岡山城をあとにして、くだんの青き名馬にまたがり、次に向かうは日本三名園のひとつ後楽園。
両者は岡山城の水濠の役割を果たしている旭川に隔てられていますが、歩行者専用の月見橋によって行き来することができます。
私と名馬は、難なく川を越え、後楽園至近の駐輪場を探します・・・が、ない!
駐輪場じゃないところに自転車が何台か停まっているのは見えましたが、自分のではなく人様の自転車ですから、違法駐輪したのちに撤去されてしまっては一大事です。
駐輪場を探し回ること約10分、結局駐輪場は見つからずじまい。
画になる岡山城を見ながら、今来たばかりの橋を戻るはめに。
さて、みたび月見橋を渡り、そこから至近である南門から入園します。
入園料は、大人400円、小人160円です。
岡山城との共通券だと、大人は560円となって20%お得となります。
・・・が、私が訪れた時は岡山城で展示物入替えをやっていて、共通券は販売されていませんでした。
ともかく、入園料400円を支払って、後楽園に入ります。
岡山後楽園は、岡山藩主池田綱政が家臣津田永忠に命じて、貞享4年(1687年)に着工、元禄13年(1700年)に竣工しました。
その後も時の藩主の好みで手が加えられましたが、その姿に大きな変更はなく現在に至っています。
明治維新後は、明治17年(1884年)に岡山県に譲渡され、大名の私園であった後楽園は一般に供される公園となりました。
昭和9年(1934年)の水害、昭和20年(1945年)の戦災で被害を受けたものの復旧され、昭和27年(1952年)には文化財保護法に基づく特別名勝に指定されています。
入園して最初に目を惹くのは、廉池軒です。
戦災をまぬがれた数少ない建物の一つで、池に架かる石橋や対岸の小島なども、往時の姿を今に伝えています。
この建物からは沢の池越しに見える松林や曲水と池の段差など、起伏に富んだ景観を眺めることができます。
(園内の案内看板より)
廉池軒の脇にお土産物の出店がありました。
このきびだんご・・・どこかで見覚えのあるきびだんごです。
「やあやあ、鈴井貴之~!」とか言ってたような・・・?
・・・というわけで、この旅最初のお土産を購入しました。
後楽園は「芝の庭園」と呼ばれることがあるくらい、芝生が美しい庭園なのですが・・・
私お得意の「時季外し」で、芝生はまだ黄色いまま。
それでも泉水の配置がどことなく幾何学的な曲線で、これまた美しい。
まずは外周をぐるりと回っていきます。
日本庭園には異色の蘇鉄畑を見やり、
小径にそって流れる小川の先には、
築庭当時は各種の花木が混合した景色で、池辺には花交という名の建物があり、池や滝にはその名が残りました。
江戸時代の和歌には、花の色が滝の水によってさらに美しく見えるという風情が詠まれています。
(園内の案内看板より)
池の小島の向こう側に、花交の池に注ぐ花交の滝が見えます。
池畔にある建物は、茶祖堂です。
幕末に家老の下屋敷に造成された千利休をまつる利休堂が、明治になって移築されたものです。
戦後に再建され、飲茶を日本に伝えた栄西禅師も一緒にまつられたことから、「茶祖堂」と呼ばれるようになったそうです。
茶祖堂のとなりにある梅林の梅は、遅咲きの梅がちらほらと咲いていました。
後楽園の中央付近まで回ってきました。
岡山城天守が見事な姿を見せています!
生え変わる前の黄色い芝生もなかなか美しいです。
花交の池に続く小川は、雰囲気のある建物の真下を通っていきます。
この建物は流店と呼ばれます。
建物の中央を通る小川には、美しい色の石を配していて、かつては庭園を巡る藩主の休憩所として使われていました。
この日は、遠足か修学旅行かで訪れていた中学生が足休めをしていました。
・・・中学生に庭園の良さがわかるかな?
流店から、小川に沿って歩みを進めます。
小高い築山と石組み、植わっている草木はツツジでしょうか。
さらに小川に沿って進んでいくと、築山の頂上とそこに立つお堂が見えてきました。
園内で唯一のこの築山は唯心山と呼ばれます。
唯心山は池田綱政の子、継政の時に築かれ、平面的だった庭園が立体的な景観へと変化しました。
山腹には唯心堂があり、斜面には石組に合わせて、ツツジやサツキが植えられ、季節には紅白の花で彩られます。
(園内の案内看板より)
唯心山から、園内最大の池沢の池を望みます。
この画像では池が3つあるように見えますが、奥の池と左側の水場が沢の池です。
それにしても泉水が湾曲しているさまと、黄色い芝生のコントラストもなかなか佳景ですねぁ~。
別方向、沢の池の右側を見てみると、左手前に井田、その奥に茶畑。
新殿という建物の右には
唯心山から下りました。
さきほどの流店や花交の池へと続く泉水沿いを歩いていきます。
2本の水路があるように見えますが、右側が泉水、左側は沢の池の一部です。
水路側からの唯心山。
同じく沢の池です。
今度は沢の池に沿って歩いていきます。
沢の池には小島が3つ浮かんでいます。
橋が架かっていて、行き来できる中の島。
橋は架かっていないのですが、釣殿がある
この画像には写っていませんが、砂利島です。
沢の池から振り返ると、泉水越しの唯心山。
黄色い芝がとても映えて見えます。
なぜか排水口?に群がるコイ。
なにかエサとなるものでも流れてくるのでしょうか。
もうひとつ、唯心山。
まばらにあるツツジの植栽がいいコントラストを醸し出しています。
沢の池沿いに歩みを進めて、中の島に架かる橋へ。
この橋は渡ることができます。
中の島に立ち入ることもできます。
後楽園の周遊、ちょうど半ばに差しかかりました。
沢の池の池畔にある茶屋で一服。
庭園とくればやはりお抹茶(300円)ですねぇ(*^。^*)
お茶のお供は、やはり岡山らしくきびだんごです。
このきびだんごは・・・どうもあんこが入っているようです。
茶屋の淑女が、お口直しにほうじ茶を勧めてくれました。
このほうじ茶は、後楽園内にある茶畑でとれたお茶を使っているとのことです。
やかん一杯のほうじ茶をタダでもらったので、もうしばらく茶屋で腰を下ろします。
ほうじ茶をすすりながら、後楽園越しの岡山城天守を仰ぎます。
茶屋から望む沢の池。
園内中央にある池で、左から島茶屋のある中の島、釣殿のある御野島、白砂青松が美しい砂利島があります。
中の島と御野島の間には、かつての上道郡と御野郡の郡境があり、今でも石標がそのなごりを伝えています。
(園内案内より)
ほうじ茶を飲み干しました。
お茶碗とやかんを淑女にお返しして・・・
この茶屋でもきびだんごが売っています。さすがは岡山です。
ここのきびだんごは・・・お茶請けで供されたあんこ入りきびだんごですなぁ。
ただでほうじ茶をもらったことだし、ひとつくらい買っていくか。
こうしてこの旅第2のお土産を購入です。
きびだんごはこれで2つ目です(^_^;)
ああ、俺はこういう情には弱い・・・(T_T)
手荷物にきびだんごの入った袋ふたつをひっ提げ、後楽園の周遊は続きます。
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