それが証拠にとは言いませんが、
「平安貴族の間で、広く膾炙した和歌や漢詩を集めた」はずの、
和漢朗詠集には、「三月三日付桃」という項目があります。
が、その中身は、
「純粋に、桃の花の美しさを謳ったものではなく」
全て、仙郷絡みの歌です。
代表的な歌を、記してみましょう。
-三千年(みちとせ)になるといふ桃の ことしより 花さく春に あひそめにけり
(現代語訳)
三千年に一度、実をつけるという実が、
今年の春から、初めて花を咲かせるようになりましたよ
(注)
「三千年になるといふ桃」とは、
三千年に一度、果実が成るという西王母の花園の桃のことです。
「漢武内伝」には、
漢の武帝が、西王母より桃をもらって食べると、
あまりに美味しかったので、これを植えようとすると、
西王母が「此の桃、三千年に一たび、実を生ず」
と言ったという話が、載っています。
この故事を引いている和歌なわけです。
「平安貴族の間で、広く膾炙した和歌や漢詩を集めた」はずの、
和漢朗詠集には、「三月三日付桃」という項目があります。
が、その中身は、
「純粋に、桃の花の美しさを謳ったものではなく」
全て、仙郷絡みの歌です。
代表的な歌を、記してみましょう。
-三千年(みちとせ)になるといふ桃の ことしより 花さく春に あひそめにけり
(現代語訳)
三千年に一度、実をつけるという実が、
今年の春から、初めて花を咲かせるようになりましたよ
(注)
「三千年になるといふ桃」とは、
三千年に一度、果実が成るという西王母の花園の桃のことです。
「漢武内伝」には、
漢の武帝が、西王母より桃をもらって食べると、
あまりに美味しかったので、これを植えようとすると、
西王母が「此の桃、三千年に一たび、実を生ず」
と言ったという話が、載っています。
この故事を引いている和歌なわけです。