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裏風撃バカキュン

とり♀、いしい♀、夏子♀、ぜん♂、おバカな4人がゆるゆる綴る胸キュン音楽blog。
風吹く裏街でテキトーに撃ってます。

「指切り」あれこれ

2005-02-27 | ぜん
大瀧詠一ファースト・アルバムに収められている「指切り」。同棲している男女の曲がり角、倦怠をゆったりとしたグルーヴで描いた作品である。(まさか老夫婦の倦怠期じゃないよね。)

シュガー・ベイブの「ソングス」が94年に再発されたとき、この「指切り」のカバー・バージョンがボーナス・トラックとして収録された。デモ・テープとのことだが、なかなかの出来だ。ギターのカッティングがよりファンキーで、原曲のノリともちょっと違う。間奏での「ヤヤヤーヤー!」が、おちゃらけた感じで、深刻さを吹き飛ばす。また、ラストの「ちょっと喋りつかれただけさー!」の部分があまりに堂々として説得力があるもんで、「あ、そうだったのか」と妙にうなずいてしまう。

そういえば、風待ミーティングで佐野史郎さんがアコギ弾き語りで「指切り」を歌ったっけ。数ある松本作品からこれを採りあげるなんて、マニアックだなあと思った。(実際すげえマニアだったわけだが。)確かその時は原曲に忠実な演奏でした。

ところで松本隆さんは女性側からの指切りも作っていらっしゃるのだ。太田裕美セカンド・アルバム「短編集」に収められた「ねえ…!!」という曲(※)である。なんとこちらも、約束なんてないけど私と指切りして、とお願いしているのだ。曲調が全く異なるので、つい最近まで気付かなかった。大瀧さんの「指切り」は客観的視点だが、こちらは主観的視点。指と指をつないでいないと離れてしまいそう、ずっとつかまえていて、と裕美さんが甘く訴えるわけでありまして、こりゃたまらん!元来、男という生き物は拘束されることを嫌うのだが、甘んじて受けようという気持ちになる。
いつか裕美さんからサインを頂くことが私の生きる目的のひとつであるのだが、もうひとつ、指切りさせていただくことも加えようかと思案中である。

※・・・オフィシャル・サイトで試聴可能

リアル・フィッシュ

2005-02-13 | ぜん
リアル・フィッシュ大好き。この「4~when the world was young~」は、近未来ポップ、近未来ジャズ、近未来ロックしている異色作。いとうせいこう、桑田佳祐をゲストに迎えた、ぶっ飛びラップナンバー「ジャンクビート東京」も含む。

でも、どちらかというと、この前のアルバム「テナン」のほうが好きなんだよなあ。全員が童心に帰っておもちゃの楽器でがちゃがちゃとセッションしているような、無上の楽しさがあった。残念ならがカセットテープにダビングしたものしか音源がなくて、しかもどこへしまったものやら、わからなくなって久しい。中古屋で探してはいるものの、全然見かけません。聴けないとわかると聴きたくなるのが人情というもの。全部まとめて再発を希望しまっす!

キンクス絶頂期のライヴ

2005-02-12 | ぜん
DVD作品が続きます。今日はキンクスのライヴ「ワン・フォー・ザ・ロード」です。1980年、アリスタで心機一転、ストレートなロックサウンドで新たなファンを獲得し、充実していた頃のライヴ。えーと、最近の音楽ネタはないの?とお嘆きの方、はっきり言っておきますけど、ありませんっ。私のネタは全部古いですっ。(開き直り)

最初は2枚組のLPでリリースされ、その時は「うわっ、派手にロックンロールしてる!」って思ったんだけど、ツェッペリンの直後にこれを観たら、ヴォーカルも演奏も弱々しく、なんとも頼りなく感じる。音のでかさ、シャープさ、ヘヴィさで比べたらとてもじゃないけどかなわない。だけど、レイ・デイヴィスの、あのヴォーカルでなければ表現できないこともある。例えばダメ男の歌「スーパーマン」とかね。必然的にドラムやギターも彼のヴォーカル・スタイルに合わせなければならないのだ。もしキンクスでジョン・ボーナムが全力でビシバシ叩いたら、音楽として成立しなくなってしまう。

さて、ステージではデイヴ・デイヴィスが「ユー・リアリー・ガット・ミー」の、あのフレーズをいきなり弾きだす。観客は大歓声、既に総立ち。ドラム、ベースも加わり、やがてギターがヴォーカル・ラインを奏でるが、ほんのサワリだけでおしまい。一瞬がっかりするものの、間髪入れず、それに勝るとも劣らない有名なリフの「オール・オブ・ザ・ナイト」が始まる。ロックンローーール!たまりませんなあ。
やがて中期の名曲「ローラ」や、当時大ヒットしていた「ロウ・バジェット」など新旧取り混ぜつつ、コンサートは熱気を帯びてゆく。
レイ・デイヴィスは歌もふにゃふにゃだけど、ステージ・パフォーマンスやMCも、どこかズッコケなんだよなあ。でもそれがピエロみたいなお笑いの陰に漂う悲しみというか、哀愁を感じさせる。ごく少数派だろうけど、屈折した感情表現のマニアにはたまらないものがあると思われる。
さて、コンサートはお約束の「ユー・リアリー・ガット・ミー」、これまた名曲「ヴィクトリア」の大合唱で幕を閉じる。エェもん見せてもらいました。

尚、このDVDには「カム・ダンシング」ほか全5曲のPVも入って2500円と、とってもお得。また、デイヴ・デイヴィスはルックス的にもいいので、痩身ギタリスト好き、やさ男好きの皆さんには、そういう側面からもお勧めです。

ハード・ロックの雄

2005-02-10 | ぜん
このレッド・ツェッペリンのDVDがリリースされてからだいぶ経つが、観るたびにコーフンする。中学~高校時代、ロックに夢中だった頃の初々しい感覚が蘇る。ロックっちゅーもんは、こうでなくちゃ。

まず、デビューから1年後の1970年、ロイヤル・アルバート・ホールでの演奏が凄い。ギター、ドラム、ベース、たったこれだけ、ロック・バンドの必要最小限の楽器編成から生み出される音とは思えない。対するロバート・プラントの天井知らずのヴォーカルも全く負けていない。既にロック・クラシック「胸いっぱいの愛を」をはじめとする黄金の作品群、生気を吹き込まれたブルース調作品など、リスナーの心拍数を上げ続ける。音だけだと中だるみする「幻惑されて」は、映像を伴うことで最後まで釘付け。倍速になる瞬間の快感は何度体験しても新鮮だ。

さらに73年、75年、79年のステージも収められている。実はロバート・プラントは4枚目のアルバム(「天国への階段」が入っているやつ)以降、高音が出なくなってしまったのだ。なので、ライヴではそれまでの楽曲を部分的にオクターブ下げたりしてお茶を濁している。ま、普通はこれでパワーも魅力も半減するはずなんだけど、実はここからがツェッペリンの本領発揮である。

5枚目「聖なる館」以降はハード・ロックの範疇を超えてしまっている。プラントの高音が出ないなんてことはたいしたことじゃねえ。異国情緒漂う「カシミール」(発表当時は度肝を抜かれた)、同じフレーズのしつこいまでの繰り返しが超ファンキーなグルーヴを生み出す「トランプルド・アンダーフット」、全てのロック演奏の頂点と言っても過言ではない「アキレス最後の戦い」、これらの素晴らしさを伝える手段は、もう何が何でも観てもらうしかない。ディスク2枚組、合計5時間以上、たっぷり堪能してくれ。えーと、興味あるけど買えないって人は、仕方ねえ、酒とつまみを持って俺ん家へ来い!ロックン・ロール・ナイト開催だぜ!あ、それからコンビニで氷も一袋買ってきてチョーダイ。

私は風

2005-02-05 | ぜん
たまにはコレでも聴いてみるかと引っ張り出した、カルメン・マキ&OZのファースト。「私は風」はやっぱり名曲だなあ。大音量でガンガン鳴らしちゃったよ。今聴くとアレンジがあまりに大げさなれど、サビの部分では震えがくる。歌詞の内容もいい。

今までの全てを捨て、新たな一歩を踏み出す。気ままな風になるとはいうものの、何の保証があるわけでもなく、不安も残る。でもとにかく「今」とはおさらばヨ。

これをあばずれ女の言葉で歌うわけですよ。いいじゃないですか。そういえば私も過去から現在まで全てリセットして明日から新しい人生を始められないかなあ、って時々思うもんね。決して今の生活やら環境に不満があるわけじゃないけれど。
自分のぬるま湯人生と「私は風」の内容は、これっぽっちも共通項がない。でも歌を聴いている間はその世界に同調できるってわけさ。これだから音楽聴くのはやめられねえぜ。さて、今日はひとつ俺も風になってくるぜ。といっても近所の商店街をぶらぶらするくらいなもんだけどさ。

こけてぃっしゅ

2005-01-27 | ぜん
太田裕美は、歌謡曲の大衆性と、いい意味でのアマチュア的みずみずしさと、ニューミュージック的洗練(当時のね)を兼ね備えた存在だった。こういうスタンスの人って、太田裕美以外にちょっと見当たらない。その3点のバランスがもっともよくとれていたのが77年のアルバム「こけてぃっしゅ」なのだ。もう、このアルバムさえあれば、「木綿のハンカチーフ」をはじめとするヒット曲の数々もいらないくらい。

「夏風通信」でピアノがタンタンタンタン♪と鳴った瞬間から、奇跡の連続であります。アルバム中の裕美さんは、子供っぽいようで大人のようで、清純なようで小悪魔みたいで、まさにコケティーッシュ!シングル「恋愛遊戯」と「九月の雨」が収録されているが、全体の雰囲気に合っているのは軽やかなボサノバ調「恋愛遊戯」のほう。当時の歌謡曲のシングルとしてはパワー不足だったかもしれないけど「恋愛遊戯」は非の打ち所のない傑作です。「恋愛遊戯」を再認識しよう!

とにかく全編これでもかってくらい太田裕美の魅力満載なのだ。しかし、よーく考えてみると、これらの作品群は作詞家松本隆さんの思い描く美少女、美女像を太田裕美という歌手が演じているとも言えるのである。それならそれでもいい。約40分間、幸せ気分でいられるのならば俺は喜んで騙されよう。

最後に一言。裕美さん、今度サインくださ~い!

U2

2005-01-22 | ぜん
83年にリリースされたサード・アルバム「WAR」を聴いて思うのは、この頃のU2は良かったなあ、ってこと。硬質でヘヴィなベース、切り裂くようなギター、そしてなんといってもボノのヴォーカル。とにかく全てにおいて「ロックはかくあるべし!」と主張していたし、「かっこいいロック」のお手本だった。

このあとU2は「ヨシュア・トゥリー」で洗練の極みへ到達し、更に進化を続ける。でも、これって正しい進化なの?と思う時がある。なんといいますか、異型の進化じゃないのかなあ。最近のU2を聴くと、科学が進歩しすぎた遠い未来、頭脳だけが発達して肢体が逆に退化した人類のような印象を受ける(例えばの話ですけど)。まあ、こっちが最新のロックについていけなくなったからそう思うだけなのかもね。

アヴァロン

2005-01-20 | ぜん
ロキシー・ミュージックの「アヴァロン」は、ひょっとしたらロック史上五指に入る名盤なのではないだろうか。うん、そうに違いない。これを「くだらん」と言うやつにはお目にかかったことがない。(「知らない」ってやつはたくさんいるけどさ。)

オープニングの「モア・ザン・ディス」からラスト「タラ」まで一部の隙もなし。完璧すぎること以外、欠点が見つからない。実はワタクシ、長いことブライアン・フェリーのふにゃふにゃヴォーカルがキライだったのです。でも「アヴァロン」には素直にひれ伏してしまった。好き嫌いで片付けてはいけないレベルの作品です。ジャケットもかっこい~!

ところで、このアルバム発表後の来日公演を観に行きました(自慢)。なぜかシングル・ヒットした「モア・ザン・ディス」は演らなかったのだが、もう素晴らしいパフォーマンスの連続。あ、ブライアン・フェリーは歌同様、ダンスもふにゃふにゃでした。一応ロック界のダンディで通っているものの、かっこいいのか悪いのか、微妙なところ。ジョン・レノンのカバー、「ジェラス・ガイ」での口笛は今も耳に残っています。

ちなみにロック史上五指、残りの4枚は、「ソフトマシーン・ファースト」「シング・フィッシュ/フランク・ザッパ」「フライング・ティーポット/ゴング」「ビューティ&ザ・ビースト/ゴーゴーズ」でーす!って、嘘ですけど。こういうこと書くと、「アヴァロン」についても信憑性を失っちゃうか。

ロス・ロボスを聴くべし!

2004-12-30 | ぜん
今いちばんライヴを観てみたいロック・バンドがロス・ロボスなのだ。そう思っていたところ、なんと先ごろ来日して熱い演奏を繰り広げちゃったみたいなのだ。くやしーっ!行きたかったなあ。先日、ラッキーなことに来日ライヴの映像をちょっとだけ観ることができた。やっぱ、すげえや。貫禄だ。

メンバーは全員見事なまでのオジサンです。痩身でカッコイイ人はいません。みんなデブ中年です。構えたギターが小さく見えます。乗ってくるとメンバー全員、前に出てきて「俺が」「俺が」とギターを弾きまくります。ずら~っと並ぶとオジサン熱気がムンムンで、限りなくむさくるしいです。でも、彼らが生み出す、うねるようなサウンドは観客の腰をひとときたりとも椅子に落ち着かせてくれない。(というか、もともとスタンディング・ライヴなんですけど。)

この「ディス・タイム」は、チャド&ミッチェルをプロデュースに迎えた何作目かで、完結編。ホットなロボスとクールなチャド&ミッチェルの信じられない融合の成果。普通考えると水と油だから融合するはずないんだけど、これがなぜかいいのだよなあ。現在はチャド&ミッチェルの手を離れ、新たな海原に漕ぎ出している。

ミュージシャンにもいろいろあって、有能なプロデューサーに出会って開眼することもあれば、それほど影響を受けない場合もある。ロス・ロボスの場合は、プロデューサーが誰であろうと本質はぜ~んぜん変わらない。お出かけの時の服をちょこっと変えるくらいのもの。

この人たちの演奏って、頭で考えたような小難しいことはこれっぽっちもなし。たぶん歌詞も「ガンガン飲もうぜ!」とか「朝まで踊るぜ!」とか「俺の彼女はナイス・バディ!」とか、「金のないやつぁ俺んとこへ来い!」とか、そんなのばかりじゃないのだろうか。間違っても「あの・・・よろしければ、ぼくとお付き合い・・・いえ、なんでもありません・・・」とか「生きるって耐えることなの?」とか「バラの花びらで貴方の気持ちを占いました」とか「明日までに100万円用意しないと俺の命がない。どうしよっかな~」とか、そういうのは一切ないのではないだろうか。実際のところはどうかわかんないけど、そのように思わせるパワーがある。

というわけで、あなたもわたしもロス・ロボスでロケンローッ!なのである。四の五の言わせないのである。「ラ・バンバ」の思いがけない大ヒットのおかげで、単なるラテンバンドでしょ?と思われているふしがある。そう思っているアナタ、どれでもいいからとりあえず一枚買って聴いてみてチョーダイ!

ギター・アイドル、ジェフ・ベック

2004-12-19 | ぜん
うーん、先日の「あいうえお」の謎究明に全力を使い果たしてしまい、息切れ状態の私です。景気付けにジェフ・ベックでも聴いてみっか。

今のところ最新作の「JEFF」。ジャケットをぱたんぱたんと広げると木製ミニチュア1弦ギターが全容を現す。ぼちぼち還暦も近いというのに衰えることを知らず、攻撃的ギタープレイをかましてます。

とはいうものの、ここ3作ほどのアルバム(「フー・エルス!」「ユー・ハッド・イット・カミング」「ジェフ」)を聴いていると、彼の潜在能力のすべてが引き出されていないような気がする。ライヴを見れば凄いんだろうが、どうしてもスタジオ盤を自宅で聴いている分にはテンションが足りない。

リアル・タイムで「ブロウ・バイ・ブロウ」「ワイアード」といったアルバムにびっくりたまげたことを考えると、ここらで何らかの突破口が欲しいところです。タイプの異なる凄腕ギタリストとのバトル、ぶっ飛びリズムセクションとの共演、悶絶シンガーとのかけあい、といったようなワクワクドキドキするような新しい企画ありませんかねえ。

そういえば先日、ネットでちらっと「ジェフ・ベック・グループ再結成か?」との噂を見かけたような気がする。ロッド・スチュワートもここんとこパッとしないから、若い頃を思い出してドバーッとやって欲しいなあ。あ、でも期待が大きすぎるとがっかりするかもしれないから、程々に期待してます。

30年来の謎

2004-12-11 | ぜん
松本隆さんの二千曲を超える作品中、最大の謎の作品、それは「愛飢を」である。はっぴいえんどのセカンドアルバム「風街ろまん」のラストに収められた30秒ほどの曲。単に50音の羅列じゃん、と思うかもしれない。インタビューでもご本人は言葉遊びであるとのコメントでお茶を濁している。が、天才詩人がそんな意味のないことをするわけがなく、本当は深い意味があるに違いないのだ。

だって、アルファベットの並びにさえ、ちゃんと意味があるのだそうだよ。山下洋輔さんのエッセイによると、ABCDEFGHIJKLMNOまでの部分は「エビは死んでもフリューゲルホーン(FGH)の私はオランダの空(KLMオランダ航空)に否定的だった」というような意味だそうな(ホントかよ?)。

「風街ろまん」を初めて聴いて以来、ずっとこの謎解きに取り組んでいるのだが、いまだ解決に至らない。まず「あいうえお」は、タイトルどおり「愛に飢えてる」ってことでクリア。次の「かきくけこ」は、「柿を喰う恵子さん」という解釈で間違いなかろう。
問題は「サ行」以降だ。「さしすせそそそそたちつててとと」というように、「そ」を4回、「て」を2回、「と」を2回繰り返している。字足らずを埋めるためだけだろうか?それならなぜこの文字が選ばれたのか?「さしすすせせそそたちつつててと」ではダメだったのか?ああ~、いつもここの部分で堂々巡りしてしまうっ!

とまあ、枝葉にこだわりすぎると大樹を見逃してしまうから、ほどほどにしておこう。結論を言うと、この曲の意味は阿吽(あうん)である。始めから終わりまでの全てを内包しているということ。真理はここにあり、ということ。

ファースト「ゆでめん」で全ての実験をやりつくし、持てる力のありったけをつぎ込んだのが「風街ろまん」であった。原点にして到達点。松本さんが、ホセ・メンドーサ戦のあとの燃え尽きたジョーの心境で最後に書いたのがこの「愛飢を」である。30年以上経過した今も、「風街ろまん」の第二次、第三次フォロワーたちは絶えることがない。

シンガー松田優作

2004-12-08 | ぜん
役者が歌も歌うことはそう珍しいことではない。20年位前からボーダーレス時代に突入しているのである。

テレビの番組改正期になると、各局とも新番組の出演者総動員でクイズやら何やらのスペシャル番組を組む。もう、ずーっと昔、「探偵物語」か何かの番組を代表して松田優作がソレに出演しており、ギターを抱えて一曲披露した。ほとんどワンコードで、ガーッと歌っておしまいだったが、いかにも松田優作らしいパフォーマンスで拍手喝さいを浴びた。

このレコードは82年にリリースされた、シンガー松田優作のアルバム「インテリア」。梅林茂がプロデュースしたロック的「動」の作品と、大野克夫プロデュースのバラード的「静」の作品が片面ずつ収められている。オープニングを飾る「ルポルタージュ」は歌、アレンジともに今聴いてもカッコイイ。全編、野獣的な男のニオイがプンプン漂う。が、はたして松田優作以外の人間がこれらの楽曲を歌って、これだけの存在感を示すことができるかどうか?俳優業と同様に稀有な個性であった。

さわやか中年目指している俺だけど、ワイルドでカッコイイ中年に路線変更しようかと思わせる一枚なのだ。

歌のおねえさんが好きでした

2004-11-30 | ぜん
挑発にほいほい乗ってしまうのもしゃくだが、このネタで沈黙を守るなんてできねえ。「おかあさんといっしょ」にはチョイトうるさいぜ。
初代うたのおねえさん、真理ヨシコさんの歌声をBGMに産湯をつかった俺よ。で、物心ついて最初のアイドルが小鳩くるみおねえさんってわけさ。(正確に言うと、くるみおねえさん誕生は少々後のことで、それ以前は童謡歌手だった。)
保育園時代、着ぐるみの人形劇はくだらねえって思っていたけど、歌のコーナーになるとじっと静かに聴き入っていた。三つ子の魂百までって、このことだぜ。

その後、姉の長男が生まれた時には、みゆきおねえさん。ウチの息子の時は、あゆみおねえさん。歌唱力ではみゆきおねえさん、可愛さではあゆみおねえさんがダントツだったなあ。それぞれのおねえさんに思い出があるぜ。

おっと、「おかあさんといっしょ」ではひとつ自慢がある。それは、息子が三歳のときに番組に出場しているのだ。しかも、2回も。一度目は渋谷のNHKで。二度目はトーホグに出張録画のときに。噂では一度出た子供はもう出演できないらしいのだが、地方での場合は例外なのだろう。あ、いや、「それは反則だ!」とか言われても今更どうしようもないぜ。

ところで、セクシーなおねえさんが一人もいないのはなぜ?なんでなの~?子供のお母さんから反感買うから?子供以上にお父さんが夢中になっちゃうから?

鈴木茂&ハックルバック

2004-11-20 | ぜん
ハックルバックは、メイド・イン・アメリカの「バンド・ワゴン」を日本でライヴ演奏するために結成された鈴木茂のバックバンドである、との認識があった。このアルバムは「バンド・ワゴン」の翌年、76年にカセット・テープのみでリリースされた「幻のハックルバック」をCD化したもの。「100ワットの恋人」と「砂の女」を再演し、日本人でも、ほれ、このとおりちゃーんとファンキーに演奏できるんだぜ、ということを証明している。あとはジャム・セッション風のインスト・ナンバーが3曲、合計5曲入り。正直言ってこのインスト・ナンバーは時間の埋め合わせ程度にしか思っていなかった。佐藤博作曲の「レイン・イン・ザ・シティー」はともかく、オープニングの「グレート・アメリカン・ファンキー・ガール」と、16分を超える「ジャングル・ジャム」は、リズム・パターンとコードだけ決めたジャム・セッションに過ぎないわけだし。

しかし、今改めてこのCDを聴いてみると、このジャム・セッションがなかなかいい。こういった演奏にこそ鈴木茂のギタリストとしての可能性が内在していたように思う。

セカンド・ソロ「LAGOON」以降、それぞれ手触り・趣向の異なる作品をリリースし続けてはきたものの、ヴォーカル主体のアルバム作りで傑作「バンド・ワゴン」を超えるのは難しい。アレンジやプロデュース等、何でもこなすマルチ音楽家としての活躍は確かに素晴らしいが、個人的にはギターを構えたときの鈴木茂さんに一番輝いていて欲しいと思うのだ。

煙が目にしみる

2004-11-17 | ぜん
もうだいぶ前の話。友人と一緒に飲む約束をしており、カウンターだけの小さなバーで待ち合わせ。約束の時間を過ぎてもなかなか現れないので店の電話を借りて連絡したところ、今家を出るところだという。まだ携帯電話のなかった頃ね。

電話のすぐ隣の席で、女性が煙草をくゆらせていた。じっと見ていたわけではなく、ぼんやり視界に入っていただけなんだけど、受話器を置いたとき、彼女と目が合ってしまった。何か言わなくてはいけないような気がして、「珍しい煙草ですね」と言った。彼女は「一本どうぞ」と差し出した。私は煙草は吸わないんだけど、行きがかり上、人差し指と中指で「あ、どうも」と受け取った。名前はわからないが、とてもスリムで長い煙草である。彼女は、やはりスリムでおしゃれなライターで火を灯してくれた。そのあと、何か言葉を交わしたはずだが、覚えていない。5分後、彼女はチェックを済ませ、数本分の紫煙を残して店を後にした。

さて、実は私は煙草を吸わないのではなく、吸えないのだ。吸うと具合が悪くなってしまう。特にアルコールと一緒の時は最悪。吐き気がしてどうしようもなくなる。成り行きで吸っちゃったけど、そのあと友人と飲んだら案の定、気分が悪くなってしまった。女性の前でいい格好しようとするとろくなことがない。

オールディーズのコンピレーションに収録されている、プラターズの「煙が目にしみる」が今日のBGMです。えーと、ここは過去の失敗談、今だから言える恥ずかしい体験暴露コーナーってことでいいんですよね?