『ボーナスは20日に支給します。』
朝礼で社長が渋い顔をしながら言う。
ホントだべな。出るんだべな。みんなが心の中で疑う。
午後、社会保険庁で用事を済ませた社長が鼻息を荒くして帰ってきた。
『本当に役所のヤツラの態度は悪いぞ!弱いものにはめっぽう強いくせに
強いものにはヘコヘコしやがって!ろくに仕事もしないくせによぉ!』
その言葉、そのまんまアンタに返してあげたい。
喉まで出かかったが、ボーナス前なので言葉を呑んだ。
20日。朝から社長はいない。
経理のオバちゃんは昨日から察知して、ボーナスの準備をしていてくれた。ホッ。
途中、出先の社長から経理のオバちゃんに電話が入った。
『どーする?まさか、‘ボーナス支給額を減らせ’って言うんじゃない?』
一同、うなずく。ありえる。ヤツなら・・・。
『支給した後でかけなおしちゃおうか?』
こっちも対策を練る。社員はいつも一致団結で社長と戦っている。
どうやら電話の内容はまったくの別件だった。
ボーナスはいつもと変わらない普通郵便並みの・・いや、それ以下の封筒で手渡された。
毎回、もらうまで冷や汗モンだよ。
さて、昨日の金曜日はちょっと忙しい。
社長も含め、全員総出で倉庫の荷物発送の手伝いをしなくちゃ、間に合わない。
しかし、アタシくらいベテランになると、手も動くけど口も動く。
クォンサンウ様の話から、扁桃腺の話題まで、果てしなくおしゃべりをしながら
動き回っていた。
どういう流れだったか思い出せないが、話題は『ケチ』についてに変わっていた。
社長が自分の兄弟のケチ振りを自慢している。
『オレの姉のうちは、金遣わないゾォ。貯まる一方だぞ。』
『なぁ~に言ってんですか、社長!社長の座右の銘は 拾う・もらう・値切る じゃぁないっすぁ!』
とうとうかぁちゃんがこらえ切れずに言ってしまった。
ボーナスが出た後なのでコワいものなし。
社長が続く。
『拾う・もらう・値切る・・。オレの一番好きな言葉だ。』
またまた話題は変わり、スポーツネタになった。
『オレ、こう見えても一応、スポーツなんでもできるんだよ。』
『社長、泳げるんですか?』
『あったりまえさ!昔は倉沼川の河童と呼ばれていたんだ。あの川のようにまっすぐ素直に育ったんだ。』
『一体、どこらへんで屈折しちゃったんですか?』
間髪いれずにあてれんが突っ込む。
『だはは~。いつからかなぁ~。』
なぜか嬉しそうに答える社長・・・。
この人には何を言っても無駄な気がした・・・。
朝礼で社長が渋い顔をしながら言う。
ホントだべな。出るんだべな。みんなが心の中で疑う。
午後、社会保険庁で用事を済ませた社長が鼻息を荒くして帰ってきた。
『本当に役所のヤツラの態度は悪いぞ!弱いものにはめっぽう強いくせに
強いものにはヘコヘコしやがって!ろくに仕事もしないくせによぉ!』
その言葉、そのまんまアンタに返してあげたい。
喉まで出かかったが、ボーナス前なので言葉を呑んだ。
20日。朝から社長はいない。
経理のオバちゃんは昨日から察知して、ボーナスの準備をしていてくれた。ホッ。
途中、出先の社長から経理のオバちゃんに電話が入った。
『どーする?まさか、‘ボーナス支給額を減らせ’って言うんじゃない?』
一同、うなずく。ありえる。ヤツなら・・・。
『支給した後でかけなおしちゃおうか?』
こっちも対策を練る。社員はいつも一致団結で社長と戦っている。
どうやら電話の内容はまったくの別件だった。
ボーナスはいつもと変わらない普通郵便並みの・・いや、それ以下の封筒で手渡された。
毎回、もらうまで冷や汗モンだよ。
さて、昨日の金曜日はちょっと忙しい。
社長も含め、全員総出で倉庫の荷物発送の手伝いをしなくちゃ、間に合わない。
しかし、アタシくらいベテランになると、手も動くけど口も動く。
クォンサンウ様の話から、扁桃腺の話題まで、果てしなくおしゃべりをしながら
動き回っていた。
どういう流れだったか思い出せないが、話題は『ケチ』についてに変わっていた。
社長が自分の兄弟のケチ振りを自慢している。
『オレの姉のうちは、金遣わないゾォ。貯まる一方だぞ。』
『なぁ~に言ってんですか、社長!社長の座右の銘は 拾う・もらう・値切る じゃぁないっすぁ!』
とうとうかぁちゃんがこらえ切れずに言ってしまった。
ボーナスが出た後なのでコワいものなし。
社長が続く。
『拾う・もらう・値切る・・。オレの一番好きな言葉だ。』
またまた話題は変わり、スポーツネタになった。
『オレ、こう見えても一応、スポーツなんでもできるんだよ。』
『社長、泳げるんですか?』
『あったりまえさ!昔は倉沼川の河童と呼ばれていたんだ。あの川のようにまっすぐ素直に育ったんだ。』
『一体、どこらへんで屈折しちゃったんですか?』
間髪いれずにあてれんが突っ込む。
『だはは~。いつからかなぁ~。』
なぜか嬉しそうに答える社長・・・。
この人には何を言っても無駄な気がした・・・。