-月夜には それとも見えず 梅の花 香をたづねてぞ 知るべかりける-
高校の古文で
-古文で花の『香』と言えば、『梅』。
花の『色』と言えば、『桜」- と教えられました。
その時以来「なぜ、『香』と言えば『梅』」なのか?」
私の中で長い間、疑問でした。
東京に、青梅という土地があります。
青梅近辺は、元々、梅の産地で、
それで「青梅」と言うのだそうです。
青梅駅から2駅行ったところに「吉野梅郷」と称される、
梅林の広がるそれは美しい土地があります。
1970年代ぐらいでしょうか?
吉野梅郷でも宅地開発が進んだらしく、
梅林が切り開かれ、風情が失われていくのを惜しんだ土地の地主さんが、
ポンと一山、市に寄付し「梅を植えてほしい」とお願いしたそうです。
その山を「梅の公園」として市が整備し、
今は、そこが吉野梅郷の中心となっています。
梅には、大きく分けて、「白梅」と「紅梅」と2種類あります。
「白梅」は、実を取るための、いわば実用的な梅。
「紅梅」は実がならず、観賞用の梅。
青梅は「梅の実が、まだ青い」というところから来ている地名なので、
元来、植えてあったのは、白梅。
今は、品種改良も進み、中間色(ピンク系統)の梅も多く、
梅の季節に吉野梅郷を遠望すると、
空がパステルカラー(梅の色)に染まって見えます。
とても美しい情景です。