あや乃古典教室「茜さす紫の杜」

三鷹市&武蔵野市で、大学受験専用の古文・漢文塾を開講しました。古文教師の視点から、季節のいろいろを綴ります。

道真公のこと⑪

2013-03-19 19:31:19 | 道真公
今日は、ちょっと単語の整理をしようと思います。

①都府楼(とふろう)とは
道真公幽閉の土地、
榎社(えのきしゃ)に程近い所にある、現在の太宰府政庁跡地です。

太宰府というのは、
その昔「遠(とお)の朝廷(みかど)」とも呼ばれ、
京の都に入る前に、
外国の諸使節と接触する重要な外交拠点だったわけですが、
その古代政府庁舎が、都府楼です。

現在は、礎石だけが残る、だだっ広い原っぱです。

②観世音寺とは
都府楼の敷地の端に、
日本三戒壇院の一つ、観世音寺があります。

三戒壇院とは、奈良時代に出家者が正式な僧尼となるために、
必要な戒律を授けるために設置された施設で、
太宰府の他に、東大寺と下野薬師寺にあり、
その3つを併せて、天下の三戒壇院と呼びます。

太宰府の戒壇院は、西戒壇(さいかいだん)とも称され、
来日に成功した鑑真和尚が、太宰府を訪れ、
この戒壇院で、日本初の受戒を行ったとされています。

現在は、臨済宗系のお寺さんとなっており、
開山は鑑真和尚となっています。

③榎社
太宰府天満宮1100年大祭の時までは、
本当に!荒れ果て、朽ち果て、うち捨てられたようなお宮さんでした。
あの放置のされ方を見ていると、
配流先での道真公の境遇に、思わず涙せずにはいられなかったほどです。

1100年大祭に当たり、
太宰府天満宮が大金をつぎ込んで、修復&整備したようで、
現在では、往時の荒れ果てた様子は、想像できません。

あれで?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
周辺の氏子域の人から
「(太宰府)天満宮は、いくら使ったんだろうなぁ~」
という嘆息が漏れたぐらいですから。。。

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