
ヨーッチンチャイ・シティクン(タイ) VS 中村元気またはナカムラ・オー・ピリヤピンヨー(日本)


▼第5試合:ノンタイトル、6回戦、契約重量115ポンド
シーサケーッ・ソー・ルンウィサイ(Srisaket Sithsaithong)(タイ) VS おかみつ・たけし?(日本)



<シーサケーッ・ソー・ルンウィサイ>


やはり岡光?はタイでムエタイのジムに通っている日本人らしいですね。(関係社談)この辺、自分で行かないと細かい事情の確認が出来ないのが困ります。タイ人の貴社や関係者は気にしてないし、氏名表記からいいかげんなことがいいですからね…
その選手にシーサケートは荷が重過ぎますわ…うまく育てればホープになれる選手なのに…ただしナコンルアンに所属してから逆に強かったワンツーが影を潜めてフックボクシングが多くなっちゃったのは残念。なんでいい所を伸ばさないんだろう????

試合はシーサケートが1RKO勝ち。


▼第6試合:ノンタイトル、6回戦、契約重量117ポンド
シュガーレイ・ナコンルアンプロモーション(Sugar Rey Nakornluang Promotion)(タイ) VS ポンサック・ポー・ティティマー(Ponsak Por Thitima)(タイ)

ナコンルアンの(けっこう遠い?)将来のホープ候補のシュガーレイ。試合振りが気になります。若いうちからL字ガードを主にした守りがメインのボクシングを覚えているからちょっと心配。せっかく上背とリーチがあるんだからもっとそれを生かした戦い方をしてくれればいんですが…

試合はシュガーレイが5RTKO勝ち


▼第7試合:ノンタイトル、6回戦、契約重量110ポンド
ナワポン・ポー・チョクチャイ(Nawaphon Por Chokchai)(タイ) VS パランポン・チャイヨンジム(Palangpol Chaiyong Gym)(タイ)

この試合はノーコメント。
判定でナワポンが勝利。



先に出た関係者氏いわく「全体にいい試合の連続でしたよ。」とのこと。日本人の積極的な試合運びを考えればそういうファイトになっておかしくないですね。

しかし別の関係者いわく


 「日本の選手も大したことはなかったですね。」


うーん…


 「ナパポンはブランク明けだし、スリヤンだって強くは無いですもん」


とは同氏の弁。そういう風に見る人もいるかあ~~~、なるほど。



ちなみに今回の試合会場は


  非常に珍しく口調付の屋内のリング


ということで、日本から来た選手が嘆く「屋外の暑いリング」ではなかったそうなので、その点はタイ側のアドバンテージにはなっていません。その環境下で

  ・ABCO(WBCアジア王者)が日本下位ランカーにKO勝ち

  ・同上が日本ランカーかつ元世界ランカーに圧倒的判定勝ち

という結果が出たのは、上の関係者の論評を「厳しい」と見たとしても


  日本でよくうだうだ言われる「タイ人は弱い」という概念からは遠い結果でしょう。


12月29日の興行でもABCO兼WBOアジアパシフィック王者チョンラターンが日本ランカーをKOで破っています。まあチョンラターンになるとタイでも最上位になりますが、ナパポンとスリヤンは最上位までちょっと届かないくらいの感じの選手。それでこの結果ですので、自分としては


  タイの地域王者レベルの選手の実力も満更じゃないな♪


と「実証」できたのが収穫ですね。世界タイトルマッチ以外では中々こういう機会が無かったですからね。



しかし、この結果「だけ」取って、


 「日本人」は弱い


と言われたら、あるいは上記の関係者の言を「拡大」して


 「日本人」は大したこと無い


と言われたら日本のボクシングファンは嫌な顔するでしょう。

同様に、日本に行く二線級以下のタイ人選手たちが負けることで、


 「タイ人」は弱い


という言い方されるのはタイのボクシングを見ている者としては


  非常に不愉快


ということを分かって欲しいですわ、ホントに。
(そういう選手しかいかない現状は日本のファンからも声を上げることで変わる可能性がなきにしもあらずと思いますが…もちろんそちら側で、ですが。)


ではまた



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1 コメント

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Unknown (ボクボク)
2011-01-02 07:36:25
明けましておめでとうございます。

日本もタイも敵地に赴きノンタイトルを戦う選手は、いわゆる実力が下の噛ませ役ということではないでしょうか。久高のような例外もありますが、じっくり育てたいホープは国外に出さない。
いわゆる負け役を見ただけで弱いと断言するのはおかしい。敵地に赴く選手は強くない選手が主ですからね。
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