あや乃古典教室「茜さす紫の杜」

三鷹市&武蔵野市で、大学受験専用の古文・漢文塾を開講しました。古文教師の視点から、季節のいろいろを綴ります。

桃の節句⑤

2013-03-06 23:50:10 | 
この漢の武帝と西王母の桃の話を、
叙情豊かな作品に仕立てたのが、謡曲「西王母」。
御覧になる機会があったら、どうぞ思い出して下さいね。

-これは不思議の御事かな。そも三千年に花咲くとは。
さては、いかさま聞き及べる。その西王母の園の桃か。

中々に、それとも今は物言わじ。

さればこそ、それぞ殊更、名に負う花の。
桃季物言わず。春いくばくの年月を。送り迎えて、この春は。

三千年になるという桃の、今年より。
なるという桃の今年より、花咲く春にあう事も ただこの君の四方の恵み-

ここで、「桃季物言わず」とありますが、これも仙郷絡みの和歌で、
和漢朗詠集では、仙家の項に収録されています。

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