「やっぱりこれはカイに見せなきゃだな。明日来てもらおうか? そうだ、ダイキ君、この写真、カイ君に送っておいて 」
俺は恐れおののいた。
「カイさんのスマホ、霊障で壊れませんか? オミさんのも俺のも心配ですよ」
「壊れるとしたら俺のだから大丈夫だよ。俺についてる霊なんだから 」
その時、チャイムが鳴った。タクシーが来たのだ。
「ダイキ君、その写真、絶対に削除しないでね」
そう言いおいて、オミさんは急いで出かけていった…
自分のスマホとはいえどう扱ったものかと悩んだけれど、電源を切ったら2度と起動しなくなるんじゃないかと思い、切らなかった。
怪奇現象や霊障のひとつとして、電子機器の不具合や故障があるからだ。
それが心配で、スマホは会社のネットワークからは外した。
ああは言われたけれど、俺としては心配だし、何よりひとりでこの家にいるのが怖くなって、いきさつをメールに入力して、写真をつけてカイさんに送信した。
今日は休みなので、機材を片付けてしまえば自由時間だ。
というわけで、俺はオミさんやカイさんにバレてはまずいと思われる勉強をすることにした。
わが〈礼霊ず〉や他の売れっ子心霊YouTuberの動画を見て、長所短所を研究して、ノートに書き出すということだ。
他のチャンネルを見ているのを知られたら、特にカイさんのご機嫌を損ねそうだと思ったからだ。
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