9月18日

2010-09-18 21:28:14 | ひとりごと

朝晩は涼しくなりましたね。
今日からランニングは少し時間を伸ばしました。
たった5分だけですが・・・。
いつもより少し長く走って51分52秒。
近いうちに60分走るようにもって行きたいと
思っています。

午後は2週間ぶりにジムへ。
普段通り出来た感じ。

春いくたび 読書2010-35

2010-09-18 17:14:41 | 読書
『春いくたび』(山本 周五郎著/角川文庫)

『山本周五郎全集』に未収録の作品を集めた
少年少女向けの短編小説集。

少年少女向けとは言えさすが山本周五郎です。
やっぱり良いものは良い!!
気に入った作品の中で2つにコメント。

花宵
母親が兄に比べて弟にばかり厳しく当たり、
それに不満を持つ弟と本当の母親の心情を描いた作品。

兄弟は実は異母兄弟で今は亡くなった父がその昔お客さんと
「本当の兄弟のようだ」と言うのを聞いていて、弟が自分は
本当の子供ではないから厳しくされんるんだと思い込んでいた。

本当は兄が今は亡くなってしなって前妻の子供で今の母が
弟の本当の母であった。
母は長男は家督を継いで母と一緒にいるが、次男である弟は
養子に行くか分家して母の元を離れてしまう。そうなってしまうと
もう母は面倒を見てやる事ができない。その時に自分ひとりの力で
耐えてゆかなければならないから厳しくしているのだと。
弟はそれを聞いて心新たにし、その話を蔭で聞いていた兄も母の心を汲み
兄弟共に母の心を忘れずにお国のために励もうと誓うのであった。


おもかげ
母を失った子のために叔母が自分の一生を投げ捨ててまでも
その子のために尽くす想いは感動します。

厳しく育てられ反感を抱いていたが父親に
「厳しくなすった叔母さまのほうがどんなに辛かったことか」
と諭され自分が間違っていたと理解し叔母さまに感謝する。

ここまでのお話だとよくありがちなパターンだと思いますが
この後に続くお話に感動するのです。

亡くなる前に母親が叔母さまに「亡くなった母親のことなどは
早く忘れて、元気に成長して呉れますように・・・。
亡くなった者には思い出してあげることが供養になるというが、
それではこの子が強い子になれないと思って一日も早く忘れて
くれるように・・・」と仰ったのに叔母さまは
「母親の心はよくわかった。けれどお母さまを忘れさせたくなかった。
だから何かにつけて厳しく接すれば、やさしかったお母さまを
思い出すだろうと思ったのです」と。

この叔母さまの考え方、行動力は美しいです。


その他、兄妹愛、武士道等良い作品ばかりです。
改めて山本周五郎に惚れてしまった。