電気の苦手なアコースティック・ギタリストに贈る…

アコースティック・ギターの音色は好きだけど,電気の分からないギタリストの一助となれば幸いです.

バランス?!

2011-04-30 11:29:21 | 電子工作
確かにシールドを交換すると良かれ悪しかれ音色は変化します.

シールドの長さは比較的わかりやすい要因かもしれません.

その他には導線の含有成分だったり,プラグの種類だったり,

ノイズの乗りにくさだったり.

今回はシールドの内部,

その接続方法についてちょっと言及したいかと….

(あくまで私感です.参考にするも良し,笑い飛ばすも良し.ご指導頂けると嬉しいかも)


楽器関係でシールドを研究していくと

必ず直面してしまう問題に

バランス(平衡)

セミバランス(亜平衡)

アンバランス(非平衡)

…ってな単語.


@ まずはシールド線とはなんぞや?

音楽の場合,ピックアップ(含マイク)からの微弱な信号を次の機材へ送り出す道路です.

この道路は広くて,舗装されて,掃除されて,綺麗な物ほど通りやすいです.

「バランス」関係に話を限定しますと,

道路では雨が降ってきたり,ゴミが投げ捨てられていたり落下物があったり,

外乱は数限りなくあります.

シールドでも同様です.

私たちの生活する環境ではシールド線はアンテナの役目を果たし,

コンピュータやファンヒータ,精密電子機器からの電磁波に影響を受けます.

(飛行機の離着陸時のトラブルでも話題になりますネッ!)

ピックアップからの信号が微弱なため,それらの外乱の影響を強く受けてしまいます.

よってそれらの外乱から信号を守るための鎧が「シールド」です.


@ バランス入出力


マイクのお尻に付いている接続端子はXLR♂がほとんどです.



3極ありますが,1番の極は2・3番の極と較べて少々長く,

2・3番の極よりも先に接触します.

この1番の極が接地極です.

信号の極が繋がるより前に接地してしまおうという設計!

続いて2・3番の極ですが,

完全にバランス接続されている機器では

2番の極がHOTとして取り扱われ,ピックアップが発生した信号と同相の信号が表れます.

3番の極はCOLDと称され,2番の極と逆相の信号が表れます.

これら3つの信号を受け取った完全にバランス接続されている機器の内部では

"2番"-"3番"の演算によってノイズを除去することが可能です.

よってこの演算を行っている,完全にバランス接続によって処理された機器同士でないと

現在の電気理論上はバランス・セミバランス・アンバランス,それぞれの接続は

あんまり意味のないことがわかって頂けると思います.


参考までに…

私は平衡度よりも導線の太さ(道路の広さ)を優先して,

すべてのシールド線をアンバランスで自作しています.

せっかくメーカーが用意してくれた3線の導線ですから.

(*^^*ゞ

電源の重要性

2010-08-08 23:44:17 | 電子工作
むかぁし,昔のお話です.

intelというアメリカの大きな会社からCeleron300というCPUが発売されました.

カスタマイズを中心としたPC雑誌に大きく取り扱われ,全国でも品切れの続く商品でした.

セカンドキャッシュを内蔵したPentiumが上位機種でしたが,

セカンドキャッシュを持たないこのCeleronの売価が

Pentiumの半額近くと言うことも手伝ったのですが.

何が凄いかって…!!

マザーボードによって決められる基本周波数の逓倍率を変更することで,

Celeron300がCeleron450として動作するのです.

…当時は一喜一憂したモノでした.(汗)


さて,本日の本題ですが…,

とあるオークションを見ていると「120/9VACのアダプタでも大丈夫だよぉ~!」なる記述.

芸術をこよなく愛する電気屋さんとしては我慢できずに書き始めちゃいました.

その出品者はDATなど「モータがあると大変だけど…」と業者から伺ったそうです.

確かにモータがあるとわかりやすいでしょうが,

モータによる不都合は入力電圧不足の制御系が悲鳴を上げているから起こるのです.

そりゃ120V欲しいのに100Vで辛抱しろと言われているのですから,悲鳴も上げるでしょう.

83%の入力で100%入力と同じ仕事をしろと言われるのですから,ストライキですネッ!

大量生産された製品ですから安全率は取ってあるでしょうが,

前述のCPUのお話も,その安全率を削って動作させているわけです.


私の現場でも120/9VのACアダプタでLEXICON LXP-5を動作させることがあります.

…モータは入ってません.(笑)

そこから出てきた音は小音量では「動いてるぅ」と思われますが,

音量を上げていくほど破綻している現状を明らかにしていきます.

ヘッドルーム(大入力に対する余裕とでも言いましょうか)の余裕が無くなったり,

特にリバーブ成分の消え方が本来期待されるモノと違っていたり.

せっかく高額なLEXICONのリバーブを選んだのでしたら,私としてはこだわって欲しい.

LEXICONの技術者も思うに違いありません.

120Vと100Vなら,新品のアルカリ電池とくたびれたマンガン電池くらい変わるんじゃないかな?!

その違いが分からない耳の持ち主ならある意味,幸せかもしれません.

また,「そこが良い」とおっしゃるなら話は別です.



無くても生活していける“嗜好品”ですからねぇ!