FIATパンダ 0.9ツインエアー デュアロジック(AT) 現行型
クラッチの切れ不良にて入庫中の現行型パンダです。
お決まりのデュアロジックATの不具合かと思えば少々違いました。
どうも、クラッチ本体内部に異常があるようです。
ミッションASSYを下ろす
綺麗な状態ですが
よ~く見ると・・
削れたシャフト
いわゆる段付き磨耗が激しくレリーズB/gの作動に支障を来たしてます。
その原因は・・
DMFの図 明らかにセンターがズレてる
センターがズレた原因はDMFのダンパースプリングのヘタリです。
歪んだ為にシャフトが削れる羽目になりました。
症状は、クラッチの切れ不良は元より、最悪は走行不能に陥るようです。
前後しますが、DMFとはDual-Mass Flywheelの略であります。
余り聞きなれませんが、フライホイールを二分割して間にダンパースプリングを介入させて震動の吸収等の
役目を果たす装置です。
国産車にも採用されており、最近の新機軸と思われます。
The LuK Dual-Mass Flywheel (DMF) - Simply Explained!
勉強して下さい
効果はあるのでしょうが、機構の複雑化と重量アップやソリッド感が無くなる等のデメリットもあるようです。
少なくともコストアップは避けられません。
入庫のパンダは走行7~8万kmとそれなりに走りこんだ個体です。
このトラブルは、DMFが採用されているツインエアーに限り起こります。(FIAT500も同様)
そして問題は、修理費用が極めてお財布に優しくありません。
高価なDMFは10万円くらいもする上に、クラッチセットやハウジングも要交換です。
ミッションASSY脱着に、ミッションも分解してハウジングを交換しなければなりません。
工賃を含めると40万円くらいになるようです 。
かのような二次災害の起こる新機軸は歓迎出来ませんしモデルの評判を落とすことは吝かではありません。
我々ショップも仕入れたパンダがかのように壊れていたら目も当てられません。
メーカーにはせめて対策(パーツ供給とか)をして欲しいものです。
アイドリング(N)でガラガラ言っても別に構わないけど。
と鬼の首を取ったようにドヤ顔して
交換してしまう藪整備士が居るらしい。
https://yokkaichi.fiat-abarth-dealer.jp/fiat/blog/dnf2hu8pt/
デュアルマスフライホイールの
耐久走行距離はいくつなんだろう?
一緒に組まれているクラッチ板が
ロングライフで長いものだと25万キロとかで、
フライホイールだけ5万キロ6万キロ7万キロなんて、
設計段階では有り得ない組み合わせ。
つまりデュアルマスフライホイールの耐久性も
25万キロ程度では??