真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

海保長官の、真実の声が聞きたい

2010-11-10 23:31:32 | Weblog
いやはや、どうなっているのやら。

船をぶつけてきた「海の暴走族」は起訴もされず簡単に釈放され、
命がけで日本の領海を守ろうとした海保職員は逮捕?

まあヨシとしよう。日本は中国と違って、政府や与党の考えで法の運用が決まる国ではなく、法治国家。法に違反しているなら、逮捕でも起訴でもやるべきだ。

だから、海保職員が違法行為をしたと判断できれば、法を適用するべきである。

だがしかし。
当て逃げをした中国人船長に対して、毅然としてその身柄引き渡しを要求し続けなければ、つじつまが合わない。

某官房長官は海保に対して、中国人船長釈放の時と打って変わって、「この違法行為、許してなるものか!」と、会見で息巻いている。

相手が自分の言いなりになる組織で、しかも自分の判断に歯向ったから、単純に頭にきたとしか映らない。

そこで提案だが、この際潔く「政権の判断は誤っていた」と国民に詫び、しかしながら情報漏えいは看過できないから、処罰をする。政権も責任をとって総辞職する。中国には船長の身柄引き渡しを要求する。
これなら、理屈が合う。

それを、いまだに「判断は那覇地検」で、地検に責任を押し付けたまま。
情報漏えいに関しては、「機密情報保護法の制定」を、唐突に官房長官は叫びだした。

民主党政権は、本当に不思議だ。

落選した前法務大臣は、以前から強硬な死刑廃止論者として知られていたが、その法務大臣が「議論を起こすため」と称して死刑を強行。

びっくりしていたのもつかの間、今度は、人権派弁護士として知られ機密情報保護法に対しては強硬に反対し、憎悪すら持っていた官房長官の口から、
「機密情報保護法を制定せよッ!!」
と、突然の寝返り。

他党が機密を保護するのはけしからんが、民主党なら、不都合な事実を隠してもいい、とでも言うのか。
知的誠実さのカケラも見られない。

今や一般企業の中ですら、不正など社会的に問題がある場合、社員がこれを暴露しても、社員は法によって保護される。が、政府が情報を隠ぺいし、国民から隠した場合、いったいどんな手段で、しかも早急にその情報は開示されるのか。

この政権は
「国民に開かれた」「オープンな」
政権だと、彼らは枕詞のように繰り返してきたが、
民主党政権のいう「オープン」とは、自分に都合のよい部分のみオープンにすることだったわけである。

今後政権はおそらく、官房長官が「国家機密情報保護」を叫んでいることから察して、
「言うことをきかない公務員は、粛清するぞ!」
という強硬策にかじを切る。
支援団体、特にお役人の労働組合は何と言うのだろう。

一所懸命国の為を思って働く多くの公務員は、この海保職員に同情し、そして類似案件がぞろぞろ出てくることだろう。

海保の鈴木長官は情報漏えいが身内であったことを報告した昨日の答弁で、声を震わせていた。
野党は、鈴木長官に、

「あなたの本当の気持ちを、聞かせてください。
テレビの向こうで、きょうも命がけで海を守っているあなたの部下たちが、いまあなたを見ています。私(質問者)ではなく、国民にでもなく、海上保安庁に奉職する人々に、命をかけて国を守っている彼らに、あなたの本当の気持ちを伝えてください」

と、質問してほしい。

誠実さに欠けた大臣たちを前に、海保長官の真実の声を聞いてみたい。
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