お母さんピアノを弾いてください

優しい母が認知症、強制入院。介護で体を壊し退職。弟とのメールのやりとり、詩や短歌で介護の現実を紹介していきます。

敬老会の日、、、

2009-09-20 21:06:54 | Weblog
私のじゃないですよ、、、まだ、まだ、、、でも近い将来絶対なるでしょうが、、、いや、避けられぬ。

 死の瞬間が今でも怖いけど、、、。


 母のいる、特別養護老人ホームで敬老会があった。

 弟と参加した。

 母は前の方にいたので、ほとんど話せなかった。

 母は何かお祝いしてもらってるのは理解してるのでしょう。

 
 この頃、子供時代のみならず30代、40代のころが遠い昔に思えてしまう。

 三日月と競争した夜が、もう戻ってこない。


・・・・・・・・・・・・・・

 お隣に座っていた、お爺さん

「大勢いますね。」
「奥様が入っておられるのですか?」

 というような会話になって
最初は良かったのだが、、、会が始まり若い職員さんが司会を始めると


「まじめにやれ!」とか
「しっかりしろよ!」

とか苛立ちをあらわにしてた、、。

 なんでだろう、、、、。

 瞬間想像した、、、

 もしかしたら、入所するまですごい大変だったのかもしれない
 置かれた状況が悲しいのかもしれない。

 初めて家族を介護することになると、何もかもが分からない、、、、

 その不安がある、、、。

 CMで流れるような個のケアなんて、本当はつきっきりでできない。
 
 車いすで寝た切りの人を優先さざるを得ない、

 私も最初の老人保健施設で、

「リハビリだってやらないじゃないか、毎日食わせてテレビ見させてるだけじゃないか!」

 と怒ったことがある、、、、

 自分自身が療休中の身だった苛立ちもあった。

 背景には、ちょうど、介護保険が急激に変更された時だったことがある。

 いきなり、介護施設(建物がね、、、、)が増えて、職員の給料だけは低く抑えてね、、、。

 日本の行政は、箱もの行政ですから。不況で余計にこうした状況を生んだのだ。
 

 あれでどれほど家族や本人が苦しみを得たことか。

 職員だってやるせなかったでしょう。


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お母さんピアノを弾いてください

タイトルとなった「お母さんピアノをひいてください」は抒情文芸平成13年春季号に掲載されたものです。 オリジナルモジュールで設置したので、常に上に来てしまうのですが、詩の形が崩れてしまいます。 妄想の中に一日いて おびえ閉じこもる母よ 死ぬほど私は辛いのです 小学生から大学まで首席の母 数カ国語を話し、独学で弾くピアノ 簡単なメロディーはすぐに採譜してしまう母私には できすぎた母だった 高等文官の娘に生まれ 私にも明治流の武士の作法を教えた母 母よ、あなたは私には重かった 父が浮気症でなかったら あなたはもっと幸せでおおらかに私を育てたろうに 悲しみとやり場のない怒り 私はもう子供じゃない 母には私はまだ十五の子供に見えるらしい 二度目の童子となった母 母を悲しませまいと自分を殺して生きてきた少年時 代、青年時代 母よ時には恨みもあるのです 私は普通の人なのです、あなたの家族のようなエリ ートにはなれません それもあなたの悲しみの一つです 私は独りです、それもあなたには悲しみですか 両親の不仲が私を学習に集中させなくなったほとん ど上の空の授業、とうとう不安神経症になった私 荒れた少年時代、机も椅子もよく投げた 立ち直らせてくれたのはあなただった 母よそのあなたが目の前で狂ってく なぜ、なぜ、なぜと叫ばずにおられない 心優しき弟はけなげに母をいたわり料理を作る 他の親族は己の主義に走り、以来家には無関心 挙げ句の果てに「お前達でやれ」とはそれがあなた の主義が出した正義ですか 私だって弱いのだ、いや本当に私は弱いのだでも仕 事でも、家でも強い自分を演じてきたそうしなきゃ 誰があなたをはげませたでしょう 私の救いはどこにある 私を慰める人はどこにいる 二度目の童子となった母 もう一度ピアノを弾いてください 私は歌うから、、、、、、。